こんにちは。okometsubuです。
今回の結果は和製バフェットさんが見たら喜ぶかもしれないし、既に知られている内容かもしれません。が、私もドルコスト平均法をしている銘柄があり、手法がちょっと気になったので検証することにします。
まず最初に和製バフェットさんは億資産を運用している投資家であり、元ブログ村の米国株クラスターに在籍していた「順張り投資」に重きを置いている投資家さんです。以前は個別株で実施されていましたが、現在は労働による資本+インデックス投資というスタイルになっています。
億を目指している私としては資産が大きい人(※成功者)の発言を気に留めている所があります。そんな中ツイッターをぼーっと眺めていた時に面白そうな議題があったのでそれをピックアップさせて頂きました。以下和製バフェットさんのツイート内容を引用させて頂きました。
ポートフォリオを
— 和製バフェット (@waseibuffett) 2020年7月8日
VOO:VGT:QQQ=2:1:1
から
割合を無しにすることにした。
基本的にグロース株投資は順張りになり、伸びている銘柄が高値を更新するたびに買い付けをしていくからである。
つまり今の時期はQQQとVGTを積極的に買っていくことになる。
今回の条件を簡単に言うと、前回(先月or昨年)より伸び率が高い方の銘柄に積立投資を追加するといったことだと思われます。つまり、高値になった方を買うためかなり攻めの投資方法となるものです。
さて、上記のやり方について詳細は公開されていないので不明ですが、氏のブログ上では現在の所ですが毎月300万円投資をしているので、恐らく月ベースによる「ドルコスト平均法」に位置する話だと思われます。その投資先を今回変更するルールを決めたという話のはず。
ただ、年初での結果を参照して投資先を決めるという発言もあったはずなので、今後は毎月投資ではなく毎年投資とするのか等細かい部分は不明でした。想像だけでは話が進まないので、以下の条件で検証してみたいと思います。
検証条件
- 毎月と毎年のドルコスト平均法の両方試します。
- 判定方法は毎月or毎年、先月or昨年の終値と今現在の終値の値上がり率を見て、パフォーマンスが優れている方に追加投資を行います。順張り投資の考えです。
- それとは別に逆の発想で、値上がり率が悪い方に積立投資を行ったらどうなるかについても併せて確認します。逆張り投資の考えです。
- IVVとQQQで比較します。
- 毎月の場合は100ドルを都度投資するものとします。
- 毎年の場合は1200ドルを都度投資するものとします。
- 最初の一発目はIVVとQQQに最初半分ずつを投資した形とします。
- 追加した投資額は一切売却しません。単純に積み立てていくだけです。
- 面倒なので1ドル100円として会話を進めます。
- 端数は発生しないものとし、キッチリ投資額を投資できるものとします。
- 配当金や手数料や税金は考慮しません
VGTを参戦させてもいいのですが、QQQと似たり寄ったりなので割愛。基本的なベースとなるIVVとハイテク寄りなQQQでの判別が出来ればある程度結果は分かると思われます。今回IVVとした理由はVOOより歴史が長いため。QQQの方が更に歴史が長いため、IVV開始時から検証スタートします。
で、せっかくなので、順張り積立投資の判定 VS 逆張り積立投資という形で戦わせてみようと言うのが今回のお話です。毎月 or 毎年判定で、結果が悪い方に投資をするというものです。結果が悪い=安価に買えるということで、悪い話ではないと思っています。順張りは「高値で買う」というこの条件、果たしてどちらが勝利するのでしょうか?!
というわけで、独自スクリプトを作ったのでそれを回してみました。早速結果を発表!
QQQ開始時から現在まで(毎月積立)
2000-05-19~2020-07-02の約20年間を見ます。開始時は「ITバブル崩壊」開始直前となります。
最終結果
- 順張り:3.48倍
- 逆張り:3.35倍
- IVV:2.20倍
- QQQ:4.64倍
- 総積立額:24,300ドル
参考までに、順張り側が追加投資した金額は以下となりました。
- IVV積立額:10,350ドル
- QQQ積立額:13,950ドル
※50ドルは最初の積立時に両方に半々入れる条件で入れてます。
想像と斜め上の結果がでました。順張りで投資しても逆張りで投資してもどちらもほぼ同じ感じで、IVVとQQQの丁度中間ぐらいの結果になりました。しかしながら、わずかながら和製バフェットさんの投資方法の方が値上がり率が低い方を買う逆張り側よりも上回っていることが分かります。
ここまで来たら誤差の範囲と言って良い気がしないでもない。結局QQQとIVVの間で揺れ動いたというだけの話です。これは毎月で調査した結果であることと、20年間という期間が短かったことからより平均化されたという見方もできます。結果もIVVとQQQの間にピッタリおさまりました。
さて、少しグラフが見えづらいですが、今回の期間は最初に「ITバブル崩壊」が始まった辺りからスタートしています。つまり、最初の10年間は「逆張り投資」の方が優位だったと思われますが本当でしょうか?
