【BTC】ウォレットよりシードフレーズ保存方法の方が重要って話(その3)

ビットコインは宗教といわれている。

 

今回の話はその話に繋がるんじゃないかと書いてて思った。

 

ということで続き物第3回目。前回まででシードフレーズの保管の重要性とウォレットどう扱うかについてなんとなく素人目線で考えてみた。

 

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

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で、今回は本当に自分でウォレットを管理した方がいいのか、そして人は「どこまで何を信じるのか」ということについて考えてみる。

 

結局前回まででシードフレーズの管理方法がとにかく重要であることと、ハードウェアウォレットは安全ながらも絶対に安全というものではなく、そのほかデスクトップウォレットよりかは安全度が高いという程度に過ぎない、という自論を述べてきた。

 

そしてビットコイナー達は次々と

 

「取引所で管理するのは絶対NG。自分でビットコインを管理する以外考えられない!」

 

と口々に言うのでした。

 

これ、本当でしょうか。なんだか皆がそういってるからそういう流れになってる気がしています。

 

例えばビットコインは「セルフGOX」という秘密鍵を紛失したりして一生取り出せなくなることを指すのですが、現在どのぐらいの量がGOXされてしまったかを調べます。

 

すると、驚くべき数値を目の当たりにしてちょっとビビってる。以下coinpostサイトより引用しました。

 

失われた5億円相当のビットコインを取り戻せるか、あと一歩に迫った「21世紀の宝探し」

https://coinpost.jp/?p=156357

ビットコイン紛失はよくあること?

ビットコインを紛失したり、アクセスできなくなるケースはこれまでにも幾多の報告がある。

昨年11月に発表された米ブロックチェーン・データ分析会社Coin Metricsの研究によると、ビットコインネットワークでは、150万BTCが永久に失われた可能性があると指摘されている。 その大半を占めるのが、いわゆる「ゾンビコイン=死蔵コイン」で、ネットワーク上には存在するものの、ユーザーによる秘密鍵紛失が主な理由で取り出すことができないビットコインだ。

有名な例では、唯一の秘密鍵管理者であったCEOの急死により、顧客資産である150億円相当の仮想通貨にアクセス不可能となったカナダの仮想通貨取引所QuadrigaCXがある。

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これまでのビットコインの永久喪失数は、2019年のデータで推定400万〜600万BTCに上る。これは、最大発行枚数の4分の1に相当する量で、多くのBTCがブロックチェーンから動かせなくなっている状況を示している。

 

すごいのが推定400万~600万BTCが永久喪失しているということ。

 

おいおいおいおい!!!滅茶苦茶多いじゃねぇかよ!!!!!

 

ビットコインは2100万枚固定で400万枚なくなったとして約20%分もうなくなってるってことだぞ????

 

つまり、自分で資産を管理しようと思ったら期待値20%下落するリスクを許容しなくてはいけないってことでしょ?(※超極論)

 

ハッキリ言ってリスク高すぎです。こんな高いデータがあるのに自分で管理するのが一番とか本気で言えるのか????

 

当然ビットコイナーガチ勢だったら滅茶苦茶時間と熱量と知識と対策を練ったうえで保管してるからいいと思うのですが、一般普及させるにはあまりにも無理難題というか高すぎるリスクじゃないのかこれ???

 

記事にもある通り、持ち主が亡くなった場合とか結構厄介だと思っていて、家族持ちで自分だけがクリプトに詳しかったりすると、そのあとの取り扱いが非常に難儀するの最高に怖いよなって思う。

 

手順書とか作ったとしても、保存しているシードフレーズの紙が無くなったとか、ハードウェアウォレットが壊れたとかそもそも手順書の場所忘れたとか、ちょっと考えたら滅茶苦茶運用管理大変だよなってわかる。

 

もちろん、取引所は取引所で預けるのはリスクが高い。ハッキングするなら資金が大量にある取引所を狙うのが一番効率がいいからだ。

 

ということで、取引所に預けることと、自身で保有するの、どちらがいいかを戦わせてみます。ようするに、どっちにどれだけリスクがあるかを洗い出して、それを見て判断していこうということ。

 

取引所の怖い所

  • 先ほど述べたようにハッキングリスクが高い
  • 管理者が会社の「中の人」であり、自身の資産を他人にゆだねている状態である
  • 「(※悪意のある)中の人」が外部の人と協力してハッキングの手助けをするかもしれない
  • 取引所が破綻したりハッキングされた場合場合日本では補填が利かない。各取引所のベストエフォート対応になる。
  • 突然外部に送金ができなくなる可能性がある(※今の日本がその方向に進んでる気がする)

 

ようするに、次のことを「信じる心」が必要になる。

 

取引所を信じざるをえない部分

  • 取引所の中の人の運用を「信じる」
  • ハッキングされた場合も補填してもらえると「信じる」
  • 破綻しても補填してもらえると「信じる」
  • そもそもハッキングされないことを「信じる」
  • 仮想通貨を入出金できることを「信じる」

 

