こんにちは。okometsubuです。
最近TMFを買ってどうなるものかを思案する日々が続いております。というわけで、本日はその頭の中のモヤモヤを解消する記事となります。
SPXL:TMFはリバランスすることで結果が良くなることが過去の検証で明らかになっています。以下過去記事。とてつもなく良い結果です。
低金利化に進む時期の検証なので私の中では今後もこのような素晴らしいパフォーマンスを得られるかというと半信半疑です。
但し、2020年4月からのコロナショックによる暴落が終わった後の低金利状態の中での検証を行った所、全く問題なく良いパフォーマンスを得られることが分かりました。1月から見ても同様でした。以下過去記事。
で、過去記事はリバランスを定期的に行うことでパフォーマンスが優れ、全くしなかった場合はかなりひどい結果になりました。以下遊びで試した時の過去結果。
今回は2020年の低金利化が進み切ったこの現在において、SPXLとTMFをリバランスしても問題が無いかと言うのを確認する回となります。
やることは、いくら低金利化が進んだとはいえ、その途中で低金利から上昇している期間が必ずあるはずなので、その期間のみをピックアップした際の「TMFの強さ」とSPXLとTMFでリバランスしたらどうなるの?というのを確認できれば良い感じじゃあないでしょうか!?
短絡的な理由ですが一定の効果があることに期待して、この記事を書き終わって検証結果が良かったら直ちにドル転してSPXLとTMFの両方を買う準備を進めとうございます。リアルタイムで検証およびリアルに投資をしているのはこのブログだけ!(大嘘)
- 参加メンバー
- 金利が上昇する期間と気になる検証期間
- 今回のシミュレーション条件
- 1986-08-21~1987-10-16の結果
- 1993-10-15~1994-11-07の結果
- 1998-10-05~2000-01-21の結果
- 2001-11-01~2002-05-28の結果
- 2016-07-05~2018-11-08の結果
- 3ヶ月でのリバランス対応
- 2020-01-01~2020-07-02の結果
- 所感という名のまとめ
参加メンバー
- SPXL100%
- TMF100%
- SPXL:TMF=80:20
- SPXL:TMF=60:40
- SPXL:TMF=32:68
- SPXL:TMF=20:80
- SPXL:現金=70:30
20:80の意図は「銀行預金」のような安心感を得つつ、多少の利益が得られたらいいなぁという人間のエゴの塊みたいな条件です。32:68は過去10年のシャープレシオが最も優れていたとかなんとか(※教えて頂いた割合そのまま流用)
最後の現金は私が今やってるやつので絶対見る。いいじゃないですか。人生掛かってるんですから多少見たってバチは当たりませんぜ!!
で、過去10年ぐらいであれば60:40が最もパフォーマンスが優れていて更に攻めるなら80:20でも良い感じでした。条件を読者様からお聞きして先ほどの過去検証で試したら確かに結果良かったです。
では改めて対象期間を定めます。ここで思ったのは、所々の金利が上昇した期間だけを検証すれば、「TMF」を混ぜる意味が分かるんじゃないかなと思いました。短絡的な発想ですが、そう悪くは無い気がしないでもない。
金利の取得方法はもんきーぱぱさんのブログサイトを参考にさせて頂きました。
アメリカ長期金利(10年国債)の推移と長期データのダウンロード方法 - ほったらかし投資の達人
https://www.gakushi-investment.com/entry/usa_10yrates
アメリカの政策金利のデータはFRBの公式サイトからダウンロード可能です。政策金利については1953年4月からの日次・週平均・月平均のデータがダウンロード可能となっています。
英語サイトとなっておりダウンロード方法はサイト中にあるBの「Select a preformatted data package」で日次・週平均・月平均を選択後に「Format package」を選択し、自分にあったデータにフォーマットしてからダウンロードすると簡単です。
エクセルの列が多くてどれが10年国債の金利かわからないときは1行目のセルから
「Market yield on U.S. Treasury securities at 10-year constant maturity, quoted on investment basis」を探してください。「10-yeat」が含まれる行は2つあるので注意が必要です。
実際ダウンロードは以下FRBの公式サイトから取得しました。.govドメインなので政府機関のものと分かったので安心です。
FRB H15: Data Download Program - Choose
https://www.federalreserve.gov/datadownload/Choose.aspx?rel=H15
実際に取った金利をエクセルでグラフ化
ということで、取得したデータを元に何となく金利が伸びている期間をピックアップしましたのでそこだけ検証してみます。私は「バックテスト」そのものは実はあんまり好きじゃないですが、「絶望的」な状況をテストするのは大好きです。その状況下で立ち向かえる「強さ」があるものを採用すれば氏ぬことは無さそうですし、他の良い期間をとっても最高の結果が残せれば幸せになれそうだからです。
金利が上昇する期間と気になる検証期間
- 1986-08-21~1987-10-16
- 1993-10-15~1994-11-07
- 1998-10-05~2000-01-21
- 2001-11-01~2002-05-28
- 2016-07-05~2018-11-08
なんとなーく、グラフを見て決めました。1986年は疑似TMFが使えたのでこの辺りからの期間から選出してみました。
というわけで、早速やってみますか!!