というわけで、話を脱線して、最初の10年間をちょっとみてみましょう。
QQQ開始時から10年間(毎月積立)
2000-05-19~2010-05-18の約10年間を見ます
グラフを見る限り、当然と言いますか、逆張り投資側が勝利を収めています。
が、ほぼ誤差の範囲であり、その後の10年を見ると値動きは順張り側が有利な形となりました。ともあれ、初期の段階を見てもQQQよりは「順張り」も「逆張り」も上回っているので安心感は得られそうです。
というわけで、これだけではよく分かりません。今度はチェック間隔を伸ばしてみましょう!年1回のチェック日にして再度挑戦です!
QQQ開始時から現在まで(毎年積立)
2000-05-19~2020-07-02の約20年間を見ます。開始時は「ITバブル崩壊」開始直前となります。
最終結果
- 順張り:3.61倍
- 逆張り:3.05倍
- IVV:2.16倍
- QQQ:4.51倍
- 総積立額:25,200ドル
参考までに、順張り側が追加投資した金額は以下となりました。
- IVV積立額:7,800ドル
- QQQ積立額:17,400ドル
これまた面白くなりました。年ベースに変えた事でハッキリと「順張り」側が伸びていることが分かります。
ついでに10年間の結果も見ましょうか。
QQQ開始時から10年間(毎月積立)
2000-05-19~2010-05-18の約10年間を見ます
1年間としたことで、より分かりやすいグラフになったと思います。
最初の頃は「順張り」投資でIVVを多めに積立ているため「順張り」側が有利です。途中からQQQが上向きになった辺りで「順張り」の投資先がQQQに変わっていき、最終的には逆張りも順張りも似たような結果となった、というのがこのグラフから伺えます。結果として「順張り」が10年運用時でも勝利を収めることになりました。強い。
さて、この投資方法にも注意点があると思われます。それは投資人生最後にQQQが大幅下落した場合はIVVに積立した方がより良い結果になることが予想されます。但し、IVVにも少なからず積立投資を行っていますので、クッション材量になってくれることは間違いなさそうです。が、これは私の考えであり本当にそうなのか気になる所です。
ともあれ、この結果から、順張り投資法は「攻め」の投資方法であるということが言えるでしょう。そして判定は年ベースでやった方が平均化されずにより特化した形で攻めれる気がしました。
残念なのが、過去データが20年分しかないと言う点でしょうか。もうちょっとあれば嬉しいんですけどね。
と、調べていたら"^NDX"がNASDAQ100指数と言うのを見つけました。これなら1985年から調査可能です。これと^GSPC(S&P500)でやればもう少し期間を伸ばせそうです。この期間があれば、「ITバブル崩壊」スタートではなく、「ITバブル」開始前から検証ができそう!
この「暴落前」と「暴落時」の2つの開始時期で見ればどちらが優れているかある程度把握できるかもしれません!
と言うわけで急遽ですが、この比較も検証してみました!
