我がブログのお問い合わせフォームに久々のご質問を頂きましたので勝手ながら引用させて頂き、私の考えを述べたいと思います。
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こんにちは。ブログ拝見させて頂きました。とても勉強になっております。
SPXL10%,SOXL20%,WEBL20%,TECL20%,TMF30%でおこめつぶさんの手法を参考にリバランス投資をしようと思っています。
安全を考えて資金の70%を普通のVTIとかの積立投資にして30%を3倍ETFに入れようかなとも考えているのですが結局の所アメリカ経済にかけるのであれば3倍ETFリバランス投資に入れたほうが効率的とも考えています。
なにかアドバイスなどありましたらよろしくお願いいたします。
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私なんかがアドバイスしていいのでしょうか。なのでアドバイスと言うよりも私の考えをツラツラ書いていきます。
個人的には好きな割合です。3倍レバレッジETF7割:TMF3割なので超ザックリいうと2.1倍レバレッジチック(※TMFを現金とみなして)な運用になるかなと思うので、そこそこ攻めた戦い方かなと思っています。私が2年前に1億円を目指した時の割合と似ています。
この割合なら500万円ぐらいの投資額で10~20年あれば「上手くすれば」1億円になるなぁって感じで割と夢見られると思ってます。
で、個人的に気になった所をまとめていく
自身のポートフォリオ割合問題
最初に気になったのはここ。
「安全を考えて資金の70%を普通のVTIとかの積立投資にして30%を3倍ETFに入れようかなとも考えている」
ここの「積立投資」という部分。
まず最初に、積立云々の前に現在の自身のポートフォリオの割合はどうなっているかと言う点です。つまり「現金」どんぐらい今持ってるの?ってこと。
まず最初に、株式市場、特にS&P500や全世界株式においては1秒でも早く資金を市場に投資した方が儲かるという考え方、前提があります。
もし仮に今現在日本円を100%ガチホしていてそれを10年分散して積立投資でコツコツやろうとしているなら、そもそも3倍レバレッジETFに投資すべきじゃないと思います。さっさと等倍のVTIに日本円を多めに入れた方が良い状態になります。
例えば投資可能な現金もポートフォリオに加えてみてください。以下は例。
「現金90% + VTI7% + 2.1倍ポートフォリオ3%」
もしこんな感じになっているとしたならば、全くもって、2.1倍ポートフォリオを持つ意味がないということになります。なぜならVTIに15,6%程度投資するのと同じ効果しかないからです。
ここの考え方をどうとらえるかちょっと説明するのが難しいのですが、ようするにポートフォリオ内に「現金」という新たな資産が登場させるといいですよって話。
そして重要なのは、レバレッジETFは管理費がレバ無しより費用が高いということを肝に銘じておくことです。結局全体の投資額を見てレバレッジがかかっていない状態ぐらいにしかリスクを取っていない場合、レバレッジETFに投資している期間、単純にコストが大きく取られる可能性があるということです。
「じゃあお前はそれができてたのかよ!!」
って言われると、ちょっと怪しいです(笑)
私の場合は、まず最初に10~20年後に1億円行きつつ、かつ、比較的安全なギリギリのレバレッジ割合と投資額を決め打ちしておいて、積立投資ではなく運悪く下落してしまったら追加投資をする、という形を取ろうかと思っていました。
ようするに、積立投資というよりも「ナンピン買い」かつ、追加ナンピンした額はリバランスとは別で追加しっぱなしで管理するというものでした。※割合を結果的に可変させるイメージ
先ほども何となく書きましたが、投資可能な余剰資金をポートフォリオで考えた場合、レバレッジETFを使ってるのに全然レバレッジかかってない状態と同じリスクが実現するというものなのですが、私の場合はこの「ナンピン買い」をすることでポートフォリオのバランスを可変させることを考えていました。
適当な例を出すと、
「現金50 + SPXL50」
を持っていたとして、この割合を生涯ずっと守るんじゃなくて、例えばSPXLが大幅に上昇して「現金50 + SPXL150」になったとしても、リバランスしないんです。
普通はここで「現金100 + SPXL 100」になるようにSPXLを売って、現金にリバランスするんですが私はそうはしない予定でした。つまり、レバレッジ比率が上昇するポートフォリオになっていくと。
多分こうしないと1億到達は難しいというか、だったら最初から2倍レバレッジETFで攻めた方がいいということになるなって。※個人的に2倍ぐらいがちょうどいいと思ってますが・・・
で、逆に大暴落して
「現金50 + SPXL10」
