こんにちは。okometsubuです。
続編物ですが、別にどの回から見ても問題ない(はず)なシリーズ第5回目です。投資先のリバランス時期を時間軸ではなくRSIの結果で決めてみようのコーナーです。
以下過去記事。
今回はTECL:TMFを60:40でリバランスしている人向けの記事となります。少数派ではありますが、割と存在しているTECL:TMFリバランス派閥。ボラの激しさから50:50ぐらいが丁度いいと言う説も出ている昨今で御座いますが、この比率は別に気にしなくていいです。TECL:TMFをXLKのRSIで見るだけでOK。
といっても、TMFというノイズが入った形となりますので本記事は参考程度になるかなと思った次第。次回のTECL:現金リバランスがRSIの有効性を計れると考えています。
- 検証条件
- TECL60:TMF40リバランス(RSI80以上25以下)
- TECL60:TMF40リバランス(RSI75以上20~40以下)
- TECL60:TMF40リバランス(RSI65~85以上25以下)
- ITバブル崩壊直前高値から開始した場合
- 右肩上がりだけしてそうな相場時期
- RSIヒットした当日中に売った場合と比較
- まとめ
検証条件
- RSIがxx以上、かつ、株式側の株価が当初の割合より上ならリバランス
- RSIがyy以下、かつ、株式側の株価が当初の割合より下ならリバランス
- RSIは一般的な14日平均を使用します
- 一度リバランスしたら22営業日はリバランスしない
- 「xx」や「yy」のRSIの値は適当に決めます。
- リバランス日は「翌営業日の終値」とします
- これに対して「毎月リバランス」を実施した場合と比較します
- 手数料や税金は考慮しません
ようするに、月次で何も考えずにリバランスする場合と比較して、RSIを見ながらやった方が勝率は高いんじゃないか?という検証記事です。
詳細は先ほどの過去記事である「その1」辺りを見てください。
さて、今回はTECLなのですが、指数がXLKとなるため、今までより短い期間しか検証できません。なので代替案としてTQQQ:TMFを第1回に投稿していますので、最悪そっちで代用できるかもしれないし、できないかもしれません。
ともあれ、今回の時期の検証結果がTQQQ:TMFと似た感じになればいいってことですよ奥さん!
ということで始めます。RSIの指数は「XLK」を採用しています。
TECL60:TMF40リバランス(RSI80以上25以下)
RSI80_25のパターンです。今までRSI20にしてたけど多分意味が無いので25から。とりあえず試し打ち感。参考までに今回のみRSIリバランスしたタイミングに緑線を引いてます。毎月リバランスと、参考までにリバなしで投資額70%SPXLのみ現金30%ホールドしただけのグラフも載せます。
1999-01-13~2020-06-23の約21年間の結果となります。
最終結果
- RSIリバランス:5.06倍
- 毎月リバランス:8.13倍
- RSIリバランス回数:14回
ITバブルの「波」に乗れていないので益が乗っていないとはいえ、リバランス無しだと21年間も元本復活が果たせなかったTECLさんです。資産の300が現金保有でずっと右一直線であることが分かると思います。リバランス、大事!!
さて、この結果から「毎月リバランス」が勝利を納めました。途中の結果までを見ると、ITバブル崩壊後は実はRSIリバランス側が勝利しています。理由はよくわかんないですね!!!