^NDX(NASDAQ100)開始時から(毎月積立)
1985-10-01~2020-07-02の約35年間を見ます
最終結果
- 順張り:11.45倍
- 逆張り:10.06倍
- IVV:4.43倍
- QQQ:17.09倍
- 総積立額:41,800ドル
参考までに、順張り側が追加投資した金額は以下となりました。
- IVV積立額:17,450ドル
- QQQ積立額:24,350ドル
「ITバブル」と「ITバブル崩壊」の2つを味わうことが出来ましたので、最初のQQQの時の結果と併せて良い感じの結果が得られたのではないでしょうか。そして毎月判定を行っても「順張り」と「逆張り」で差が生まれ始めました。
そして今回も「順張り投資」側が勝利を納めました。
私が注目したポイントは2002年頃のITバブル崩壊底付近です。順張り投資と逆張り投資の結果を見ても、結果は逆転していません。「ITバブル」で得た恩恵は「バブルが崩壊」したとしても順張り投資側が暴落のパワーを受け止められた形になったと思われます。そのため、「バブル」が発生する前から投資をしても「順張り投資」が強いとしていいかもしれません。最初に「QQQ」の検証を行った時にも丁度「ITバブル崩壊」からスタートしています。その時から見ても「順張り投資」が強いことが分かったので、結果が良い方に積立を行うのは理に適っているのかもしれません。
念のため年積立も見ましょうか。
^NDX(NASDAQ100)開始時から(毎年積立)
1985-10-01~2020-07-02の約35年間を見ます
最終結果
- 順張り:12.58倍
- 逆張り:10.75倍
- IVV:4.68倍
- QQQ:18.66倍
- 総積立額:42,000ドル
参考までに、順張り側が追加投資した金額は以下となりました。
- IVV積立額:12,600ドル
- QQQ積立額:29,400ドル
グラフの動きとしては毎月積立とそう変化はありませんね。結果としてはほぼ変わらずなので感想は割愛。ただし「ITバブル崩壊」の「底」では若干ながら、「逆張り投資」が勝利している点はご注意ください。先ほど注意点として挙げたことですね。一応予想通りではありますが、とはいえ一瞬ですし、米国株は基本右肩上がりです。大暴落の後はまた右肩上がりがスタートすることを考えれば「順張り」の方が恩恵を受けることが多そうです。
世界恐慌レベルだったらさすがにアウトとは思いますが、来ないことを祈りましょう。
というわけで、総合して「順張り投資」が勝利しました!!
最後に感想ですが、最後の最後に暴落が来たとしてもそこまで培った「順張り」のパワーがあれば最後に「ITバブル崩壊」レベルの暴落が来たとしても「順張り」側が勝てそうな気がしました。実際、^NDXと^GSPCによる検証結果でも「ITバブル」と「ITバブル崩壊」の両方を食らっても、その底付近でも「逆張り」は「順張り」にはほぼ勝てませんでした。
正直言いますと、私は本検証をするまでは「逆張り」が何だかんだ勝つんじゃないかなぁと思っていました。しかしながら結果としては「順張り投資」がとても強かった。
「ドルコスト平均法」は結果が平均化されるため、最後の最後の大暴落を除けばかなりリスクヘッジできる手法です。であるならば、「順張り」により強気に攻めたとしても問題は無いと言えそうです。強気に攻めた分の値上がりした分がむしろ逆に安全な投資方法となりえるということです。基本的に米国株は右肩上がり相場が多いことから長期運用を前提とするならばその利益が暴落時のクッションになってくれることが期待できます。
但し、世界恐慌レベルになったら多分逆転する。さすがに相当逆転する。とはいえ、投資人生の最後に「世界恐慌」レベルが来なければセーフ。途中であれば「ドルコスト平均法」で順張り投資だったとしても安く買えるからはずだからです。
そして「世界恐慌」がIVVかQQQ,どちらの下落が大きいかというのもポイントです。結局IVV側が下落幅が大きかったら「順張り」が勝つことになります。そして逆だった場合も少なからずIVVを投資していますので生き延びることはできるはずです。そして最も注目したいのは、「世界恐慌」レベルは過去100年に1度しか発生していません。このレベルは相当発生率の低いはずですが、そこまでケアする必要性は無いなと個人的には考えています。レバレッジ商品なら考えますが、腐っても今回は等倍商品ですからね。さすがに30年運用するのであれば考えなくていいと思ってます。
ということで、色々な考え方をしても「順張り」による「ドルコスト平均法」が強そうだなと思った次第。QQQとIVVでの結果なので他の銘柄だと変わるかもしれませんが、「インデックス投資」を対象に、かつ、「右肩上がりする銘柄」を選択するのであれば、基本は「順張り」でいいと思います。どちらが勝っても「強い」方に投資先をスイッチするだけなんですから、どんな銘柄が来ても同じような結果になると思います。
この結果から、3倍レバレッジに投資したとしても、同じことが言えそうかなと思いました。SPXLとTECLに積み立てた場合も然り。2倍レバと3倍レバで比較しても面白いかもしれませんが、結局2~3倍の間のレバ比率が変動するだけの話であり、これはそこまで面白く無い気がしたから確認はいらないかなぁ。
というわけで、今回はここまでと致します。