と80%も下落したらその時は「現金30 + SPXL30」とリバランスをすると。で、その後上昇して「現金30 + SPXL150」になってもリバランスしない。そういう戦い方。リスクを取らないと1億円は目指せない、だけど最初の出だしで躓きたくない。というのでこんな感じでイメージしてました。
ようするに「ノーセルリバランス」みたいな感じです。早期にある程度レバETFに入れて、暴落したらケアをして、暴騰したら夢をみる、です。
上記例だと「SPXL」にしてますが、ここを今回の「SPXL,TECL,SOXL,CWEB,TMF」の物に置き換えてもいいですし、「VTI70 + レバポートフォリオ30 + 現金0」としてもいいです。とにかく「現金」も含めて考えることが重要。
ただ、最近だと中国のニュースで大暴落しそうな雰囲気してて怖いと思うので、私ならVTIの位置はRPARに現金置いてやってるかなぁって感じです。
「VTI40 + レバP30 + RPAR 29.5 + 現金0.5」みたいな。そんなノリ。
New・疑似RPAR
10% SPXL(S&P500の3倍レバレッジ)
12% TMF(長期債)
45% TIP(インフレ連動債)
30% GLDM(金)
3% BTC(ビットコイン)
とにかく現金を持たないようにする、でも一括で投資するのは怖い。そんな場合のRPARというポートフォリオが上記。私はSPXL+TECL+RPARで持っておいて、SPXLとTECLが大暴落したらRPARから徐々に資金をSPXL,TECLに切り替えていく戦いを想定していました。
1000万円分、このRPARにブッパしましたからね。当時。ナンピン用資産として暴落したら切り売りするだけの存在。※最終的にビットコインになっちゃいましたが・・・
ただしこの戦い方は非常に分が悪くて「効率的」ではないです。
レバレッジETFは保有すればするほどコストがかさみますし、レンジ相場が長く続けばそれだけ価値が目減りしていきます。なので、分が悪いですが夢は見れる戦い方が上記のやり方です。
なんか色々書いてまとまりが無くなりましたが、とにかく「積立投資」が現状の投資予定額から切り崩す部分なのか、お給料からの余剰資金しか既に資金が無く、その資金から「積立投資」をするのかで考え方が変わるよって話でした。
なので、もし仮に
「現金67%以上:3倍レバレッジ33%未満の割合で投資するのはコストの無駄」
と言ってる人がいたらそれは正しいです。結局1倍以下にしかなってないので、だったら最初から全部指数のVTIだかVOOだかにしとけばいいって話になります。
ですが、それはその後のリバランスをキッチリ守る場合に限るという話がしたかった。
それでもって積立投資で全体のポートフォリオが1倍以上になってきたら、初めて3倍レバレッジETFへの切り替えを検討する方がいいでしょう。結局そういうことです。
なので私はレバレッジETFを考えるなら、まず現金の保有量をとにかく減らしてまずは等倍部分に資金を投資する、これができるのかどうかを考えてからでも遅くないかなと思っています。まぁ、面倒なので最初に100万円だけSPXL入れて20年放置、とかでも全然良いと思いますけどね。これもリバランスしないで放置なので最終的に全体のポートフォリオの割合が変わってくると思うので。
ということで、質問者様の「積立投資」の部分と保有現金を考慮した「レバレッジ比率」を考えた上で投資すればよいかなと思います。
なんか質問内容とずれてきました。すいません。
さて、恐らく質問者様はこっちを聞いてきたんだなと思います。
3倍レバレッジETFを容易に信じるなよ問題
「アメリカ経済にかけるのであれば3倍ETFリバランス投資に入れたほうが効率的」
「効率的」というのが何を指しているのか捉え方によって一概に言えませんが、アメリカ経済を100%信じられても、3倍レバレッジETFはそうやすやすと信じられないというのが私の考えです。
それは運用中に「落とし穴(大暴落)」が発生しないことを信じるというのと同義であり、私はこれからの20~30年間、大暴落が起こらないわけないという方を信じているからです。
アメリカ経済は多少大暴落があった所で復活します。それは99.99%信じてます。が、多少大暴落が起こらないことは信じていないです。
レバETFはそういう話なんです。
質問者様は恐らく私の過去の記事をなんとなく眺めていると思いますし、相当レバレッジETFの危険性も分かった上で質問されていると思いますが、過去バブルが崩壊した場合の3倍レバレッジETFは悲惨なことになる場合が多かったということです。
例えばTECLとかSOXLとかでITバブルが崩壊した時。過去記事過ぎて見辛いですが面倒なので引用します。
悲しみの連鎖
結果発表
1位:SPXL :2133ドル
2位:S&P500:2129ドル
3位:TECL :117ドル
4位:SOXL :4.6ドル
大変!SOXLちゃんが息してない!!!!
