【CFD】元本レバレッジを積立投資したらどうなるかシミュレーションします【SPXL】

こんにちは。okometsubuです。

 

また今日も「元本」3倍のCFDや信用取引と、「値動き」3倍のSPXLやTQQQを勘違いして発言されている人を見つけてしまった。

 

信用取引すればTQQQと同じことができる!!」という内容の発言。

 

くそ・・・モヤモヤするから勘弁してくれ・・・

 

元本3倍する商品と値動き3倍する商品は似て非なるものなので全く違う動きをします。

 

しかもその人が「インフルエンサー」と言いましょうか、ソコソコ有名人の方が発言されていたりするので、こういう所から世間様から誤解が生じるんだろうなぁと静観して眺めています。ある程度有名になったら発言に気を付けなくてはいけないのも中々大変そうだなぁと、他人事ながら思ってしまうのでした。

 

モヤモヤするので私が観なければいいのですが、何分、ネットを使ってブログのネタ探しもしているのでどうしても目にしてしまうのでした。ブログも間接的に健康に悪いな!!

 

まっ!言うて私も昔検証するまでよく分かってなかった節があるんですけどね!!!

 

これからもドヤ顔でブログに書いていく。

 

 

 

さて、CFDや信用取引というものがあります。これは「元本」にレバレッジを効かせて大きく資産を得られる可能性が増える半面、借金になる可能性もある危険な投資方法です。

 

それに似たようなものでSPXLやTECL、「iFreeレバレッジ」関連もレバレッジを2倍3倍に利かせるのですが、「値動き」に対して2倍、3倍するという商品設計で、元本を2倍、3倍するものとは大きく異なる性質を持っています。似て非なるもの。それが値動きXX倍商品。以下過去記事。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

1970年~2019年末まで(50年)

 

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  • 1位:SPXL     :1913倍
  • 2位:iFreeレバSP500:488倍
  • 3位:CFD5倍レバ  :174倍
  • 4位:CFD3倍レバ  :104倍
  • 5位:S&P500    :35倍

 

とてつもなく違うことがこちらのグラフでお分かりいただけたかと思います。全然違いますね。そして特性としては以下の通りとなっております。

 

CFD(元本)とSPXLやTECL(値動き)の違い

  • CDFボックス相場に強い追証がある。
  • SPXLTECL右肩下がり相場および右肩上がり相場に強い。追証が無い。

 

 

で、今回は何をやろうかと言いますと、SPXLやTECLは積立投資をすることは非常に有用であることを過去に検証してお見せしました。以下過去記事辺りのシリーズを参照頂ければと思います。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

基本は途中売却するのが良いと思いますが、最後まで売却しないで億万長者コースもあります。ただ非常にリスキーですのでオススメはしてません。

 

ということで、「元本」に対してレバレッジを効かせた場合の「積立」結果についてもちょっと気になったので今回調べてみようと言うわけです。とりあえず威力そのものを知りたいので超簡易的なものでやります。

 

やること

  • 元本に3倍と5倍したものを投資することにします。
  • ^GSPC(S&P500)を対象として行います。SPXLと比較するためです
  • 面倒なのでロスカット無しで投資額がマイナスになってもポジションが発生しているものとします(※未来への期待を込めて生活資金から投資したという無理な設定で行います)
  • 手数料、金利は考慮無しです

 

CFDや信用取引の「元本」3倍は本当にSPXLよりも「安全」なのかを確認したいというものです。そのため、CFDや信用取引は本来「ロスカット」等で資産がマイナスになるのを防ぎますが、実際の実力としての力を見たいので、マイナスになってもロスカットせずに継続投資した場合の実力を見ます。

 

それじゃあちょっとその威力とやらを見て見ますか。期間は適当に選びました。

 

 

1970年~2019年末まで(50年)

1970-01-01~2020-07-02の約50年間を見ます

 

