【海外ETF】外貨建てMMFの運用方法をまとめました【米国株】

こんにちは。okometsubuです。

 

今回は以前の記事の続き物となりますが、別にここから見始めても問題ないです。以下前回の記事。「外貨」についての税の在り方について記事にしました。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

 

今回は「外貨建てMMF」に絞って考えたいと思います。本当であれば「外貨建てMMF」だけではなく米国株やらETFも同じことが言えますので置き換えて読んでも大丈夫だと思いますが、「ドル」をプールするのに使う場所、銀行口座のような用途としてここを使うことになるため、あえて「外貨建てMMF」として話を進めます。

 

また、私は税金についてど素人なので、気になる方はお近くの税務署に確認してください。予防線です。すいません。

 

前回からのおさらい

本記事は「外貨建てMMF」をどう使うのが一番安全で損をしないで行えるかを模索するものとなります。実績ベースでは無い点ご了承ください。ただ、そのうち実際に試すことになるとは思います。

 

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外貨建てMMF」(以降MMFと記載)とは「投資信託」に当たります。これは、株式やETF等と同等の投資商品扱いとなります。しかしながら、原価割れが起こる可能性はかなり低く、口座に「ドル」として単に置くよりも利率が良いためコチラに投資する人も多いかと思います。

 

私もSPXLを外貨決済で購入したときに出た端数のドルをプールする為にMMFを利用しました。利率も年利で1%以上あることから、ただドルを置くよりもお得そうに見えます。

 

他の視点として、前回の記事にあった「為替差益」による雑所得問題を回避するために投資しています。為替差益自体の定義は先ほど紹介した前回の記事をご参照頂くか、Google先生に聞いてください。

 

で、今回の注目ポイントは、その「為替差益」に関するものです。

 

簡単に改めて説明すると、ドル転時の為替レートをまず控えておきます。で、そのドルを翌日以降に何かしらの商品を購入、もしくは円転すると、その日の為替レートドル転時の為替レートの差額が発生し「為替差益」が発生します。この日の為替レートドル転時の為替レート自分で雑所得計算しなくてはなりません。これは証券会社から何か明細(PDF等)が提供されるでも無く、本当に1から自分で管理表にまとめて計算ししたりする必要があります。特に誰からも注意が来ないのでスルーしてしまう危険性の高い部分だと思ってます。

 

これは「ドル」から何かしらの商品を買っても発生します。例えばドル転時が1ドル100円で、翌日以降にMMFを購入した際のレートが1ドル110円の円安になったとします。そうすると、「ドル」でMMFを買ったのに1ドル10円分の利益が発生したと見なされ、この利益が雑所得扱いになります。円転しておらずドルのままなのにです。以下国税局のサイトとなります。

 

預け入れていた外貨建預貯金を払い出して外貨建MMFに投資した場合の為替差損益の取扱い|国税庁

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/02/43.htm

【照会要旨】

 米ドル建で預け入れていた預金10万ドルを払い出し、その全額を外貨建MMF(米ドル建公社債投資信託)に投資しました。この場合、その外貨建MMFに投資を行った時点で預金に係る為替差益を所得として認識する必要はありますか。

 預金の預入時のレート・・・1ドル=90円(円からドルへの交換と預金の預入は同日)
 外貨建MMF投資時のレート・・・1ドル=105円
 (注) 便宜上、預金の利子は考慮していません。

【回答要旨】

 為替差益を所得として認識する必要があります。

 

酷いのは、買い付け時雑所得扱いになるため3年間の損益繰越が出来無い点です。今年中に雑所得内で合算する必要が出てきます。

以下freee様サイトより引用。

 

青色申告者は赤字を3年間繰り越せるって本当?注意点とその方法 | クラウド会計ソフト freee

https://www.freee.co.jp/kb/kb-blue-return/deficit/

損失申告できない所得

以下所得については、そもそも損失が出ないという前提があるため、損失が出ても、原則繰り越すことはできません。

  • ・利子所得
  • ・給与所得
  • ・退職所得
  • ・配当所得
  • ・一時所得
  • ・雑所得

 

