オールウェザーポートフォリオを採用するか検討します

こんにちは。okometsubuです。

 

私は安全資金+ジュニアNISA分+「SPXL:現金」リバランス用現金+ノーセルバリュー平均法用の現金と、何気に「現金」をそこそこ担保しながら運用しています。

 

一応その「現金」は「株主優待クロス」を行うことで年利1~3%(※単利)で運用できていますので、何気に言うほど悪くは無い対応方法と言えなくもない感じです。

 

ただ、株主優待クロスは閑散期があり、2月、4月、7月、10月、11月は完全に現金が遊んでいる状態になってしまいます。

 

ここ最近は2ヶ月前からクロスしないと取れない銘柄も増えてきていますが、そこまで大量に「現金」が必要という訳でもなかったりします。逆に3月9月辺りは現金が全く足りずにもっともっと欲しい状況。ただ、その2ヶ月間のみのために10ヶ月間、資産が宙ぶらりんになるのは勿体ない。

 

ということで、比較的現金が余っている部分について、そこそこ安全な投資先にある程度埋めておいてもいいんじゃないかと考えています。

 

ある意味、暴落したらレバレッジ商品をナンピン買いするための「現金」ですので、その暴落が発生するまでの期間、ある程度運用で益を稼いでもらって暴落して「現金」が枯渇したら最悪売る形で対応する置き場所です。「ノーセルリバランス平均法」で使う追加現金を予定しています。以下過去記事です。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

 

さて色々調べたところ、「オールウェザーポートフォリオ」というものを見つけました。割と有名なのポートフォリオらしいです。が、私は金融リテラシーが無いので知ったのは割かし最近です。以下やまとさんのブログを引用します。

 

【レイ・ダリオ】オールウェザーポートフォリオの資産運用について | やまとブログ

https://yamatolife.com/ray-dalio-all-weather-portfolio

オールウェザーポートフォリオは、株式30%、中期債券15%、長期債券40%、金7.5%、商品7.5%と特徴的で保守的な資産配分となっています。

株式の比率が30%と低く設定されているのは、“レイ・ダリオは株式は他の資産と比較して3倍のリスクがある”と考えていることに起因しています。

その株式のリスクの高さを、他の金融資産でヘッジ出来るようポートフォリオが構築されている訳です。

 

 

要するに、非常に安定した結果を得られるが、高いリターンは望めないというポートフォリオになっています。上記サイトでバックテストを見させていただくとほぼ右肩上がりだったんですね。

 

つまり、余剰資金として安全に行きたい資産としてこのポートフォリオを採用しておけば、銀行預金にしておくよりも安全じゃないか?というのが私の考えです。

 

結論から言うと、暴落時に強いですがリターンが望めないため、普通に株式100%で資産運用した方が良いです。ただ、私の様に「3倍レバレッジ」に投資しており、その追加ナンピン用に現金を保持している等の戦い方をしている人の「現金置き場」としてはいいんじゃないかなと思った次第。

 

で、このポートフォリオについてリーマンショック時の結果を検証してくれているブログがあります。以下九条さんのブログから引用させて頂きました。

 

レイ・ダリオのオールウェザーポートフォリオを検討する - FIRE:投資でセミリタイアする九条日記

S&P500とのパフォーマンス比較

まずは米国株指数のS&P500とのパフォーマンス比較です。下記グラフの「Portfolio 1」がS&P500、「Portfolio 2」がオールウェザー(簡易複製ポートフォリオ)です。ちなみに縦軸は対数表記となっています。

f:id:kuzyo:20191113162540j:plain

まず分かるのは、オールウェザーリーマン・ショックをほとんど無傷で乗り切っているということです。この安定感が最大のポイントです。しかし、その後の回復期では、S&P500に負け続けます。ちなみにCAGR(年平均成長率)で見ると、S&P500が8.29%、オールウェザーが7.12%となっています。

 

九条さんは色々な投資先に投資をされておりFIREも達成済みでとても面白いブログです。そして「株主優待クロス」も私と似たような考えで投資されているように見受けられました。米国株クラスターとしては私を含め株主優待クロスをやってる人は割と珍しい印象。

 

そして氏のブログはとても面白い記事ばかりなので滅茶苦茶オススメしたいです。取り扱っているジャンルが多く、考察内容も非常に考えられた上で分かりやすい形で記事にされているのでとても読みやすいのも特徴的です。元IT企業役員だったそうな。凄いなぁ。

 

 

話が脱線しました。

 

 

さて、オールウェザーポートフォリオについてかなりの信頼感が置ける気がしてきました。

 

ただ、日本から買う事になりますので「為替」問題が付きまといます。改めてやまとさんのブログ記事内容引用させて頂きます。

 

