RSIを用いたリバランスタイミングを検証します_その6(TECL現金リバランス編)

こんにちは。okometsubuです。

 

続編物ですが、別にどの回から見ても問題ない(はず)なシリーズ第6回目です。投資先のリバランス時期を時間軸ではなくRSIの結果で決めてみようのコーナーです。

 

以下過去記事。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

今回はTECL:現金を70:30でリバランスしている人向けの記事となります。多分明示的にこれでやってる!と言う人は皆無かと思いますが、実は「TECL」に投資している人はすべからく何らかの関与はあると思います。何故なら「現金」は皆生きていくうえで確実に保有することになるため、下落した時とかに「買い増し」することが可能だからです!!

 

その買い増しや売買ポイントを今回のRSIで決めておけば、リバランス運用していない人でもある程度の効果を得られると思われます。そして今回はTECL70:現金30としていますがこの比率は別に気にしなくていいです。あくまで私が70:30で運用しているから趣味でこうしてますが、50:50の人でも十分役に立つと思います。

 

 

 

 

検証条件

  • RSIがxx以上、かつ、株式側の株価が当初の割合より上ならリバランス
  • RSIがyy以下、かつ、株式側の株価が当初の割合より下ならリバランス
  • RSIは一般的な14日平均を使用します
  • 一度リバランスしたら22営業日はリバランスしない
  • 「xx」や「yy」のRSIの値は適当に決めます。
  • リバランス日は「翌営業日の終値」とします
  • これに対して「毎月リバランス」を実施した場合と比較します
  • 手数料や税金は考慮しません

 

ようするに、月次で何も考えずにリバランスする場合と比較して、RSIを見ながらやった方が勝率は高いんじゃないか?という検証記事です。

 

詳細は先ほどの過去記事である「その1」辺りを見てください。

 

さて、今回はTECLなのですが、指数がXLKとなるため、今までより短い期間しか検証できませんので、参考程度にとどまる予定です。後20年以上の過去データが個人的には欲しかった。残念。

 

ということで始めます。RSIの指数はTECLの元となっている「XLK」を採用しています。

 

TECL70:現金30リバランス(RSI75以上25以下)

RSI75_25のパターンです。今までRSI80_20で見てましたが、前回が75_25の結果が良かったのでこうしてみました。とりあえず試し打ち感なので適当にみましょう。

 

参考までに今回のみRSIリバランスしたタイミングに緑線を引いてます。毎月リバランスと、参考までにリバなしで投資額70%SPXLのみ現金30%ホールドしただけのグラフも載せます。

 

1999-01-13~2020-06-23の約21年間の結果となります。

 

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終結

  • RSIリバランス:2.21倍
  • 毎月リバランス:1.61倍
  • リバランス無し:0.51倍
  • RSIリバランス回数:32回

 

21年間に32回リバランスなので、年に1.5回のリバランス頻度ということになりそうです。メンドクサガリーな私でもこの程度ならやってやれなくは無さそうです。

 

結果として毎月リバランスよりRSI75_25が好成績になりました。リバランス無しは「ITバブル崩壊」で撃沈。この辺は今までの検証結果と大差ない形となりましたね。

 

 

というわけで、いつも通り、RSIの上限と下限の組み合わせを見て見ましょう。

 

TECL70:現金30リバランス(RSI75以上20~40以下)

1999-01-13~2020-06-23の約21年間の結果となります。

 

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終結

  • RSI75_40:1.59
  • RSI75_35:1.81
  • RSI75_30:1.39倍
  • RSI75_25:2.21
  • RSI75_20:3.37倍
  • 毎月リバランス:1.61倍(※グラフ表示なし)

 

RSI75_20」の圧倒的勝利でした。それもそのはず。「ITバブル崩壊」が超強力過ぎるのでこれは仕方のないことです。過去検証通り。注目としては、「ITバブル」時だとやはり一番弱いです。TECLをガンガン買えなかったためですね。なので右肩上がり時はRSI20だとどうしても買い増しが出来ずに弱い結果になると思われます。

 

とはいえ今回は「リバランス運用」なので、最悪、買い増しが出来なくても致命傷には絶対にならないのです。ここが全額売買で入ったり入らなかったりする場合より圧倒的に心の支えになる部分です。

 

さて、2位は順当に「RSI75_25」なのですが、問題は「RSI75_30」が最下位と言う点です。ITバブル崩壊時にTECLを買い増したことと、その後10年間の右肩上がり相場に乗っかることが出来なかったという中途半端な立ち位置となったためと思われます。

 

この辺の判断は難しい所ですが、私は本シリーズを通して下限は「25」が無難じゃないかと思っています。総合して大体「25」が安定しています。もちろん、今後10年間、アメリカが右肩下がりが無い最強投資先だったら「40」でガンガンTECLを買うのがベストにはなってしまいそうです。

