こんにちは。okometsubuです。
ツイッターでSPXLとTMFのリバランス検証してほしい旨のコメントを頂きました!ありがとうございます!
頂いた内容について、今私の手持ちであるスクリプトを流用すれば割とすぐに出せそうだったので、ちょっとやってみようかなと思います。私がTMFについて全くよく分かってない、一切調べてなかったので興味もありました。
以下頂きました内容を軽くまとめます。
- SPXL:TMFを以下の割合で過去の成績が知りたい
100:0 or 80:20 or 60:40 or 32:68
ただ、残念ながら、TMFの元の指数となる「TLT」が2002年からなので、最大でもその年の途中からしか検証が出来ません。多分TLTが元だと思ってます。他に「米国国債 20年超」のデータがあれば嬉しいですが、残念ながらよく分からなかったのでこのTLTを元に話を進めます。
TLTからTMFを疑似的に作ってみました。結果はこちら
(TMFの1日の値動き) = 2.9783930 * (TLTの1日の値動き) + 0.0001386
考え方は以下過去記事。
ということで、まずは疑似TMFとTMFの比較をしてみます。
最初はそこそこ誤差がありますが、最終的には大体似たような動きになっています。この疑似データを使って話を進めます。
ということで、まずはTMFとSPXLをTLT開始時期から並べてみます。何故なら私は債券については全くの無知であり、どういう動きをするのかさっぱり分かっていないためです。どういう動きするんだろうか。
ということで、とりあえず疑似SPXLと疑似TMFのグラフを見て見ましょう。どちらも開始時の株価は一緒だった場合で開始します。1000ドルスタートです。
2002-07-30(TLT開始日)から2020-06-19(現在)までの疑似データ
ふえー。よく分かりませんが、2008年のリーマンショックやコロナショック時にTMFがひょい!っと上げていることは分かりました。そしてSPXLが右肩上がりの時はTMFは常に下がり続けているわけでもなく、大体値はそのままキープしつつ、普通に右肩上がりもしてくれていそうです。
なるほどなぁ。これは現金でおいておくよりTMFに投資したくなるってもんです。これは安全だと思っても仕方ありません。リーマンショック級程度であれば普通にTMFは上昇しているので現金じゃなくてTMFに投資してもいいんかなぁ・・・。
ただ、世界恐慌時がどうだったかが本当に知りたいです。世界恐慌レベルでSPXLとTMFが両方下げ、TMFも下げ続けるという動きになったら、多分、私の人生終了しちゃうのでそこだけが気がかり。当時大丈夫だったという情報が欲しい昨今です。後は、その大きな下げでSPXLは早期償還すると思いますが、TMFも一緒に償還されたらもはや再起不能、100%の投資額が99%以下になるという悲惨なことを想像してしまいました。現金リバなら現金が30%程度は手元に残っていてくれるので命はつながりそう。
ツイッターでは金利のグラフを見た限りではなんか大丈夫そうな気がしましたが・・・。世界恐慌でもTMF(TLT)が安全に運用できていたというものがあれば多分即採用しそう。こういう時金融リテラシー0だとよく分からなくて残念です。でもTMF採用したくなってきた。
話が脱線しました。
ともあれ、リバランス検証を見ないことには始まりません。とりあえず、調査をしてみましょうか。
今回のシミュレーション条件
- 面倒なので1ドル100円換算とします。
- 手数料や配当金は考慮していません。
- 投資額全額で1000ドルとします。
- 追加投資額は各ETFを端数無く余すことなく購入できるものとします。
- リバランス日は月末頃に実施とします。
- リバランス間隔は毎月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月(1年)でやってみます
- 期間は2002-07-30(TLT開始日)から2020-06-19とします。
- 全期間疑似データで行います