【レイ・ダリオ】オールウェザーポートフォリオの資産運用について | やまとブログ

https://yamatolife.com/ray-dalio-all-weather-portfolio

円高ドル安が恐怖

ドル建て資産に投資する場合に避けては通れないですが、円高ドル安局面では資産額が恐ろしいスピードで下落するので恐怖です。

基本的には、株安による株式資産額の減少と円高ドル安による円換算時の資産額の減少のダブルパンチを受けることになりますので、この点は認識しておく必要があります…。

ただ、積立投資を長期間続けることが出来るなら、円高局面でドル建て資産を多めに買えるようになるので、悪いことばかりではないのも事実です。

やはり投資期間の分散が重要になってきます。

 

 

為替に対しては積立投資をすることで問題を回避しているようです。

 

これはあくまで私の考え方なのですが、積立投資を行うなら債券や金等のリスク回避資産は不要じゃないかと思っています。何故なら積立投資とはつまり、「投資先:現金」の変動型リバランスみたいな形であるためです。※語彙力が低くてすいません。

 

つまり、10年間積立投資をしたいと考えているのであれば、最初の2~3年は「投資先:現金=20:80」ぐらいの割合でしかありません。つまり、序盤は現金でリスクヘッジを行っているので、「安全資金」が非常に多い状態が序盤続くことになります。

 

その序盤から債券や金を多く持つ必要はあるのか?というのが私の考え方です。

 

逆に初手一括投資や積立年数を10年ではなく2~3年にするとか攻めの投資をするなら債券や金のクッションを入れるのは非常に有効じゃないかなというイメージを持っています。

 

 

というわけで、為替まで考えると「銀行預金」より攻めるけれども安定した運用を目的とした場合、日本から「オールウェザーポートフォリオ」を採用するのはちょっとリスクが高まりそうだ、と思いました。為替考えると結構リスクなんですよね。

 

 

またその他の意見として、債券がこの時期は危ないので「オールウェザーポートフォリオ」自体の安全性を危惧している記事がありました。以下YUTAさんのブログ記事となります。

 

金利時代で見えたオールシーズンズ・ポートフォリオの限界

https://www.yutainvest.com/the-limit-of-all-seasons/

この状況では本当なら次の2つから主に国債の価格上昇が起こって、ポートフォリオのリターンが上がるはずでした。

  • 想定よりも経済が低迷するので、国債価格が上昇するはず。
  • 想定よりもインフレ率低下が進めば、(長期金利が下がって)株式・国債価格が上昇するはず。

でも、既に長期金利の利回りがゼロに近づき(最低で0.3%まで低下)し、これ以上、金利が下がりにくくなる現象が起こりました。

本当なら国債価格があがってポートフォリオのリターンを押し上げる局面だったのに、金利がゼロまで金利が低くなってしまうと国債の魅力がなくなってあまり買われなくなり、ポートフォリオのリターンが伸び悩みました。

 

今は長期金利の利回りがゼロに近づいております。まさに今「オールウェザーポートフォリオ」を採用するのは止めた方がいいかもしれないというものでした。

 

但し、以下の様に最後にまとめられています。改めて引用します。

 

ただ、難点があったとしても株の下落から資産を守る手段としては、かなり有効です。

次の景気後退局面は10年後かもしれませんが、このポートフォリオを導入するか検討する価値は十分にありそうです。また、ゼロ金利が近いときには、オールシーズンズ・ポートフォリオを解除する選択肢も頭に入れておいたほうが良いかも知れません。

 

ともあれ、株の下落から資産を守る手段としては有効であることは言えそうとのこと。

 

この辺のゼロ金利の考え方はバックテストも出来ないのでどうなるか分からないのが難点ですね。ゼロ金利なんて今までなかったわけですから。

 

ともあれ、リターンは下がるものの安定性はそこそこある、と捉えました。

 

 

ではこれを実現させるにはどうするか。九条さんの記事にバックテストの内容がありましたので引用させて頂きます。

 

株式         SPY
中期米国債(7-10年) IEF
長期米国債(20-25年) TLT
金          GLD
商品         GSG

 

株式はVTでもいいとのこと。いや、むしろVTの方が世界分散なのでレイダリオ提案としてはVTにした方が良いかもしれません。

 

海外ETFなので為替・手数料の両方が掛かってくるのが難点でしょうか。VTは確か無料だったかな?でも売却時に手数料がかかる点は無視できません。

 

ともあれ、リバランスは年1回程度で良いそうなので、ある程度抑えらえるかなと思っています。

 

商品はある程度似たようなものを調べたところ、経費率を考えると以下の様になりそうです。

 