今回のシミュレーション条件
- 面倒なので1ドル100円換算とします。
- 手数料や配当金は考慮していません。
- 投資額1000ドルで行います。
- 追加投資額は各ETFを端数無く余すことなく購入できるものとします。
- リバランス日は月末頃に実施とします。
- リバランス間隔は毎月行います
- 2016年以外は疑似TMFを使います。
1986-08-21~1987-10-16の結果
最終結果
- SPXL100%:1.344倍
- TMF100%:0.513倍
- SPXL20%:0.641倍
- SPXL32%:0.727倍
- SPXL60%:0.956倍
- SPXL80%:1.141倍
- 現金30%:1.291倍
あらら・・・この時期はSPXL100%が勝利しました。これは過去に想像した通り、金利が高くなり、かつ、株価が上がる時期だったのかもしれません。そうなるとTMFはやはりボトルネックになってしまうことになるわけです。
最初の時期はSPXLもTMFも両方がた落ちしちゃいました。これを見て思ったのは、当時、「金利が上昇する」というニュースか何かが流れたのかなぁと思った。金利上昇初期は株価も金利も下落すると言われているようです。以下金利についての過去記事。
景気・金利・株価には、一般的に、以下のような関係があります。すべての景気循環で成り立つわけではありませんが、株式運用を考える上で、頭に置いておく必要があります。
つまり、この時期は「景気後退期」の初期段階と言えそうです。
そして、なんだかんだ現金リバランスは優秀じゃないですか。ちょっと安心しました。やっぱりこの低金利時代が終わったらTMFを全部売却して現金化するのはアリかなと思ってしまいます。
さて、まだ1区画が終わったにすぎません。途中結果で感想を述べてしまうのが私の悪い癖。次行きましょ。
1993-10-15~1994-11-07の結果
最終結果
- SPXL100%:0.961倍
- TMF100%:0.470倍
- SPXL20%:0.545倍
- SPXL32%:0.595倍
- SPXL60%:0.728倍
- SPXL80%:0.837倍
- 現金30%:0.981倍
この時期はSPXL:現金=70:30のリバランスが勝利を納めました!
いやぁ、金利が上がるとTMFが下がるのを実感できる図となります。やっぱり金利上昇時はTMF持つべきじゃあ無さそうなことが分かりました。
やはりTMFは後1年ぐらいのお試しぐらいに止めた方が良いかもしれないし、止めなくてもいいかもしれない。未来の金利が読める人向けの商品という事です。私はサッパリ読めないので半年~1年ぐらいで良い感じの所でやめようかな・・・
まだ慌てる時間じゃありません。ともあれこの期間は金利上昇時のみをピックアップしたのでそりゃあTMFが弱くなるのは仕方ありません。それを許容できるかどうかと言う所です。
ただ、「銀行預金」のような使い方はちょっとでき無さそうですね。諦めます。
では次の時期をみてみましょう!
1998-10-05~2000-01-21の結果
最終結果
- SPXL100%:2.730倍
- TMF100%:0.516倍
- SPXL20%:0.748倍
- SPXL32%:0.925倍
- SPXL60%:1.478倍
- SPXL80%:2.024倍
- 現金30%:2.081倍
今回もTMFはあまり良くない結果になりました。TMF100%投資だと1年程度で半分になるのは流石に堪えます。とはいえ金利上昇中のみの期間でなければTMFは非常に優秀なのは分かっているので悩ましい所です。最大でも20%程度持つぐらいがちょうどいいのかもしれません。私は10~20%が精々かなと今ちょっと思いました。
話が脱線しました。まだ検証期間は残ってますので次いきましょう!
2001-11-01~2002-05-28の結果
最終結果
- SPXL100%:0.944倍
- TMF100%:0.758倍
- SPXL20%:0.812倍
- SPXL32%:0.840倍
- SPXL60%:0.896倍
- SPXL80%:0.925倍
- 現金30%:0.968倍
今回も現金リバランスが勝利を納めました。金利上昇時のリスク回避として現金リバランスを行うのは有効なことが分かって割と満足してますよ私は!