 

余談ですが、これはMMF等何かしらの商品を購入する時の話であり、売却時源泉徴収税となり特定口座内で自動で計算してくれます。この時は雑所得ではないので3年の繰越が可能で確定申告で損を取り戻せます。

 

さて、この雑所得発生条件を回避するためには、ドル転した当日中MMF等何かしらの銘柄・商品(米国株やETFとかもOK)を購入することで為替レートの差異が発生せずに雑所得計算を回避できます。

 

ぶっちゃけてしまうと、ほとんどの人が面倒くさすぎてやっていない、いや、そもそも認識すらしていないと思われます。更に税務署の人も金額が大きかったらアレですが、細かい金額部分まで見てられないためスルーしているのが現実だと思われます。皆さんドル転したドルを外国株口座に入れっぱなしにして、とあるタイミングで米国株買ったりしてますよね?その買うタイミング為替レート見て自分の手で為替差益を計算して最後に確定申告の雑所得として計上しているのって話です。

20万円以下なら確定申告不要でしょ?と思われますが、住民税の申請は必要です。

 

とはいえ先程国税局からの案内もありますので、なるべく上手く回避出来るように努めておいたほうが無難だと思っています。それが「外貨建てMMF」に投資する真の目的です。

 

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ここまでが前回の記事内容ざっくり説明。次からが本題。使うと決めた「外貨建てMMF」をどのように扱うのがお得かを調べます。

 

外貨建てMMFお得に上手に利用する方法

もし「外貨建てMMF」を売却して他の米国株とかを買いたくなった場合はどうなるのでしょうか。と言うお話をします。

 

先程もちらりと書きましたが、売却時にもMMF購入時の為替レートと売却時の為替レート差の「為替差益」が発生します。「ドル」から「ドル」になっただけなのに、です。この時は源泉徴収税として特定口座内で自動で計算してくれますので雑所得計算は不要です。売るときは楽チンですね。

 

楽なのは良いんですが、ここでの問題は為替レートが円安になってしまった時にレート差分の利益が生じてしまった場合、その利益に対して税金として20.315%、先行して取られてしまう点です。今回のケースだと、MMFを売却して米国株に入れるだけなので「ドル」そのものは実質利益は無いように見えますが、為替差益分の税金が日本円で取られてしまいます。

 

また、この損益は雑所得ではないため3年間繰越が可能です。その間に株式等で損失を出せば戻ってきます。が、問題はそこではありません。ドルから円に戻していない、ドルで見た限りでは何も変化が無いのに「先行」して税金だけ取られて投資資金の日本円のプールが目減りすることが問題なのです。

 

フォローすると、MMF売却時の為替レートで米国株等を購入するわけですから、そのレートを持って、将来その株を売却する時に円安のレートを使えるため、必ずしも一方的な損とは言いづらい点があります。

例えば、

  1. 最初のドル転時が1ドル100円とします。それをMMFに入れるとします。
  2. 1ドル110円になった時にMMF売却後に当日中に米国株を買ったとします。ここで10円分の税金が先行して発生します。
  3. 将来更に円安が進んで1ドル150円になった時に米国株を売ると、MMF売却時の1ドル110円としての為替差益になる訳で、最初のドル転時からの1ドル100円の部分の税金は先行して既に払っていることになります。単純に先行して払っている分、投資に使える余力が減る期間が増えることが問題なのです。

 

分かりやすく言うと、円安時にMMFを売却後、直ちに円転するのであれば、為替差益分の利益が入りますのでそこで税金を取られても

まぁ儲かった分の税金取られるよねそうだよね

ってなりますよね。そういう話です。

 

 

そうなると、仮に雑所得問題は無いものとした場合MMFをそもそも購入せずにドルで口座に保有して好きなタイミングで米国株を買うのが明らかに楽先行して税金を取られることもありません。ただ、先程引用したとおり、国税局としての見解は為替レートが変動する前にMMF等にすぐさま資金を移動しておかないと雑所得が発生してしまうと思います。