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終結

  • SPXL:381.0倍
  • 元3倍: 34.36倍
  • 元5倍: 56.60倍

 

あー・・・積立でもやっぱり先ほどの前回記事の結果とそう変わらないですね。つまりSPXLの値動き3倍側が強いということです。そしてこのグラフではよく分からないので対数グラフにしてみます。

 

 

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調査時期がアレだったからかもしれませんが、SPXLが圧勝ですね。1976年頃の大きな下げのときも、青線がオレンジ線、黄色線よりも上に来ていることを確認できます。つまり、「右肩下がり」の大暴落時においてSPXLの方が安全であることが証明されました。

 

もちろん、いつでもどこでもSPXLが強いと言うわけではありません。1985年頃は元本5倍の積立が勝利している時期もありますが、その時期で見ても違いは50歩100歩程度でしかありません。当然時期にもよりますので一概に言えませんが一応過去実績としてはこんな感じです。

 

そしてSPXLは借金にならないのは本当に強い。安全面で見てもやはり積立投資のSPXLの圧勝かなと思った次第です。

 

ではCFDは本当に借金してるのでしょうか。最初の1980年までをクローズアップ過去してみましょう。

 

1970年~1980年末まで

1970-01-01~1980-01-01の約30年間を見ます

 

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終結

  • SPXL: 1.34倍
  • 元3倍:1.40倍
  • 元5倍:1.67倍

 

途中、元本5倍はガッツリ評価がマイナスになってて草ですよこいつぁ・・・(※グラフが見づらくてすいません。)

 

実は元本3倍もギリギリ元本割れです。マイナスしている時期があったりします。つまり、この時点でSPXLよりも「危険」な投資先である可能性が十二分にあるということです。

 

よくツイッターとかで見るのは、「SPXLは危険すぎるからCFDで投資した方が安全」というものがありますが、今回の検証記事でその考え方は違うのではないか、と私の中では考えています。

 

あくまでSPXLやTECL,TQQQ等の「値動き」3倍レバレッジは「ボックス相場に弱いだけで、減価はするものの「右肩下がり相場」や「右肩上がり相場」で強いことは本記事でも分かったはずです。

 

つまり、安全性という面から見るならば、「減価」で資産が目減りするリスクはありますが、あくまで「ボックス相場」なので、全資産が一気に失われるなんてことはありません。むしろ大暴落がひとたび発生したら、CFD側の元本レバレッジは一気にマイナスになる程の威力を秘めていることから、SPXLの方がむしろ安全と言えるということです。値動きXX倍系レバレッジマイナスには絶対ならないのですから当然の話かもしれません。

 

当然CFD側は「ロスカット」で実際マイナスになることは稀かもしれません。超巨大な大暴落の場合にはロスカットが機能せずに実際にマイナスになって追証が発生する可能性は十二分にあると解釈しています。そして何より、「ロスカット」してしまったらその後、リバウンドしてしまったらもう取り返しがつきません。その点でみてもCFDは私個人として見た限りではSPXLと危険度は言うほど大差ないと思ってます。

 

そもそもCFDの方が安全と発言している人の考えとしては、相場が「分かってる」人が比率を変えながら投資しているようです。つまり、下落相場だと思ったら躊躇なくレバ比率を下げて安全に行ける人向けとういことです。なので、本当に投資力が強くて相場が読める中級者向け以上じゃないと手が出せないかなと思った次第。

 

ただ、もちろんレバ比率を意図的に下げた場合、その後のリバウンドの「旨味」は貰えない可能性があるのでした。結局CFDが安全というよりも、CFDのレバレッジ比率を手動で調整する投資家の「腕」により安全になったり危険になったりするということです。

 

・・・って書いたけど、CFDのレバ比率変えるってことは、結局「損切り」してるだけだから、腕も糞もないわ。そんなのSPXLだって「損切り」すれば一緒じゃない。いや、暴落中の「売り」になるからその分損はするからやっぱり考え方が真逆なだけの投資方法ってだけだ。CFDは暴落しつつあったら「売り」で、SPXLは暴落しつつあったら「買い」でケアをする投資方法ってだけです。