上記の記事は1000ドルスタートでITバブル崩壊した時にガチホして20年間握りっぱなしにしたらどうなるか、というものを表したものです。
結局この「大規模な暴落」に投資期間中に引っかかるかどうかが全てだと思ってます。
上記例だとSPXLは生き残りましたがSOXL,TECLは全滅と言っていいでしょう。多分商品自体償還されてる。この危険を常に考えておかなくていけないということです。
もちろん、低確率です。ITバブル崩壊なんて20年前ですからね。ITバブル崩壊+リーマンショックを受けたSPXLも生還していますし(※疑似データですが)、生存自体はなんとかなると思います。
ただ、効率的かと言われると、全然効率は悪くなります。ようするに、この大暴落が発生する瞬間にいかに3倍レバレッジETFを保有していないかが勝負になるわけです。
そして米国株は上記のグラフ通り、ITバブル崩壊+リーマンショックがあっても20年あれば復活できます。信じていいと思います。が、その信じられる根拠と3倍レバレッジをそのまま信じて良い根拠とは全く別次元で考えて欲しいということです。
この辺も考慮するなら2倍レバレッジ辺りがやっぱり個人的にはオススメですね。質問者様のポートフォリオで攻めるのはアリだなと思ってます。
ITバブル崩壊開始(2000-08-31)から2019/12末まで(約20年)
- 1位:S&P500_2倍:2.56倍
- 2位:SPXL :2.19倍
- 3位:S&P500 :2.13倍
- 4位:QQQ :2.09倍
- 5位:QLD :0.93倍
- 6位:TQQQ :0.27倍
QLD(QQQの2倍レバ)であれば生存できていることが確認できます。20年の歳月が失われますが、あくまで頂点で購入した場合の話ですので実はいうほどきつくも無いかなと。
結局、質問者様の最終目標が分からないので何とも言えないというのが答えです。中程度のリスクで中リターンを得たいならこちらの考え方がお勧めです。
最初の文面にあった「効率」を考えるなら↑が一番効率いいと思いますし、初手100%全財産RPARじゃなくてVTIにするのが「効率」で言うならいいというお話。レバレッジETFも良い感じの所で売却して指数に全部組み替えれば税金払ってもおつりは来るし、最終的に平均取得単価も上昇するので人生最後に売却する税金も減るという話。
なんか将来利益に対する税金上がりそうですし、レバレッジETFが75~100%ぐらい利益乗ったら途中で利確するのも現実味あるかなって気はしてます。
「効率」重視ではなく、億万長者とか「夢」をみるなら途中利確してないで大暴落を恐れながら突き進むしかありません。結局そういう話です。今回提示頂いたポートフォリオも結局「最初にどのぐらい資産を投資するのか」とか、「積立期間はどのぐらいで、どの規模のお金をそのポートフォリオに突っ込むのか」次第で全然戦い方変わってくるよねっていう話。
話が打線しました。
最後に世界恐慌は見ません。過去記事にも書きましたが50年戻ってきませんし、そもそもこんな暴落が起こったら何に投資してても皆すべからく死ですから。
世界恐慌のグラフとか(SPXL編)
高値:37.44ドル (1929-09-03)
高値を超えた日:37.60ドル(1980-11-21)
底値:0.01519ドル(1942-04-28)
高値から復活までの期間:約51年
高値からの下落率: 約99.96%
世界恐慌が来てもアメリカ株は復活します。でもSPXLは人生の終わりまで復活しません。これが答えです。
当然SPXLを信じても良いです。でも信じ切るのはNGというのを本記事では言いたかった。S&P500、米国株なら信じ切っていいという理由とは異なるということです。
後はまー、もーね、割合よね。どのぐらい恐怖を見て、どのぐらい夢見るのかのせめぎあいの話。
だから私は最初からリスク側の資産はある程度この額まで!って決めてたし、周りの「全資産で見たら1倍レバレッジ以下」という雑音も無視ですね。一度決めたハイリスク資産はノーセルリバランスでいけば全資産で1倍未満だったとしてもまぁいいよねって。※管理が面倒になるので
だって放置してたら当然割合は可変式になるんだから、レバレッジETFに投資して放置したら10~20年後には1倍レバレッジ以上に余裕でなっている想定だったので。
それを10年も20年ももっておくのか、セルリバランスのタイミングをどうするのか(※個人的に2倍レバレッジでも十二分にリスク取れてると思う)、50%上昇でいいのか、100%なのか、1000%狙うのか。
そういう話です。
結局積立投資もマヤカシみたいなもんです。人生の最後にリスクが来るだけなんです。