※ここが現実的にグレーゾーンで税務署に実際に確認された方で「雑所得計算不要」と回答があったり、「イヤ、きちんとつけてください」と回答があったりでお近くの税務署により回答が異なっているようです。詳細は冒頭で紹介した前回の記事を参考にしてください。滅茶苦茶長文で読みづらいですがご容赦下さい。なんと人柄が色濃く出るのだろうと中々新鮮でした。

 

 

話が脱線しました。

 

さて、では私達はこのMMFとどう付き合っていけば良いでしょうか。私の考えでは以下の2通りになると思っています。

 

  1. MMF購入時の平均レート相場よりも円高になるまでプールし続ける
  2. MMFを使わない。雑所得キッチリ計算するか、雑所得にならないと言う税務署からの回答(ブログ)があるのを後ろ盾に外国株口座にドルを置きっぱなしにする。もし仮に脱税の指摘がある場合を想定して可能な限り少額に出来れば留めておく等で対処が必要な気がする

 

後者については前回の記事のシータ氏が税務署に実際に確認して雑所得計算は不要と回答を得られていました。これが正であれば「2.」の対応が1番楽なのでMMFは買わない方が良いと思います。

 

しかしながら税務署に他の方々が問い合わせると回答が異なり雑所得が必要だと言われる場合もあるようでしたので、ここではMMFを購入することを前提で話を進めます。そうすると、前者の相場よりもMMF平均取得レートが「円高」になるまで待つと言う作戦に行き着きます。

 

この「円高」を待つ作戦のメリットとデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

 

円高作戦のメリット

  • 為替差益により「損失」として計上できる為、他の取引で利益が出たら利益分と合算・相殺して税金を安く抑えることが可能
  • 日本円で税金をこの時点では取られない。後ろにずれこむ。

 

メリットだらけですね。できれば他の投資利益で相殺できるとグッドです。私は毎月リバランス予定であり、利確するときしかETFを売らない予定なので、ここで税金を相殺することは容易じゃないかな?と思っています。

 

では、デメリットはどうでしょうか。

 

円高作戦のデメリット

  • 相場が円高」時に他の米国株等を買いたくなった時、MMFから気軽に下ろせない。何故なら為替差益の利益に対して税金が発生するから。
  • MMFに預けているドルを売却できないので、「日本円」をドル転することになるため「ドル」がSBI証券の外国株口座側にあふれる可能性が出てくる

 

他の株式を買うためにプールしているのに直ぐに下ろすことができないと言う致命的な欠点が挙げられます。実際に下ろせはするのですが、既にお伝えの通り、税金が取られます。

 

最後のデメリットも、ずーーーっと相場が円高」続きになっても、どこかのタイミングでMMF購入平均レートより「円安」になる日は来ると思ってます。何故なら相場が円高」に入れた端数のドル達が平均レートを上げてくれることでしょう。配当金やドル転した端数のドルですね。相場が円高」に投入する事になるのですから、平均取得レートも自然と高くなり、そのうち相場よりも平均レート側が高くなる日はきっと来ます。その時に改めて貯まったMMF内のドルを売却して海外ETF等を買えばいいのです。

 

もし円高ずーっと「一方的に」上がるようなら日本はなんかもう異常事態、もはや沈没してる状態なはずで投資どころでは無いかもしれません。

 

為替は難しくてよく分かりません。日本が弱ると円高になるとかよくわかんない風の噂とか聞きますしおすし。完全に勉強不足というか調べたことが一切ないですすいません。円高になるなら管理は楽ちんですですが、為替差益で最後の最後に売却するとき資産が減ってしまいますが…… 

そうなったらアメリカに住むか!!(※英語できない)

 

 

 

 

ともあれ、上記を踏まえて、私は以下のようにしてMMFとお付き合いしようかと考えました。

 

 