 

特に何の対策もしなければ私はCFDはSPXLよりも「危険」だと思います。SPXLはマイナスが無く追証とかロスカットとか気にしなくていいからです。よって私は投資初心者なのでSPXLに投資しますね・・・。※尚ボラはSPXLの方が激しい模様

 

 

グラフに話を戻します。

 

 

実際見て見ますと、「元本3倍」と比べてもSPXLは大幅な暴落時に勝利していることが分かることでしょう。元本5倍はマイナスに突入しており、結果は言わずもがな。

 

 

これは前々から何度もお伝えしていた値動きXX倍レバレッジの利点です。「減価」の逆の「増価」効果といいましょうか。大きな暴落時はむしろSPXLやTECLは強いのです。

 

その大きく下落した時に発生する「増価」した所で積立投資でによる「買い」をするのがミソとなります。

 

SPXLやTECLの増価効果を得られるのは、大きく下がった所で「買い」を行い、大きく上がったところで「売り」を行うことで増価の効果を得られるのです。それを忘れると値動きの上げ下げにより「減価」が発生するためメリット効果は減っていくことになります。

 

今回は「積立投資」をしているわけで、大きく上がった所でも「買い」を行う可能性があるので、実は理想的な投資方法とは言えません。が、どのような場合でも「買い」を行うため、SPXLの「値動き」3倍のメリットもデメリットも全て包括した形で投資できるため、単純に値動き3倍の威力の分だけ享受できるため、等倍商品の「積立投資」とそうリスクは変わらないんじゃないかと思っています。つまり、中長期期間の運用期間があれば、かなり安全に進めることが出来るのが最大の利点だと思います。

 

 

よって、最大効率を求めるのであれば、積立投資よりもリバランス運用を実施することで「増価」パワーを期待できることになると考えています。つい最近RSIを基準にして投資する方法を検証しました。つまり、RSIで「増価」が発生した所で売買するタイミングを見極めようというものです。気になる方は閲覧してもらってもいいかもしれません。全9回となっていて無駄に長いシリーズ物です。

 

 

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そして「値動き3倍」商品で最もやってはいけないことがあります。

 

それは大きく下がったところで売り」、大きく上がった所で買い」を行うことです。何故なら先ほどから何度も説明している通り、「増価」のパワーを受け取るには下がったら買い、上がったら売らなければいけないからです。その逆の行動をとると、「増価」のパワーを全て失うどころか、「減価」のマイナス分のエネルギーも引き受けることになり2重で大ダメージとなります。

 

・・・まさか、コロナショック底でSPXLを「売った人はいないよなぁ!?!?

※尚、筆者はSPXLとTECLとSPXSを購入するという意味不明行動をとった模様

 

 

これやっちゃうと最悪で、「増価」の恩恵が得られないどころか自分から破棄することになるので、レバレッジ投資家としては最悪最低のタイミングで売却することなってしまうということです。ですので、3倍レバレッジに投資している人はこの点、お気を付け下さい。

 

私は当時「リーマンショック」レベルであれば耐性が得られる投資額で運用していましたが、「世界恐慌」を考えていなかった、かつ、当時のブログやニュースで「世界恐慌」になるかも!?という記事を見て想定リスク許容度をはるかに超えてしまったため怖くなってSPXSを買ってしまいました。完全に投資設計のミスです。

 

なので、大暴落で売ることは現時点でリスク許容度を超えた投資をしていると認めることになるため、あらかじめ投資額を下げるか、大暴落中に売ってしまって「増価効果」を完全に捨て去るという非常に勿体ないことになっても悔やまない精神が必要となります。あぁ、レバレッジ投資はなんと心とお金に響く投資でしょうか!色々蝕まれて行きます!!