まずは自身が投資可能な金額をじっくり見て、お給料からでる余剰資金はどのぐらいか、投資可能期間は何年なのか、レバレッジETFをいつまでガチホし続けられる自身があるのか、売って指数にリバランスするのか、この辺の観点をもって改めて戦いに向かうと良いでしょう。
と、投資クソド素人でなんも分かってない筆者が言ってみる。
そしてそんな相場ド素人な私は3倍レバレッジのリスクが怖かったのとビットコインの値動きの魅力、右肩上がり相場をしっかりしていること、ボラの激しさに惹かれてビットコインに8~9割の資産を移すのであった。
だって3倍レバ怖いもん。ポートフォリオ自体をTMFを混ぜてレバ比率を下げても償還リスクや3倍レバが2倍レバに仕様変更リスクがあるためその恐怖とも戦わないといけないです。
ま、SPXL辺りならその辺は考えなくていいかなと思ってるし、そうそう償還まで行かんよなぁ・・・とも思ってる。けど運用人生20年~30年もあったら1回ぐらい起こっても不思議じゃない。
最後脅してしまいましたが、とりあえず最後にまとめましょうか。
まとめ
- 最初に自身全体の総資産及び投資可能額に対して現在どのぐらい投資を行えているのか見極めること。
- 3倍レバレッジETFはいくら指数の米国株が信じられても突然の大暴落で信じられなくなる可能性があることを常に考慮しておくこと。2倍も然り。
- 大事なのは、最初に投資した額 × 目標金額 は現実的か、そして途中で追加する投資額は人生において耐えられるものになるのかを簡単にでも考えておいた方が良い
- 超個人的な考えとして世界恐慌見なければSPXLはギリ信じてOK。レバナス(QQQ2倍)もOK。他はしらん!
結局「効率重視」なら「全世界株式」100%投資可能額をブッコむのが最適解な世の中らしいです。時価総額加重平均が凄いとかシャープレシオが最も良いとかなんとか。※よく分かってない
ともあれ「効率的」に投資したいならこれ以上話すことは無いと。
つまり「効率」を重視するのか「夢」を重視するのか。自身の総資産(※日本円含む)をキチンと見た上で、その分量を適切に守って戦いましょうって話でした。
(おまけ) 我が投資可能額内のポートフォリオ
じゃあ本当の最後の最後、ここまで偉そうに色々書いてきましたが、
「じゃあお前はちゃんと現金も考慮してポートフォリオ作ってるんだろうな?」
って質問がきそうなので、ちょっと調べてみました。こんだけ言っておいて、割とてきとーに投資してるんです。私。
ということで投資可能額からの全体のポートフォリオはこんな感じ。毎月の給料の余剰資金は考慮してません。今現時点で投資可能な限りのお金の投資状況です。
・・・あれ??????
改めて見直したんだけど、ビットコインだけで95%投資完了してる。
あれ、あれ?????????
やべぇわこいつ。頭おかしいです本当にありがとうございました。
まぁ言い訳させてくださいな。
これも結局「リバランス」してないから偏るんです。ビットコイン、投資当初より2~3倍になってるので当然ポートフォリオのバランスは大きく変化が伴うということです。
当初の投資額で見たら多分こんな感じってる。
- ビットコ関連:75%
- インデックス:10%
- インフレ債:10%
- 日本円:5%
これはレバレッジETFにも同じことが言えるます。私はレバETFはほぼ卒業してるので計算しないですが、この「ビットコ関連」が3倍ETFだったとするならば、投資額の時点で2.3倍ポートフォリオみたいな感じになってる感じですね。現在のビットコ95%で考えたら、0.95 * 3倍 = 2.85倍のポートフォリオみたいな、そんなノリ。
なので、こういうのを"日本円も含めて"考えながら投資するといいでしょう。
今回の質問者様が既に考えられた上で質問頂けてたらすいません。
後は毎月のお給料の余剰資金をどこに投資するのかも含めて考えるといいんじゃないでしょうか。例えば毎月5万円で運用可能年数が30年あるなら、人生で1800万円の日本円があるという風に考えることもできます。
つまり、初手でガッツンガッツン投資をしておいて、相場が良かったらその時はお給料の余剰資金は投資しないとかね。これ、ノーセルバリュー平均法チックな考え方。
私は上記の通り、十二分にビットコインに集中投資し終わっていて、目標額と運用年数も投資額から逆算してまぁ、このぐらいでなんとかなるなって思ってるので、今は日本円に積立投資中です。次はビットコインが35000ドル以下の暴落する日まで待ちます。
ということで、質問者様のVTI70 + レバポートフォリオ30 も全体の投資額からどのぐらい寄せるのかを考えてみると良いでしょうというお話でした。