ETFは端数を買うことはできませんが、このシミュレーションではキッチリリバランスできるものとします。こういう所は投資信託の方が優れているんですよねぇ。今回はタラればということで何となく分かればいいと言う感じで進めます。
ということで参加者
参加者一同
- SPXL100%
- SPXL:TMFを80:20リバランス
- SPXL:TMFを60:40リバランス
- SPXL:TMFを32:68リバランス
- SPXL:現金を70:30リバランス
- SPXL:現金を60:40リバランス
- ノーセルバリュー平均法(10年分割)
今私が採用している「現金リバランス」を追加しました。70:30は私が採用している比率なので、それとの差が確認できたら嬉しいなぁと言った具合。SPXL:現金60:40は何となくTMFとの対決と言う感じで設定しました。
「ノーセルバリュー平均法(10年分割)」は「バリュー平均法」の高値になっても売らないバージョンの投資方法で、SPXLが年利15%以下になった場合にのみ投資する手法です。買い付け額もその時は追加投資予定金額の10分の1として、最短でも10年は積立投資を行うというものです。以下過去記事となります。
私が採用しているので参戦させました。 ノーセルバリュー平均法だけ、チェック日は毎年固定とさせていただきます。
それじゃもう早速やりましょうか。
1ヶ月でのリバランス対応
最終結果(1ヶ月リバランス)
- SPXL100%:8.08倍
- TMF20%:14.47倍
- TMF40%:18.01倍
- TMF68%:14.10倍
- 現金30%:6.46倍
- 現金40%:5.52倍
- ノーバリュー:7.05倍
「TMF20%」はSPXL:TMFが80:20のことです。他もそんな感じで見てください。
実際の結果と多少異なるかもしれませんが疑似データなのでそこはご了承を。大きくは変わらないとは思います。
そして結果がヤバイ。現金リバランスなんか圧倒する程安定してるじゃないか・・・。私の認識ではちょっとだけ利益が乗ってるだけだろうなぁとか思ったのですがかなりの違いが生まれました。
面白いのが最終結果じゃなくて、途中の安定っぷりです。特に面白いのがSPXL:TMFが32:68の割合。リーマンショック時の暴落時が滅茶苦茶安定してるじゃあ ありませんか!
そしてSPXL:TMFが60:40のリーマンショック時も相当良いです。何より、その後の右肩上がり10年間の相場でも普通に80:20の割合を凌駕しています。疑似データではあるものの、言うほど大きくはずれてないと思います。さすが最小分散レバレッジドPF(?)。有名になるわけです。こりゃ凄い。
本当に惜しいのは、過去のITバブル崩壊時が見れないことと、世界恐慌時のデータも見れないことです。それでも安定しているなら普通に採用したくなってしまいました。
また、途中でリバランスを挟むので、やはり少額で「億万長者」とかを目指すにはもうちょっとアクセントが必要な気がしないでもないです。
そうなると、私が最近採用しようとしている「ノーセルバリュー平均法」の「現金」で追加投資する場所にある程度「TMF」に入れっぱなしにしておいて、平均年利を下回ったらTMFを売却してその金額を追加投資に充てるとかでもいいかもしれません。結局、SPXLが下落した時にTMFは強いのですから。
そもそも今回の「ノーバリュー」の結果はSPXLより悪いです。ただこれも仕方が無いことで、「現金」をギリギリまで確保して「世界恐慌」に耐えられるために用いている手法であるため、どうしてもSPXL単体全額投資に比べて結果は悪くなりやすいです。投資とは出来るだけ速やかに投資する方が理に適っているという点から言えることです。
それでも利益を増やせるならば、現金の置く場所を「TMF」にするのは悪くない気はします。全額入れるのは怖いので少量だけでも。
以下ノーセルバリュー平均法の過去検証記事です。普通にドルコスト平均法より安定かつ有利だと思います。
ただ、先ほどの疑似TMFのグラフを見て見ると、今は大分高くなった気がしちゃってます。以下先程の疑似TMFと疑似SPXLをただ載せたグラフ