 

 

話が脱線しました。

 

 

さて、この結果からCFDを淡々と積み立てた方がむしろ大暴落時のロスカットの恐怖と管理の手間に怯えながら運用することになるためとても危険な投資方法になり得るということが分かりました。 

 

さて、グラフの後半を見て見ましょうか。

  

株価復活後の1976年台はCFD等の元本3倍や5倍側がSPXLの成績を上回りますのでCFD側が非常に有利な時期となります。ただ、SPXLとの差は50歩100歩程度であることが分かりました。特に元本3倍とSPXLを比較したらほぼイコールでそんなに変わらない印象です。

 

勿論、この時期特有の問題かもしれませんが、ヨコヨコ展開で強いと言われるCFDの「元本XX倍」でもこの程度の差しか生まれないといことです。このぐらいの減価はあまり気にしなくていいかなと思った次第。

 

そして1990年まで延長すると、立場は逆転します。こんな感じ。

 

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1987年頃は元本5倍の2倍もの違いを見せつけていきました。

 

この圧倒的暴力。1983年頃の時点で既に元本3倍は追い越していますね。1984年以降の強烈な右肩上がり時は元本5倍でも追いつけない超絶株高になったと言うわけです。

 

そして大きく下落しても普通に「元本3倍」より強いという。やっぱりCFD元本3倍より夢があって、大暴落でも安全な「SPXL」は強いと思うし、「積立投資」との相性抜群だと思った次第です。

 

結局米国株は「右肩上がり」が期待できるのだから、「ボックス相場」に賭けるよりも「右肩上がり」の利益を得られやすい「値動き3倍」に投資した方が理に適っているんじゃないかと勝手に思っています。今後、米国株は衰退するそうですが、右肩上がりはしてくれるんじゃないかなと期待しての投資です。

 

ただ、当然ながらCFDでもSPXLでも言えることですが、運用終了時に大暴落があったらさすがに目も当てられませんので、私は運用投資可能人生の半分が経過する頃までには少なくとも1回は売却したいと考えています。利確できるほど儲かっていなければ最悪最後まで続行します。何故ならそれだけ株価が低迷しているため、そこで培った買付が最後の最後でドカンと右肩上がりしてくれることに大いなる期待が寄せられるからです。

 

米国株は落ち目と言われてますが、結局最後は右肩上がりを信じられるためです。ということで、少なくとも20年の運用期間が欲しくて、その10年目までに大きく上がったら売ってしまって、上がらなかったら20年目まで積立投資を継続する、と言う感じですね。以下その時の過去検証記事です。

 

 

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ということで、簡単ではありますが、私はCFD等の元本XX倍に対して積立投資をするぐらいならSPXLや「iFreeレバレッジ NASDAQ100」に積立投資をするという方針から変わらずとなりました。

 

CFDの元本XX倍投資は「短期~中期投資」という位置づけになるんじゃないかなと思った次第です。なので、SPXLとCFDはその立ち位置、役割が全く異なるため批判しあう仲ではないということです。似て非なるものということです。

 

どちらもメリットがあってデメリットがあるということです。どっちが優れているという話ではないと考えます。

 

とはいえ、私は「値動きXX倍」に大いなる期待をしているためバイアスがかかった記事になっていると思うことをお詫びします。

 

もし仮に実際に投資される方はCFDについてと、SPXL等の値動きXX倍について、改めてキチンと調べてから投資してみることをお勧めします。

 

 

 

さて私はと言うと、ちょっとSPXLやTECLが償還した場合の備えとして積立投資先の変更も考えていたのですが、ちょっと残念な結果となりました。実を言えば、結果がよかったらCFDを使って積立投資するのも悪くないかなぁ~と思ったのですが、CFDとは無縁で終わりそうです。

 

やはり償還されずにSPXLとTECL、「iFreeレバレッジ」はできれば存命してほしいです。

  

ということで、今回はここまでと致します。

 

 

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