右肩上がり相場だと毎月リバの方が売りが多くなるため結果が悪くなる気がしますが・・・やはりTMFがノイズになっているかもしれません。あくまで本シリーズの検証は株式側の等倍商品のRSIのみを確認しているものですので、TMFの値如何せんは考慮していないということです。
流石に二つを見て投資するのは現実的にも複雑になり過ぎるので検証自体は出来ると思いますが今の所予定にありません。そもそも金利が今後上昇するとかの絡みもあったり、今までが高金利から低金利へずっと進んだ相場だったので、過去検証結果が今後TMFの検証で役に立つとはあんまり思えないというのも理由です。
というわけで、いつも通り、RSIの上限と下限の組み合わせを見て見ましょう。
TECL60:TMF40リバランス(RSI75以上20~40以下)
なんとなくRSI80は結果が悪そうなので上限を75にして試します。TECLはボラが激しいので80でも良い気はしていますが・・・
1999-01-13~2020-06-23の約21年間の結果となります。
最終結果
- RSI75_40:7.82倍
- RSI75_35:7.22倍
- RSI75_30:5.71倍
- RSI75_25:8.61倍
- RSI75_20:9.09倍
- 毎月リバランス:8.13倍
1999年スタートと、「ITバブル」の益を100%得られずに暴落を食らっているので、「RSI75_20」が強い結果となりました。これは分からないでもない。ついでRSI25もその通り。
逆にこの結果から、RSI80は結果が悪かったことを見ると、リーマンショック辺りでRSI80まで引っ張ってしまって売り遅れたとかそういうことなのかなとも思えました。その辺はTMFの絡みもありますので考察はちょっと難しいです。
そしてRSI75_20はその後の超右肩上がりの10年間で十分TECLへのスイッチが行われていないため、最終的には追いつかれた形となります。
そして毎月リバランスが3位と好成績を残しています。この水準だとRSIに頼らない方が安定した結果を得られそうです。
では続いて上限を見て見ます。
TECL60:TMF40リバランス(RSI65~85以上25以下)
RSI25にしました。流石にRSI20は将来性が乏しいため、少なくとも25が現実的なためです。こう書くと今回の検証の意味が無いように見えますが、先ほどのグラフを見ても、右肩上がりのイケイケ押せ押せムードで明らかに取り残されるのは明白なため安定性に欠けるため、上限を策定する時の下限は25としています。
ということでこの条件で調べます。
1999-01-13~2020-06-23の約21年間の結果となります。
最終結果
- RSI85_25:5.97倍
- RSI80_25:5.06倍
- RSI75_25:8.61倍
- RSI70_25:9.86倍
- RSI65_25:8.28倍
- 毎月リバランス:8.13倍(※グラフ表示なし)
勝者は「RSI70_25」となりました。恐らくですが、「ITバブル崩壊」と「リーマンショック」の2つの暴落時期を挟んでいる点と、「ITバブル」の右肩上がり時期が1999年からという中途半端な時期からスタートだったため、多めに売りをしやすいRSI70が丁度いい形になったとかそんな感じでしょうか。
ともあれTMFが絡んでるので次回答え合わせが出来るかもしれないですし出来ないかもしれない。
そしてRSI80~85はやはりボラが激しい結果となったと言えます。攻め過ぎたため、毎月リバランスに普通に負けました。逆転する相場もあるのでやはりRSIを大きく取るとボラが激しい、つまり、ハイリスクハイリターンになりやすいと考えて良いでしょう。
ともあれ、安定を取ったRSI値であれば、毎月リバランスに勝利できそうです。
さて、というわけでITバブル崩壊直後から見ましょうか。正直、時期がかぶってるので軽く見ます。
ITバブル崩壊直前高値から開始した場合
2000-08-31~2020-06-23までの約20年間を見ます。RSI比率は適当に。
最終結果
- RSI70_25:3.98倍
- RSI70_30:2.66倍
- RSI75_25:3.98倍
- RSI75_30:2.91倍
- RSI80_25:3.52倍
- RSI85_25:4.15倍
- 毎月リバランス:4.20倍
ちょっと見えづらいですが、結果として「毎月リバランス」が勝利です!!