1000ドルスタートで、現在5000ドル前後でしょうか。ただ、SPXLとTMFをセットで買い増しをすれば安定はしそうな気はします。あぁ、やっぱりもっと過去のデータが欲しいなぁ。
話が大幅に脱線しました。戻します。
さて、一応リバランス間隔を変えた結果もお伝えしておきます。一応ね。
3ヶ月でのリバランス対応
最終結果(3ヶ月リバランス)
- SPXL100%:8.08倍
- TMF20%:22.84倍
- TMF40%:30.25倍
- TMF68%:20.28倍
- 現金30%:7.56倍
- 現金40%:6.52倍
- ノーバリュー:7.05倍
3ヶ月リバランスにしたら大分結果は良くなりました。結局機械的にリバランスをする場合は運要素が強くなるだけですが、この3ヶ月リバランスは成功したようです。私の意見としては、株価というものはここ百年間を見ても右肩上がり一辺倒であり、リバランス間隔を伸ばすことで「増価」の恩恵を得られやすくなったためと思っています。よく分からないですし適当語ってますけどね。結局は運だと思います。そして、リバランス間隔を狭めることで「ボラ」を抑えられるので、より安定した結果を得られやすいとは思います。今回はたまたま上手く行きましたが、逆に毎月リバランスより下がる可能性は当然あるわけです。
私個人の感覚としては、上記の理由の通り、リバランス時期を伸ばした方が良い結果が得られやすいイメージは持っています。が、ギャンブル感が増すと言った感じです。運です。
では続いて6ヶ月でのリバランス対応です。
6ヶ月でのリバランス対応
最終結果(6ヶ月リバランス)
- SPXL100%:8.08倍
- TMF20%:20.23倍
- TMF40%:24.83倍
- TMF68%:17.27倍
- 現金30%:7.00倍
- 現金40%:5.95倍
- ノーバリュー:7.05倍
3ヶ月よりも結果は悪くなりましたが、1ヶ月よりかは結果は優れています。今回は手数料と税金は考慮していませんので、それを踏まえて見たら6ヶ月もあながち悪くは無いかもしれません。では1年間リバランスを見て見ましょう。
12ヶ月でのリバランス対応
最終結果(12ヶ月リバランス)
- SPXL100%:8.08倍
- TMF20%:14.33倍
- TMF40%:17.16倍
- TMF68%:13.57倍
- 現金30%:7.05倍
- 現金40%:5.98倍
- ノーバリュー:7.05倍
毎月リバランスより若干悪くなった感じになりました。ともあれ似たような動きなので悪くないでしょう。手間も1年に1回で済みます。また、現金リバランス側は年1回の方が結果は良かったものとなります。
では最後に、全くリバランスを行わなかったらどうなるか見ますか。検証前の感想として、さすがにリバランスしないとSPXLとTMSの良さ、つまりレバレッジ特有の「減価」「増価」の2つを得られないことと、ボラが高すぎるため結果が両極端、天国か地獄かになりやすいものになっていると思います。
リバランス対応無し
最終結果(リバランスなし)
- SPXL100%:8.08倍
- TMF20%:7.50倍
- TMF40%:6.92倍
- TMF68%:13.57倍
- 現金30%:7.05倍
- 現金40%:5.98倍
- ノーバリュー:7.05倍
全然ダメダメですね。最悪です。今回の検証対象で「リーマンショック」とその後の10年の右肩上がりでフィニッシュしているため、結局SPXL100%投資しているところが勝ったと言うだけの話になりました。これがリバランスの強みですね。リーマンショックで買い増しを行って、その後の右肩上がりで十二分に利益を取っていくとこういう訳です。TMF加えたら更に利益は加速するってことなんでしょう。いいなぁ。うらやましい。
さて、話が飛びますが、TMFとSPXLのリバランスについて私の勝手な想像を記載します。