ではこれらを信じることはできるのかを考える。

 

信じられるかどうかの判断材料

  • コールドウォレットかつマルチシグ対応を基本として複数人で対応しないとウォレットから資産を取り出せない仕組みを取り入れているか
  • ホットウォレットがハッキングされてもそれを補填できるだけの企業規模があるか
  • 破綻した場合、親会社があったりした場合助けてくれることがあったりするか
  • 入出金できなくとも最悪その取引所で「日本円」に変えることができるか
  • 取引所は「会社」であり、中の人は「お給料」をもらって「責任をもって」行動している
  • 取引所はリスクを考慮したうえで会社を立ち上げているという点
  • 金融庁が指導しているため日本の取引所はかなり安全な方と思われる

 

こう考えると、この中で一番怖いのが破綻リスクと仮想通貨の入出金が突然できなくなることかなと思ってる。

 

ハッキングリスクは今の日本においては金融庁の指導があるためコールドウォレット/マルチシグ管理が当たり前の状況になっているので割と信頼している。

 

が、その記載がある取引所にもかかわらず、大部分ハッキングを食らった取引所があったりします。以下itmediaサイトより引用します。

 

日本の暗号資産取引所Liquidから約100億円流出 「顧客への被害はない」 - ITmedia NEWS

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2108/20/news102.html

暗号資産事業を手掛けるQuoine(東京都千代田区)は8月19日(現地時間)、取引所「Liquid」について、入出金の管理に使っていたウォレットが不正アクセスを受け、約9135万ドル(約100億円)分の暗号資産が外部に送金されたと発表した。顧客の資産への被害はないという。

 

これ、実はFTXが補填してるんです。で、FTX傘下にliquidが入ることで、FTXが日本に乗り込んでくる→日本人締め出しのコンボになっているといわれています。クソが!!

 

話が脱線しました。

 

一応上記の通り、顧客の資産への被害は無いとのことらしいですが、こういうことは普通に起こりうるということです。

 

まぁ、このLiquidという取引所、もっとやべーことが流出してたりしてるんですけどね。以下cointelegraphサイトより引用。

 

仮想通貨取引所Liquid、個人情報2万8000件が流出した可能性=昨年11月の不正アクセスの最終調査報告公開

https://jp.cointelegraph.com/news/liquid-disclosed-details-of-unauthorized-access-thousands-of-personal-data-was-hacked

不正アクセスを受けた可能性のある個人情報は、上記のうち、「2018年10月までに本人確認プロセスのためにご提供いただきました、お客様の身分証明書、セルフィー画像、住所証明等の本人確認書類28,639件」だという。

 

中々です。さらにハッキングもされてるとかもうやりたい放題状態。

 

こういうことが他の取引所でも起こりえないとは限りません。ただ、個人情報流出なんかは証券会社とか銀行とかでも起こりえるので一概には言えないかなと思える。

 

ハッキングは取引所特有のリスクですが、こちらはホットウォレット部分が狙われるはずなので被害は想定の範囲内であることを「信じる」しかないかなぁと。

 

ただ、中の人が外部の人と協力して盗みにくるとか全然あると思ってるし、それを防ぐ対策をきちんとしてるかとか企業体質を「信じる」しかないのが取引所に資産を預ける条件となっているかなぁと。

 

後は日本政府とかが入出金禁止にしてきたらアウトね。これは逆に取引所に預けていた方が安全まであって、取引所以外で暗号資産を持っていたら「入金できない」つまり、日本円に戻すことができないことを意味するのだ。※OTC取引とかでやろうと思えばできるけど一般の人は無理でしょ

 

ということで、入出金禁止まで考えてみると、割と取引所に保管しておくのって悪くないなって思えてくる。

 

これに対して「自身で資産を管理する」場合はどうなのかをリストアップする。

 

自信で管理することの怖い所

  • 先ほど述べたようにすでに400万~600万BTCが永久喪失している
  • ハードウェアウォレットやデスクトップウォレット、ペーパーウォレット等を使用する場合、導入時点ですでに何かしら不正なものを仕込まれている場合は導入した時点で終わり
  • ハードウェアウォレットが経年劣化で使えなくなるリスク
  • ハードウェアウォレットを定期的に使えるかチェックが必要
  • ハードウェアウォレットを紛失してしまうリスク
  • シードフレーズ(リカバリーフレーズ)を紛失してすべてを失うリスク
  • 自分が死んだ後にウォレットから取り出せなくなるリスク
  • その対策として手順書を控えたりシードフレーズを家族に教える・それを更生に伝えていく必要があるが時間とともに忘れ去られるリスク
  • 年数がたった後にシードフレーズやらウォレットへのログインコード(PINコード)を完全に忘れてしまうリスク
  • 取引所に入出金ができなくなって日本でウォレットをもっていると取り残されるリスク

 

・・・やっぱリスク多すぎじゃねぇか!!!!!!!

 

絶対なんか世の中の声おかしいと思うのは気のせいか????