最初から見て行きましょう。
ITバブル崩壊時はRSI30や毎月リバランス組は圧倒的に下落することになります。それはそのはず。暴落し続けている時にTECLを買い増ししているので、それが更に暴落する形となったからです。
その後の復活時期、RSI30組は思うようにTECLを買い増しできません。毎月リバランスは2004年ぐらいから復活し始めていますね。そこで「リーマンショック」が発生。「毎月リバランス」はここでもすぐ復活していますが、RSI30組はいい具合に復活時期を逃しました。
対してRSI25組は「大暴落」時はそもそも買い増しをしないので安定した形で進んでいるように見えます。その後の右肩上がり相場でRSI70_25が安定した強さを見せます。
ただし長期間の右肩上がり相場により、売りを極力行わなったRSI85_25が途中で首位になりました。RSI75_25も追随していますね。そして最後の「コロナショック」でゴタゴタした所で終わりです。
ということで、総評としては「毎月リバ」「RSI85_25」「RSI70_25」「RSI75_25」順になって、安定度で言えば「RSI70_25」か「RSI75_25」がどのケースにおいても安心感は高そうかなと思った次第。黄色い線ですね。
そして「毎月リバ」の最大の欠点は、売買手数料です。回数が圧倒的に多くなることから、手数料込で考えた場合、恐らく3位ぐらいにおさまると思われます。割と僅差だったためです。
というわけで、私のオススメは「RSI70_25」か「RSI75_25」を押したいです。毎月リバランスも最終結果は良かったですが、グラフを見て分かる通り、結構ボラが激しくなると言う点も気になる部分となります。もちろん、大暴落が発生した場合の話であり、右肩上がり相場だとマイルドになっているはずです。
では続いて、右肩上がり相場の見の場合を見ましょうか。
右肩上がりだけしてそうな相場時期
2010-01-01~2020-06-23までの約10年間を見ます。
最終結果
- RSI70_25:17.25倍
- RSI70_30:23.68倍
- RSI75_25:19.07倍
- RSI75_30:26.14倍
- RSI80_25:18.94倍
- RSI85_25:20.89倍
- 毎月リバランス:24.10倍
対数グラフです。いつになく見づらいです。
今回はRSI75_30がトップとなりました。で、2位が毎月リバランス。最下位はRSI70_25と、大暴落中は安定していた組み合わせが最下位です。
まず右肩上がり期間ということでRSI30のほうがRSI25よりも強いのは分かります。右肩上がり時はガンガンTECLを買った方が強いからです。そしてRSI70_30よりRSI75_30の方が結果が良いのも納得で、右肩上がり相場だからその分売らない方が強いということです。
で、結果としてRSI85_25よりもRSI75_30の方が好成績になったというわけでした。
また、毎月リバランスが安定しています。これであればRSIに従って取引する必要は無くなりそうです。
ココが難しくて、「ITバブル」崩壊時も割と「毎月リバランス」は結果が良かったです。が、ボラが激しいことも事実です。そういう意味で総合的に考えると、やはり私個人のオススメとしては「RSI75_25」がベストプラクティスなのかなと思ってしまいました。
とはいえ、今回の結果は割と似たり寄ったり、得意・不得意な分野が明確にハッキリ分かれたため、好みによって使い分けしてもいいと思った次第です。
最後に「翌日終値」と「当日終値」の購入タイミング調査。本記事ではRSIの条件ヒットしたら「翌営業日の終値」で売買した場合を検証しています。私がズボラだから、翌日分かった後に取引したらいいでしょって思ってるからです。
RSIヒットした当日中に売った場合と比較
1999-01-13~2020-06-23の約21年間の結果となります。 また、比較はRSI70_30だけの2本で見ます。
差としては8%程度の誤差が生じました。そして今回は「当日終値」で売買した方が結果が良くなったパターンとなりました。これはもう過去検証で「当日」が有利だったり「翌日」が有利だったり毎回異なるのでやむなしとします。8%誤差も21年間続けた結果の8%なので、誤差と言っていいでしょう。私の中では誤差だよ誤差!!
ということで、まとめに入りましょうか。
まとめ
- RSI75_25が安定していたが、毎月リバランスに負けることも多々あった。
- 単純にRSI25は暴落に備えた形でRSI30は暴騰時に強いと考えて良い。そのため、今現時点から将来暴騰しかしない読みならRSI30以上を設定してもいいことになる
- RSI80以上は暴落前に売れなかった場合に大きく落ち込む可能性があり、ボラが非常に激しくなるため採用時は注意。
- 毎月リバランスも割と良好な結果だったので一概にRSIのみで取引するかどうかは考え物となった
難しいのが「毎月リバランス」の扱い方です。最終結果が割と悪くないのです。但し、大暴落中はかなりの損失を覚悟した方がいいと言う結果に終わっています。その後の右肩上がり時に強いので、そこまで辛抱できるのであれば毎月リバランスを何も考えずにやるのもアリです。手間も少なくなりますからね。
イヤー、今回の結果はちょっと読めませんでした。難しいです。一応TMFというノイズが入っているので、次回の現金リバランス側と併せた形で見れたらいいなと思いました。次回が真にTECLとRSIの関係が分かると思っています。
ということで、今回はここまでと致します。