【FTX JP】USDがマイナス状態時に他通貨が強制的に売られるか検証してみた

※親会社であるFTXが破綻しFTX JPも利用不可となりました。本記事はあくまで過去のものとして備忘録として残しておきます。(2022/11)

 

FTX JPという暗号資産取引所があります。

 

 

これは海外では有名なFTXという超巨大企業が日本に来た取引所で日本専用という感じのやつです。あの野球の大谷選手がスポンサー契約しており7月にCMで流れていたのも記憶に新しいと思います。

 

さて、私はそんなFTX JPを使用しているのですがサービスの中にパーペチュアル取引である「BTC-PERP」も可能だったりします。この先物を使うと自分が持っている暗号資産の残高も50%ながら証拠金として使えるのでレバレッジを効かせた取引が可能となっています。

 

が、ここにきて問題が発生しました。以下公式のヘルプサイトによると、ウォレット内のUSD残高がマイナスになった時に、ある時点を境に強制的に日本円や暗号資産を売却してUSDに変換してしまうというものです。以下引用元。

 

パーペチュアルで使用する証拠金について – お客様サポート(ヘルプ・お問い合わせ) | FTX Japan

https://help-jp.ftx.com/hc/ja/articles/4588827371801

 

証拠金転換(コラテラル・コンバージョン)

FTX JapanはUSD残高がマイナスの場合、もしくは以下の条件を満たすときはUSD以外の証拠金をUSDに転換します。

  • 毎週日曜の午前9時時点でUSD残高がマイナスの場合
  • USD残高のマイナスが3万ドルに達した場合

FTX Japanは次の順番で、USDに変換します。
JPY>BTC>ETH>SOL>FTT*

*FTTを証拠金として有効にしている場合のみ

 

で、FTX.com時代は3万ドルマイナスにならなければ強制決済されることは無かったはずですが・・・日本独自ルールくさい。困ったものです。まぁ確かに安全と言えば安全なんだけどさー。PERP取引の醍醐味が無くなるじゃーん。

 

さて、このUSD残高がマイナスになるのはどういう状況なのかというと、こんな感じで先物取引のポジションが負けポジションになっているときに発生します。例えばこんな感じ。

 

 

BTC-PERPの価格が20215ドルの時にロングした例です。その後価格は下落して19996ドルとなってしまいました。この時、ウォレットはどうなっているかというと、こんな感じでUSDがマイナスになります。

 

 

つまり、PERP取引のポジションを持っていると、リアルタイムでUSDの残高が上下するわけですね。

 

じゃあマイナスはどこで補填されているのかというと、日本円やそのほか証拠金として使える仮想通貨がウォレットにあるからこそ、取引ができているわけです。上記の例だと、サブアカウントでお試しでやってるのですが日本円のみウォレットに入っています。

 

さて、ということで今回の目的は、本当にUSDがマイナスになって木曜日の朝9時になったら強制的に他通貨が決済されてUSDに変換してしまうのか?というのを検証してみたいと思います。

 

検証前の希望としては、FTX.com時代のように、残高がマイナス3万ドルにならないと発生しないんじゃないかなぁ~と期待しての検証です。

 

ということで、1週間放置してみました。

 

実は、以前のヘルプサイトでは「木曜日朝9時」だったのですが、現在のヘルプサイトだと「日曜日朝9時」になっていましたので、念のため木曜日の朝9時も見てみましょう!

 

木曜朝9時の状況(念のためチェック)

 

USDがマイナスのままです。取引履歴を見ても強制決済された形跡は一切ありませんでした。

 

さて、本命の日曜日はどうでしょうか。

 

日曜日朝9時に強制決済されました

 

 

 

本当に残念ですが、日曜日の朝9時に日本円がUSDに強制決済されました。

 

これによりUSDの残高はプラスに戻っております。

 

実は昔のヘルプサイトは「木曜日朝9時」だったので、その時から試していたのですが突然日曜日に強制決済されてビビりました。ぶっちゃけ木曜日朝9時過ぎても無事だったので小躍りしたのを覚えています。ぬか喜びした時間返して!!!