ともあれSPXL80%も悪くないので、TMF10~20%持つのは悪くないです。事実、過去検証のSPXL:TMFの80:20の結果は相当優秀で60:40に次いでいい結果になったぐらいです。金利上昇以外の利益を求めるなら20%程度を持つのは悪い話じゃないです。
さて、では最後の時となりました。最後も想像通りなのかどうなるのでしょうか!?
2016-07-05~2018-11-08の結果
最終結果
- SPXL100%:2.197倍
- TMF100%:0.5倍
- SPXL20%:0.695倍
- SPXL32%:0.840倍
- SPXL60%:1.274倍
- SPXL80%:1.685倍
- 現金30%:1.773倍
結果としてはSPXL100%が勝利です。やはり明らかに金利が上昇している時期を抜き出したという悪意ある検証だとTMFはキツイということが分かりました。
もし仮にアメリカがマイナス金利を実現したら、やはり私はそのタイミングでTMFを高値で売却してSPXLやTECLに振り分けつつ残った割合部分は現金に割り当てることになりそうです。
そしてSPXL80%の成績が案外悪くないです。TMF20%ですね。そりゃそうだって話でTMFの結果が悪かったのですから割合を減らせばそれは結果が良くなります。
ただ、先ほども述べた通り、過去検証においてもSPXL80%は概ね良好な結果なんです。以下は疑似TMFと疑似SPXLのリバランス検証結果です。該当時期を3ヶ月リバランスすると一番結果が良くなりました。
3ヶ月でのリバランス対応
最終結果(3ヶ月リバランス)
- SPXL100%:139.01倍
- TMF20%:232.38倍
- TMF40%:229.16倍
- TMF68%:108.03倍
- 現金30%:68.46倍
- ノーバリュー:79.76倍
この結果を見ると現金リバランスはちょっと物足りないなって気持ちになってしまいます。が、低金利化に向けた動きしまくりの時期ですから当然現金リバが叶う訳も無いと言った具合だと思います。
ただ、これはちょっとオマケといいますか、大暴落を味わったグラフが無いので一概に判断するのは危険というものです。ということで、今年の「コロナショック」を味わったらどうなったかを軽くみてみましょうか。
2020年1月から現在までを見ます。結局金利はコロナショックの影響で大幅に下落したのでTMFがかなり有利になっていることを考慮してみてみましょう。
2020-01-01~2020-07-02の結果
最終結果
- SPXL100%:0.637倍
- TMF100%:1.516倍
- SPXL20%:1.364倍
- SPXL32%:1.263倍
- SPXL60%:1.011倍
- SPXL80%:0.823倍
- 現金30%:0.796倍
予想通りといいますか、TMFがイキイキしているのでTMF割合が多いものがやはり強いですね。現金リバ70%とTMF20%リバが大体似たような動きをしているので、今回の検証記事をみた限り、平常時も考えるのであればTMF20%にしてしまってもいいかもしれない。
今は低金利時期ですが上下の動きはある気がしていますが、今サクッとGoogle先生してみたところ、「2022年までは金利を上昇させない見通し」みたいな記事があった。それを信じるのであればTMF40%ぐらい仕込んじゃってもいい気がする。が、マイナス金利は現実にならなそうみたいな記事もちらほら。しばらくは現状維持っぽいかな。現状維持ならTMF持ってても良い気がしました。
というわけでまとめに入ります。
所感という名のまとめ
- 現状金利が上がる危険性は少ないことを考慮してTMFを買い増すのはアリと思われる
- 但し、金利が上昇一辺倒になると今回の検証結果のように悲しい気持ちになる可能性がある
- そのため今から新たにTMFを買うのであれば全体の20%を上限にするぐらいがちょうど良さそう
- 2022年まで低金利が継続することに賭けるのであれば、TMF40%ぐらい行っても問題は無さそうかもしれない
今回、「金利上昇」「株価暴落」時の比較を軽く見ましたが、安定しそうなのは案外「SPXL:TMF=60:40」かもしれません。今回のコロナではこれなら元本が守れましたし、金利上昇局面においては元本以下になるものの、超絶酷い結果というわけでもありません。
が、まだ結論を急ぐことは無いでしょう。「金利が下がる場合」「金利が上がる場合」の検証は終わりました。残りの「金利がヨコヨコ展開になる場合」を見てからでも遅くはありません。それを見てから私自身、どう投資するか決めたいと思います。
ということで、次回は「金利がヨコヨコ展開」する時を検証します。多分、後1,2年というスパンでみたら一番確率が高いんじゃないかなと個人的に思っています。これを見た上でTMFの追加購入の可否および買い方(SPXLを混ぜるか等)を決めたいと思いました。
というわけで今回はここまでと致します。