今検討している対象銘柄

株式         IVV 30%(最近経費率0.03%になってVOOと同等に)
中期米国債(7-10年) IEF 13%
長期米国債(20-25年) VGLT 42%
金          GLDM 7.5%(※経費率0.18%でかなり安い)
商品         GSG 7.5%

 

VGLTは20年未満の米国債を数パーセント含んでいるためTLTと動きが異なるそうな。経費率は安いですが、TLTの方が結果が良いです。

 

そう考えると、VGLTをほんの少し多めに持って、IEFを少し減らせばバランスは良くなるかなぁと勝手に思ってます。なのでIEF13%,VGLT42%で良い感じにならないかなぁと適当に考えました。まぁ1,2%の違いなんて、ETF購入時の誤差でどうにでもなりそうなので割とどうでも良さそう。 

 

※2020/08/21 追記

PORTFOLIO VISUALIZERで試したところ、VGLT45%,IEF10%にすることでTLT40%,IEF15%とほぼ同等となりました。経費率から考えてVGLT45%にした方がちょっとはお得かもしれません。

 

 

さて、ここで私は思ったのは、これだけリスクが低いならレバレッジかけたら相当安定するんじゃない?と。

 

 

これについて普通に大御所の方々が考えられてました。以下hiroakitさんのブログより引用します。

 

レバレッジド・オールウェザーポートフォリオを紹介する | ROKOHOUSE シーゲル流ロジカル投資術

http://www.rokohouse.net/archives/2482

 