 

オススメの理由は相場が読めなくて安定が取れるから「25」がオススメ、という意図で話しています。

 

ともあれ、RSI75_30以外は毎月リバランスより勝っていました。

 

では続いて上限を見て見ましょうか。

 

 

TECL70:現金30リバランス(RSI85~65以上25以下)

1999-01-13~2020-06-23の約21年間の結果となります。

 

 

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終結

  • RSI85_25:2.70
  • RSI80_25:1.69倍
  • RSI75_25:2.21倍
  • RSI70_25:2.67倍
  • RSI65_25:2.26倍
  • 毎月リバランス:1.61倍(※グラフ表示なし)

 

個人的には予想外な結果、「RSI85_25」が勝利しました。

 

序盤はRSI70_25が一歩リードしており、85_25は下位をずっとキープしていましたが、最後の10年間の右肩上がり相場で大きく力を付けて最後に逃げ切りフィニッシュとなりました。

 

こう見るとRSI85_25も中々良さそうに見えますが、21年間の内の半数以上を最下位近くをうろつきまわることになりますので、精神衛生上よろしくないのと、投資人生は長くとも20~30年ぐらいだと思うとちょっと怖い気もします。

 

そうみるとRSI70_25はバランスが取れているかなと思った次第。リバランス回数が増えちゃって手数料がかさんじゃうという点がボトルネックでしょうか。RSI65だとその不利な手数料回数が相当増えるので、最終結果を見る限り、やるなら70以上からが良いかなと個人的に思ってます。※本検証は手数料考慮無しです

 

ともあれ、ポイントとして「毎月リバランス」よりも結果が良くなったということでした。

 

 

さて、というわけでITバブル崩壊直後から見ましょうか。正直、時期がかぶってるので軽く見ます。

 

ITバブル崩壊直前高値から開始した場合

2000-08-31~2020-06-23までの約20年間を見ます。RSI比率は適当に。

 

 

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終結

  • RSI70_25:1.03倍
  • RSI70_30:0.59倍
  • RSI75_25:1.02倍
  • RSI75_30:0.66倍
  • RSI80_25:0.98倍
  • RSI85_25:1.56倍
  • 毎月リバランス:0.72倍(※グラフ表示なし)

 

対数グラフです。

 

最初の暴落時は完全にRSIの上限部分は出てこない部分です。RSI30勢とRSI25勢で明暗を分けました。RSI30でTECLを早々に買い増ししてしまった勢が哀れにもどん底に突き落とされていくのです。おお怖い怖い。

 

これを見ると如何に追加投資をするタイミングは難しいかが分かります。「コロナショック」底で買えたと喜んだり、買えなかったと悲しんでいる人、ただ運が良かっただけかもしれませんし、むしろ買えなくて運が良かったかもしれない、という考えを持つべきだということです。

 

明日は我が身。

 

え!?コロナショックで買い増しできなかったの~~?????wwww

 

と煽っていいのは「ITバブル崩壊」を経験した上でコロナショック底で買えた人のみ煽りなさい。「ITバブル崩壊」から見たらコロナショックなんてゴミみたいなもんです。この程度で下落で粋がるなんて、おこがましいにも程があります。

 

ま!私なんかドンピシャ「コロナショック底」でTECLとSPXLを買い増しできたんだけどね!(SPXSを買いながら)

 

話が脱線しました。

 

ようするに、RSI30程度では防げない暴落があると言う事です。将来RSI25が発生するかどうかは不明慮ですが、20の場合も過去に発生しているのですから、その中間点の25程度が程よく安全じゃないかなと思った次第です。

 

その後のリーマンショック時にRSI85はRSI25勢の中で最下位になりましたが、リーマンショックは「ITバブル崩壊」に比べたらハイテク株としては大したことがなかったため、RSI85_25がそのまま復活してフィニッシュと言うわけです。

 

この辺の考え方は難しくて、投資人生終わりごろに暴落が発生するとRSI85は最大級で最下位になる可能性がある点が怖いということです。

 

とはいえ、この期間の半分はRSI85はRSI25勢の中で最下位だったことを留意した方が良いでしょう。そうなるとRSI70~75になってしまうのでした。いつもの結果です。私の好みの数値。

 

ともあれ、RSI70~75_30以外は毎月リバランスに勝利している点をお伝えしておきます。この辺は運も絡むので難しいですが、やっぱり全体を通してRSI基準にした方が好成績になりやすい気はします。

 

では続いて、右肩上がり相場の見の場合を見ましょうか。攻めた方が強いのは明白な時期です。

 

右肩上がりだけしてそうな相場時期

2010-01-01~2020-06-23までの約10年間を見ます。

 