 

なので、結構前からサポートに問い合わせをしてたりしておりまして、この度回答を頂きました。

 

正解は「日曜日朝9時」

 

ということでFAです。

 

つまり、

 

USDが少しでもマイナスになったら日曜日朝9時で強制的に他通貨がUSDに変換されます!!!

 

本当に残念です。もう一つの条件の「マイナス3万ドルになったら強制変換」もありまして、そちらは3万ドルマイナスになった時点で発動します。

 

が、まぁ、そっちは引っかかる人は大金持ちの人ぐらいしかいないのでいいでしょう。

 

本来のFTX.com時代だったら、マイナス3万ドルまで行かなければ強制決済しなかったはずなんだけどなぁ・・・日本独自仕様だと思うし、安全性を考えたら仕方ない気もするけど、毎週朝9時に強制決済とかいうのはしないで欲しかった。悔しい。

 

これの何が残念かというと、こんな感じでしょうか。

 

強制決済される残念な所

  • 証拠金の暗号資産や日本円をウォレットに保有しなくてはならないため、機会損失につながる
  • 強制的に売られるので指値とかできないためガッカリするタイミングでUSDに変換する可能性がある
  • OTC取引(販売所方式)なのでスプレッド幅とか手数料が心配

 

特に嫌なのがOTC取引という販売所形式でやられること。これはスプレッド幅というものがあって、実質手数料みたいなものがあるのですが、実際の価格よりも安く売られたり高く買わされたりするのです。

 

ということで、次の確認に移ります。今回OTC取引の内容です。どのぐらい損失がでたでしょうか。

 

OTC取引内容を確認して損失を見る

確認する項目は次の通り

  • 日曜日朝9時の始値のUSD/JPYの価格を確認
  • OTC取引時のUSD/JPYの価格を確認
  • 手数料を確認

では上から。日曜日朝9時のUSD/JPYの価格はこんな感じ。

 

 

140.33USD/JPYでした。

 

ではOTC取引の価格を確認します。

 

 

表記がJPY/USDでしたので、1 ÷ 0.00710430で計算すると、

「140.7598215165463 USD/JPY」

となりました。

 

つまり、この時のスプレッド幅は約0.3%ということが分かりました。思ってたより悪くなかった。ちなみにSBI証券の米国株の現物購入の手数料は0.45%なのでやっぱ悪くないと思う。全然違う話だし比べて良いか分からないけどイメージ悪くない。

 

ただ、そもそもFTX JPの成行注文だと最大でも0.07%の手数料で取引できるので、やっぱ強制決済は大損するという認識を持っておいた方が良い気はします。

 

さて、もう一つ気になった手数料ですが、OTC取引だったためか、無事0円で済みました。やったぜ!

 

 

総合して考えると、強制的に決済されはするものの、そこまで悪い形にならなくてホットしました。

 

ただ、今回の強制決済額が非常に少額であったため、この程度で済んでいる可能性は否めません。そこは本当に注意したい所さんです。

 

なので、やはり強制決済されないように手前の準備として早めに行動しておいた方がいいよなと思いました。これの考え方について過去記事で実はまとめていたりします。BTC現先ポジション解消用ですがよろしければ参考にしてみてもいいかもしれません。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

上記過去記事でルールのサンプルを載せてますので気になる方は見てみてもいいかもです。

 

 

じゃ、まとめましょ

 

まとめ

  • ウォレット内のUSDがマイナスになったら強制決済される可能性がでるよ
  • 強制決済されてもそこまで酷いレートではないものの、若干損する感じなのでできれば日曜日朝9時前までにUSDをマイナスからプラスに自分で戻した方がいいよ

 

ということで、ポジションを持ってる人はクオンツゾーンなり手動で毎週チェックした方が安定すると思いました。特にBTC現先でポジション持ってる人は、現物が先に売られてしまい先物側のポジションを解消できないため、さっさとクオンツゾーンを組んで対策した方がいいでしょう。

 

現先組んでない人は単に日本円をウォレットに入れてUSDにすれば解決できるのでそれでもいいし、証拠金使われてもいいなら消化されてもいい暗号資産をウォレットに叩き込んでUSDに変換しておきましょう。

 

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FTX JPは取引停止となったためリンク削除しました