さて、この構成の比率をおおよそ保ったまま、レバレッジETFを使って再現してみた結果、次のような構成となりました。

銘柄 説明 比率
SPXL S&Pブル3倍 20%
TMF 20年超債ブル3倍 25%
IEF 7-10年債 25%
GLD 15%
GSG コモディティ 15%

 ~~~

可変レバレッジド・ポートフォリオも同じような特徴がありますが、一般的なポートフォリオよりも債券への依存度が高いため、今のような債券が下落するような局面では市場平均を下回る可能性があります。

 

 

 

そして過去金利が高い時からのシミュレーションをdrkernelさんがシミュレーションされています。

 

金利を織り込んでもレバレッジオールウェザーは強いのか? | Dr.Kernelの見た世界

https://drkernel.net/archives/367

さて、材料が揃ったのでPythonを使ってポートフォリオのシミュレーションをしてみました。今回は超長期のチャートのみ示します。また、レバレッジポートフォリオをリスク毎に描画するとごちゃごちゃするのでリスク大の1つのみ描画しました。

f:id:okometsubu-blog:20200819152459p:plain

f:id:okometsubu-blog:20200819152506p:plain



  S&P500 LPF High All Weather Leveraged All Weather
年率幾何リターン 10.9 11.8 7.8 10.0
年率標準偏差 14.4 21.2 6.7 14.0
最大ドローダウン 51.1 64.9 11.6 34.3
シャープレシオ(Rf=0) 0.757 0.559 1.161 0.713

 

受け取り方は人によりけりだと思います。LAWPFは全体の資産に対して2倍のレバレッジがかかっていますが、最終的なリターンとしてはS&P500には劣っています。株式は75%/200%分のみで、その他は債券のようにリターンが低めの資産、金やコモディティのようにそれ自体がリターンを生むものでないものに投資しているためか、上昇分はほぼ金利支払いに消えている、という印象でしょうか。

一方でドローダウンについては、限定的です。債券にそれなりに投資しているのにLPFと違い致命的なダメージを受けることはなく1970年代を過ごしています。もちろんリターンは悪いのですが、LAWPFでは下がってもせいぜい株式と同程度です。

 

詳細は氏のブログ閲覧推奨です。いやはや、凄いです。

 

やはりレバレッジをかけることで暴落時に大きく下げていることが分かりますが、株式程度の下落である点を考えるとLAWPF(レバレッジオールウェザーポートフォリオ)は非常に魅力的に見えてしまいます。

 

ただ、金利が高まっている1980年台前後はやはり結果が悪いです。今後を考えて安全に行くならレバ無しで良い気がしてしまいます。

 

 

さて、一番結果が良かった「LPF」は以下の記事に記載があります。以下引用させて頂きました。

レバレッジPFの超長期のシミュレーション成績を見てみる | Dr.Kernelの見た世界

https://drkernel.net/archives/353

リスク大(SPXL 40%, TMF 30%, 中期債 30%) 

 

 

さて、レバレッジを掛ける件についてですが、靴磨きおじさんのブログではこう言及されています。以下ブログ内容を引用させて頂きました。

 

平凡な個人投資家の株式は100%がよいか? バフェットとレイダリオの教えから読み取ること - 恥知らずの模倣者"Shameless Cloning"戦略のブログ

http://kutsumigaki.blog.fc2.com/blog-entry-270.html

最後にレイダリオは料理の仕上げとして出来上がったポートフォリオに数倍のレバレッジをかけます。
これは個人投資家には真似できないと思います。

これによりレイダリオのポートフォリオは、株式よりもリターンが高く、リスクが低い究極の商品になります。
(年率リターンが10パーセントを優に超えるのにリーマンショックでも下げるどころか上げるような究極の資産です)
しかし最後のレバレッジの部分が真似できないゆえに、個人投資家は彼の真似ができないというのが僕が思ったことです。

 

彼のオールウェザーポートフォリオは疑似的にブリッジウォーター的な資産分配になっています。
リーマンショックでドル基準で株式50パーセントの下落に対してこいつは3パーセントしかさげませんでした。
しかし上記の通り問題があります。
つまりたぶんこのポートフォリオはインフレに対して、2~3パーセントしか超過リターンを生みません。
本当ならブリッジウォーターの手法は、最後に安全な範囲で数倍レバレッジをかけるのです。
しかし個人はそれができない。なのでレイダリオの真の力を発揮できない。

 

レイ・ダリオ氏はレバレッジをかけているそうです。というよりも、このような安全なPFにレバレッジを掛けるのは一般的なんだそうです。私も似たことを考えていたので違う人の意見と考えが一致すると安心します。

 

3倍までなら先ほどのポートフォリオでできなくはないですし、この考え方も間違いじゃなかったということかな。今回は「銀行預金」より良さそうな形にしたいのでレバ無しにする予定ですが、ちょっとだけ浮気したくなりますね・・・。困るなぁ。いや、金利考えたらこれ以上リスクは取れないか。

 

 

いやー、ここまで見たらもう一気に数百万円、オールウェザーポートフォリオに入れたくなっちゃいました。5年間程度を見ればある程度良い感じに右肩上がりしてくれるんじゃないかなぁと思っちゃってます。

 

最悪、多少赤字になっても元本に近い値は守られるんじゃないかなぁと思わなくもない。為替を考えなければですが・・・

 

 

ざんねんなのが、「ドル転」しちゃうので、資産が円ではなくなる、つまり、株主優待クロスの元ネタとして使えなくなってしまう点でしょうか。これはもう仕方ありません。3月9月もクロス銘柄大量にありますが、真に利率が良いものはそこまで沢山あるわけではないです。最悪、利率の低い銘柄を除外するだけの話です。

 

後はこの「オールウェザーポートフォリオ」の年利を確認して、「株主優待クロス」よりも明らかに利率が良いことを証明すればOKというわけです、同等程度だったらやりません。優待クロスしてればローリスクでロー~ミドルリターンを得られるのですからやる必要がありません。

 

ざっと見た限り年率5~8%ぐらいでるっぽい。普通に凄い。ただ、今後の金利上昇時もこのままいくかは不明。

 

このオールウェザーポートフォリオについて、コモディティであるGSGですが軽く検索すると比率を下げて運用されてる方が結構いました。コモディティはかなりマイナスに動くことが多かったらしい。とはいえ私はその辺の考えが全く分からないし理屈もよく分からないのでやるならキチンと7.5%入れようかなぁと思います。

 

 

・・・ただ、今始めるのが怖いのは、その発案者のレイダリオ氏が今債券を持つのはNGと発言しちゃってることです。以下Bloombergサイトより引用させて頂きます。

 

ダリオ氏:国債、今の時期に保有するのは「正気の沙汰でない」 - Bloomberg

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-15/Q8U4ZKT1UM0W01

ダリオ氏は15日にブルームバーグのウェブキャストで、「1930-45年の期間と同様、この時期に債券を保有するのは正気の沙汰でないと考える」とコメント。「投資家がゼロ金利またはマイナス金利の債券を保有し、(当局が)大量に印刷する紙幣を受け取るのであれば、その債券を保有することに何の意味があろうか」と語った。

 

えぇ・・・。一応この記事は4月15日のものなので状況変わってるかもしれませんが、そんな発言してます。なら債券少な目で組めばいいのか、とかちょっと素人ではわからんですね。今回のポートフォリオとは別次元の話なのかもしれませんが、一応頭に入れておきます。債券、55%も入ってますからね。

 

まぁ、どうなってもいいように組んだオールウェザーポートフォリオなので、上手くやってくれることに期待。(※適当)

 

 

というわけで、今回は簡単に調べて所感を述べただけでした。次回は改めて超ザックリで検証できたらしてみたいと思います。と言っても既にある商品のチャートなので世の中に出回っている結果を見るだけになりそうです。

 

 

f:id:okometsubu-blog:20200819162535j:plain