まとめ

  • 外貨建てMMF」に大量にはドルを置かない。端数のドルと、利確で得たドルや取引で次回使う分のドルだけの置き場にする。但し、相場を読めて事前に円高時にドルを大量に入荷ができる人であればその限りではない。私にその才能と知識と度胸が無いため必要な時に都度ドル転します。
  • 毎月のリバランス時にドルが必要になった場合、平均取得レート相場より円高」だったらMMFを売却して米国株等を購入する。
  • 平均取得レートが相場より円安」だったら日本円からドル転して新たに買い、余ったドルはMMFに入れる。こうすると、MMF投入時の為替平均レートが円高に寄る為次回売却しやすくなるはず。平均レートよりも相場が円安」になればいいのですから。
  • もし他の取引で損失が出ているようなら円安」時にMMFから売却する。損益通算で税金が戻ってくる。但し3年間の繰り越しが可能なので、右肩上がりを期待するなら一時の損益は相場回復後のリバランスによる利益で相殺されるかもしれないのでその時の 気分 損失量で決める
  • 人生最後で手仕舞いするときは逆に「円安」が嬉しい。

 

最大の利点は「税の繰越」にあります。最終的には税金の払う量はそう違いはないと思いますが、税金を後倒しにすることでその分投資して利益を更に伸ばせると思います。

 

この手法で気をつけたいのは相場が円安」時にMMFを売却することにより、為替差益によるマイナス計上が発生するため3年以内に何かしらの取引で利確しないとマイナス分が損益通算時に使えなくなるので損する点です。

 

私の場合は毎月リバランスするのでそこの利益と相殺出来たらいいなと考えています。机上の空論ですが、私が行うリバランスは売る時は利確する時しか売らないため、必ず利益が出ます。3年もあればMMF分利益の少ない(?)税金なんかは間違いなく相殺できると踏んでいます。

 

また、私は為替相場のど素人なので、先行して大量にドルを仕入れるとかせずに、その時その時で追加ドル購入をしようかなと思っています。そうする事で煩わしい雑所得のことや為替相場に頭を使うストレスが軽減できると考えました。とはいえ、相場が「円高」続きの場合、最終的にかなりの量の円がドルに変換される可能性があることがデメリットでしょうか。とはいえ先ほどもお伝えした通り、MMF購入平均レートも運用を続ければ高くなるはずなのでデメリットにはならないでしょう。 

 

 

 

 

という運用を考えていましたが、もう1つ閃きました。MMFSBI証券では4種類あります。これを利用するのはどうでしょうか。

 

例えば、今が「円高」だなぁと思ったら、「円高」用のMMFに投資します。今が「円安」だと思ったら「円安用」の別のMMFに投資します。高い安いの判断は、例えば相場の過去平均3ヶ月のレートより上か下かでみるとかそんな感じ。

 

こうするとどうなるでしょうか。「円高」用の銘柄は平均より高い平均レートが維持されます。その場合、相場本来のMMF購入平均レートよりもやや「円高」の場合、本来であればMMF売却できなかったところ、「円高」用の銘柄からドルを引き出すことに成功できるかもしれません。

 

残念ポイントはその逆、平均よりも相場がやや「円安」な時にそれよりも「円安」銘柄が安かったら「円高」銘柄を使わざるを得ない事です。

 

いやー、そうなると微妙な「円安」がずーっと続いたら結局「円高」用の銘柄は空になって平均レートより低い「円安」用銘柄は使えずじまいになるかもしれませんね。結局円からドル転することになって「円安」用銘柄にドンドンドルが貯まって1つだけ使ったのと変わらなくなるか。その時に改めて平均レートが改善される訳ですからいずれ改善はされるでしょうが意味がない。難しいなぁ。一旦この案は保留にします。多分ボツ。備忘録で残します。

 

と言うわけで最後ぐだりましたが、今回はここまでと致します。

 

以下関連記事です。

SPXLと現金と株主優待クロスをミックスさせた運用が良さそうなことをまとめました。

 

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初めてSPXLを購入した際の購入手順とSBIネット銀行でドル転するときの手順をまとめました。

  

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