 

さもハードウェアウォレットで管理しない人は人権がないみたいに発言受けるんだけど、もうリスクしかないじゃん。自分で管理するの。

 

といいつつ、私自身はウォレットを色々裏でいじって遊んでたりしてるんだけども!

 

じゃあ自身で保有する場合何を信じればいいのか

 

自信で管理する場合の信じざるをえない部分

  • セルフGOXしないことを「信じる」
  • 導入するウォレットが最初から何も仕組まれていないことを「信じる」
  • ハードウェアウォレットが経年劣化してもいい仕組みを導入し、その方法を長年自身や家族が忘れないという人の意志、記憶力を「信じる」
  • シードフレーズを銀行の金庫に入れる場合、その銀行員を「信じる」
  • 複数に銀行を分けた場合も複数同時に破綻しないことを「信じる」
  • 銀行の金庫が突然封鎖されないことを「信じる」
  • 日本が入金を禁止しないことを「信じる」

 

信じる項目を並べてみたんですが、ビットコイナーって誰も信じないとか言ってるんだけど、これだけ色々「信じる」ことをしないとやってけねぇじゃんってなってる。

 

金庫に預けるのも結局人を介入してるし、そもそもハードウェアウォレットやらデスクトップウォレットなんて「他人」が作ったものなので、それを「信じる」所から入らないとどうしようもない。

 

そこまで言うならビットコインは本当に2100万枚なのかとか、絶対にそういう動作するのかとかまで信じないといけなくなる。

 

そうなると一般人にはもはや不可能な領域であり、その「信じる」という行動そのものが「宗教化」していく部分になるのではないかと今回思ってしまった。

 

ちょっと話が脱線しちゃうんだけど、誰も信じられないビットコイナーが一番信じられるのは神(ビットコイン)だけという話に繋がるんじゃないかなぁとか思ってしまった。

 

ここに書いたのはあくまで一般人目線であり、真のガチ勢とかだと余裕でこなせるだろうなぁとは思います。入出金問題もガチ勢なら余裕で国をまたいでいくからね。

 

じゃあこれを信じるにはどう行動すればいいか。

 

信じられるかどうかの判断材料

  • セルフGOXしないように送金は極力控えるようにする分だけ個人管理にする
  • ハードウェアウォレットは正規店から買って信じるしかない
  • デスクトップウォレットは極力使わない
  • 銀行の金庫を併用しつつ、家族間でマルチシグ対応にしてそれぞれの家の金庫で保管する等を工夫するとか?
  • 英語が堪能であるかどうか
  • 海外暮らしが好きかどうか

 

色々書いてきて自分の中で考えまとまった。

 

多分、1にも2にも、海外へ脱出できるか否かで自身でウォレットを持つかどうかが最重要項目だわこれ。

 

結局日本政府をどこまで信じるかというところが結構つらくて、入金できない系の制限されたらもう日本でられないビットコイナーは死滅するんじゃないかと思える。主に私が死ぬ。

 

そう考えるとやはり海外余裕で対応できる英語力があり、海外の複数の国の金庫にシードフレーズを預けられるぐらいのアクティブな人であるような、それぐらい有能で動ける人ほどウォレット管理すべきだと思う。

 

複数の海外の金庫に入れるのはさすがに言い過ぎだけど、日本の金庫に入れて数年出さないシードフレーズを将来復元できる頭が自分にあるのかとか、そういうことを考えると結構気が気じゃないと思う。ゴールドだったら取り出してポイっと売るだけだから楽だけども。

 

そういう気づかいとかもできる活動家がウォレット管理にふさわしい人物であり、一般人は全資産を全部ウォレットにして管理するのはやっぱりちょっと違うよなぁ~~~って思わざるを得ない。

 

ただ、話は脱線しますがDeFiをやってる分は全部ハードウェアウォレットでいいかなと思ってる。ハードウェアウォレットはMetamaskと連携できたりするので、それだけで滅茶苦茶強固になる。完全にオンラインにさらされてるから。何も対策しないと。

 

ということで、個人的にまとめまる

 

まとめ

  • ハードウェアウォレットで管理するのは一般人にはリスクが高すぎるからガチ勢以外は全財産全部を自身のウォレットに入れるのは無しかなぁと。
  • ただし資産の2,3割ぐらいならむしろ積極的に保有すべきで、取引所との分散管理が一番しっくり来ている
  • ただしDeFi等オンラインにさらされながら取引している部分は全部ハードウェアウォレットに入れてオフライン管理すべきかなと

 

いやー・・・自分で管理するのは限界あると思うよ。バイアス滅茶苦茶かかってるけど。それこそ銀行みたいに個人向けの預ける場所があって補填もしっかりしてくれるとかサービスがでたら絶対需要あるし資産の3割はたぶんそこに入れる気がするわ。特に中年超えたら。

 

ということで、多分反論滅茶苦茶きそうだけど、個人的な意見としては世間様の意見の真反対な結論で終わりました。反論は認める。認めざるを得ない部分あると思う。

 

もービットコイナーって面倒だわー!

 

 

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