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終結

  • RSI70_25:11.25倍
  • RSI70_30:13.27
  • RSI75_25:12.40倍
  • RSI75_30:14.90倍
  • RSI80_25:12.96倍
  • RSI85_25:18.63倍
  • 毎月リバランス:13.06倍(※グラフ表示なし)

 

対数グラフです。

 

予想通り結果が良かったのは「RSI85_25」でした。まぁそらそうなります。

 

コロナショックが最後にあったとしても、それまでに培った利益でクッションになるため暴落底の地点ではそれほど違いがありません。その後の復活で再度差が生まれた形となります。まぁ底値付近だと逆にRSI80_25が勝ってたりしました。

 

さて、悩ましいのが毎月リバランスが中庸的な位置付けにあり、今度はRSI25勢よりも良い結果に終わっています。ただ、グラフが多すぎて載せてませんが、大体RSI75_25とどの地点で見ても接戦で最後ギリギリ抜かした形で終わっていました。コロナショックが無ければRSI75_25がギリギリ勝利と言った所でしょうか。

 

結果を見て頂けると分かる通り、割と接戦なので、手数料を考えたらやはりRSI25選択で良い気はしています。私の希望的観測です。

 

この結果を見るとRSI30も十分魅力的に感じますが、問題はTECLは非常にボラがでかいこと。大きく上がることもさることながら、大きく上がった分、大きく下がるのが世の常です。70:30でTECLに70%も既に投資済みであるという点を考えると、急いでRSI30の時点から追加投資する必要性も無いかなと思い始めています。

 

が、急いで億万長者になりたいなら攻めた方が良いですし本当に難しい。このRSI検証やる前までは私はとにかく追加投資しまくってリバランス売りはイラン!とか思ってましたが、さすがに後10年間ずっと右肩上がりしてくれる確率の方が低い気がしています。いやー、上がって欲しいんですけどね。希望としては。

 

であるならば、ある程度は妥協してリバランス売りも踏まえつつ、大きく下がったら買いを多めに行うRSI30も案外ありなのかもと思い始めています。ただ、大暴落時は結構負け越しちゃうから難しいなぁ。

 

ともあれ、今回はあくまでリバランス売買のタイミングであり、最悪ちょっとズレたとしても大勢に影響は無さそうなレベルの範囲にとどまってくれていると思っています。そのため、どのRSIを選択しても、何も考えずに毎月リバランスしないでRSIで適当にやるだけでもいいかなというのが、全体的なまとめとなりそうです。

 

 

最後に「翌日終値」と「当日終値」の購入タイミング調査。本記事ではRSIの条件ヒットしたら「翌営業日の終値」で売買した場合を検証しています。私がズボラだから、翌日分かった後に取引したらいいでしょって思ってるからです。

 

RSIヒットした当日中に売った場合と比較

1999-01-13~2020-06-23の約21年間の結果となります。 また、比較はRSI70_30だけの2本で見ます。

 

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当日終値で取引した方が最終的に8%程儲かりました。私としては残念な結果に終わりましたが、21年で8%の誤差であれば許容しようかなと思います。ちなみに気になってRSI75_25も試しましたが6%程度の誤差で当日終値側の勝利。残念ですがまぁいいでしょう。

 

ということでまとめに入ります。

 

まとめ

  • RSI75_25が安定していたがパターンにより結果は入れ替わった。
  • 単純にRSI25は暴落に備えた形でRSI30は暴騰時に強いと考えて良いが、右肩上がり相場だけならRSI30の方が当然良い。そのため、今現時点から将来暴騰しかしない読みならRSI30以上を設定してもいいことになる
  • RSI80以上は暴落前に売れなかった場合に大きく落ち込む可能性があり、ボラが非常に激しくなるため採用時は注意。
  • 毎月リバランスも割と良好な結果だったので一概にRSIのみで取引するかどうかは考え物となった

 

TECLの場合は案外難しい結果となったと言えそうです。検証期間も短いですし、ITバブル崩壊リーマンショック崩壊が直接発生している状況下でしたのでちょっと検証時期なんかも極端な部分が多くてまとめきれなかったのが残念でしょうか。

 

ともあれ、全ての記事のまとめとしては、RSI80超えはボラが非常に激しくなるので投機的な方法になりやすく、RSI25以下も同様ながら、最悪命は守られると言った具合になったと思います。

 

後は自身の強気・弱気のメンタル次第で採用する数値を決める感じでしょうねぇ。私はRSI85_25で超強気スタイルにしてもいい気もしていますが、売りが出来ないとこの後の大暴落で乙る可能性があるのがなぁ。というか、前回のRSI80で売れてない時点で割と不安です!

 

ということでRSI75_25が無難かなと思った次第です。毎月リバランスは手間が面倒なのとやっぱり手数料が気になっちゃいます。

 

というわけで、今回はここまでと致します。

 

 

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