結局「リバランス」というものは3倍レバレッジ特有の「減価」を解消するために株価が下落した所で「買う」ものと、株価が右肩上がりした時に発生する「増価」して株価が上昇した所で「売る」ことができれば良いと言う話であり、今回のSPXLとTMFが「逆相関」の関係であることを前提とするならば、株価が下落した時には米国債は上昇しているものであり、そのタイミングで「リバランス」をすると、現金リバランスの時の2倍、というかSPXLとTMFのレバレッジ2種類2回分の効果が得られるんじゃないかなと思いました。
ただ、この話の前提は株(SPXL)と債券(TMF)が「逆相関」であり続けるという前提が必要です。これが私にはよく分からない。なんで「逆相関」であると言い切れるのか。ただ、過去18年のグラフを見る限りはおおむねその前提で動いて良さそうであり、現金よりもTMFをもってリバランスした方が良さそうな気はしています。
ただ、2018年なんかの大きな落ち込み時期でTMFも一緒に落ちちゃってるんですよねぇ・・・本当に「逆相関」が続いてくれるのかが気がかりであり、全力するのはちょっと精神的に耐えられなさそうというのが私の今の気持ちです。株は右肩上がりを信じられますが、TMFはそうなの・・・?と言う所が気がかりです。現金なら幾分か安心して持てますし、何なら私は株主優待クロスの種銭にしてるので多少なりともノーリスクで利益は得られる環境にいます。
そして結局最後には「世界恐慌時」がどうなるのかという疑問にたどり着くため、それを考慮した上で私自身はちょっとどうしようか検討してみたいと思います。いや、結果が滅茶苦茶良かったので検討したくなっちゃってはいます。
そして「リバランス」についてですが、この対応方法だと「SPXL」を売ることが前提にあります。私は先ほども述べたように「ノーセルバリュー平均法」を採用しようとしており、早期に億万長者を夢見るのであればSPXLを売らないでとてつもない暴騰による「増価」パワーを受け取りたいと考えています。しかし「世界恐慌」レベルの暴落にもある程度耐性は付けたい。
そうなると、「SPXL」が暴落したタイミングの「買い」が重要になってくるわけで、「ノーセルバリュー平均法」で用いる「現金」による買い付け部分を「TMF」を売却した資金で買い付ける、所謂「SPXL」を買い付ける時だけリバランスを行うイメージでしょうか。そういう対応をするのはアリなんじゃないかなぁと思っています。リバランスだと一気に金額が動くので、世界恐慌に耐えられるように予定投資額の10年分割した額を1年に1回投資するイメージ。その分だけTMFを売却してSPXLを購入するというやり方です。
「TMF」は上記のグラフを見る限り、大きく暴落しそうに無さそうですし、株価が暴落したらそのタイミングは少なくともTMFは値を上昇することになると思いました。もしかしたら、少額だけでも「TMF」に投資して、SPXLが下落した時用に使うかもしれません。世界恐慌も3年以上底までたどり着かず、その後20年以上低迷期を迎えます。が、その最初の1~2年ぐらいであれば、さすがに「逆相関」の関係は保ってくれるんじゃないかと期待しています。つまり、「ノーセルバリュー平均法」の1,2年分の資金ぐらいは「TMF」に預けっぱなしにしておいても良いんじゃないかと言う案です。
話が個人的になってしまい恐縮ですが、そういう買い方もありな気がしています。全く検証していないのと、TMF(TLT)が世界恐慌時にデータが無いので何ともですが・・・。ただ結果は良かったので、少しだけ買付しておくかもしれません。金利とか利上げとか利下げとかよく分からないことが絡んできてもうチンプンカンプンですよほんと。
債券はチンプンカンプン(※株もですが右肩上がりを信じてるので問題なし!)なのでTMFは一応頭の片隅に入れることとして、もうしばらくは現金による追加投資が出来る体制を維持しておいて、途中期を見てTMFにも少額入れて1年ぐらいで少額リバランス(SPXLとTMFで少額分確保してその範囲内で運用)、もしくはノーセルバリュー平均法の追加投資分として確保しておこうかなと思いました。
というわけで、今回はここまでと致します。