対決!ノーセルバリュー平均法VS現金リバランスその2(暴落5年前編)

こんにちは。okometsubuです。

 

ノーセルバリュー平均法 VS 現金リバランスという私得でしかない記事の第2弾!

 

SPXLを過去の暴落が発生する直前5年前に存在した場合のノーセルバリュー平均法と現金リバランスを争わせます。もっと争え・・・!

 

今回は暴落開始5年前からスタートです。以下過去記事。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

現金リバランスはその特性上、暴落5年前や10年前だとどうなるか割と未知数ながら、暴落するのが分かっているのである程度有利に進むと思われます。イメージとしては、ボックス相場に強い投資方法と言うべきでしょうか。大きく右肩下がりしたり大きく右肩上がりすると、暴落中は買い増しし過ぎてその総口数により下落率がガツガツ上がってしまい、大きく右肩上がりする状況だと途中売却をして右肩上がりの爆益を最大限生かせないと言うそんな感じです。

 

ということで、暴落5年前編、早速スタートです!

 

 

 

今回のシミュレーション条件

  • 面倒なので1ドル100円換算とします
  • ノーセル側は初期投資としてSPXLに6万ドル投資したものとします
  • 現金リバランス側は比率に応じてSPXLへの初期投資額が変動します。例えば、50:50の場合は6万ドル、70:30の場合は8.4万ドルとなります。
  • 運用期間はとりあえず30年分は見ます
  • 年利目標は15%とします
  • ノーセルバリュー平均法側の追加投資上限を6万ドルとします。初期投資額と合せて最大12万ドルまで自身の懐から出ることになります
  • 年1回の株価判定を行います。両方とも同じタイミングで実施します。
  • ノーセル側は毎年チェック時の追加投資する場合、1回辺りの上限を4000ドルとし、上限6万ドルに到達したら追加投資は終了となります
  • 追加投資額は疑似SPXLに余すことなく購入できるものとします
  • バリュー平均法やドルコスト平均法の現金が余ったらその分最後に足し算します。

 

初手6万ドルとしたのは、年利15%、20年で大体1億円に到達するから。それだけ。別にいくらだっていい。倍率の結果が後で出てくるのでそこから投資額を逆算すればいいから。

 

いつものぼうらく

 

参戦者たち

  • 現金リバランス50(※SPXL50%:現金50%)
  • 現金リバランス70(※SPXL70%:現金30%)
  • ノーセルバリュー平均法(10年)

 

さて、世界恐慌なのですが、世界恐慌開始前の5年について、残念ながらデータがありません。なので、ちょっと異例の対応を行います。

 

 

これも他シリーズでシリーズで毎回伝えてるやつです。世界恐慌レベルの暴落がくるなら、その手前に暴騰はくるという信念から書いてます。グーグル先生で「世界恐慌 チャート」で画像検索とかしたらそれっぽいチャートがでてくるので間違いじゃないな!!!

 

 というわけで早速始めましょう。まずは世界恐慌から。

 

世界恐慌-5年前からの30年

1924-09-03(疑似空間)から1954-09-02の30年間を見てみます。(疑似空間)はITバブル崩壊5年前の1995-08-31~2000-08-30の期間の値動きを強引にだしています。

 

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30年最終結果(最終積立額の何倍か)

  • ノーバリュー(10年):26.45万ドル(2.20倍)
  • 現金リバランス70:28.88万ドル(2.41倍)
  • 現金リバランス50:43.38万ドル(3.62倍)

※2020/06/26 結果修正

終結果の数値が異なっていたので訂正しました。グラフ描写は変更無です

 

私個人の意見として、この「世界恐慌-5年前編」が最も過酷な結果だと思っています。何故なら最初の5年で大幅に株価は増加しますが、目標の1億円に到達しないため、恐らく私は売却していません。その後に25年間も苦しい思いをしながら過ごすことになり、結局30年経っても株価は戻らないという悲惨な結末になります。

 

いや、30年後には一応元本は超えていますので悪くは無いと言えなくはないです。VOOの積立投資よりも良いと思いますよ。元本を超えて投資額の2倍ぐらいあったらVOOよりも若干優れていると言える感じ。まぁ、50歩100歩の世界なのでどうでもいいです。(※過去検証結果における感覚回答)

 

それよりリバランス50は世界恐慌下においても安定しています。このような暴落でも強気に行けるのがリバランス50の強みでしょう。高値で売って、安値で買い増しを行いやすい環境なので世界恐慌下においてはかなり強いです。大体投資額の近辺を行ったり来たりしていますね。これは安心して投資できます。

 

対してノーセルバリュー平均法(10年)は現金リバランス70にも負けてしまいました。

 

というのも、過去検証より、10年分割によるノーセルバリュー平均法は世界恐慌とは相性が悪いのです。世界恐慌は20年間は停滞期があり、最初の10年で濃度を濃く積立投資をすると、最初の3年間は下落中なので高値掴みしますし、途中で若干リバウンド(1937年頃)することもあり、そこでも買付してしまっています。なので、世界恐慌を見るなら15年分割が正しい結果となるのです。

 

ただまぁ、世界恐慌がまた現実に起こりうるのかとうい所を重視しすぎて肝心のリターンが減るのは本末転倒なので、10年分割でも30年運用で投資額の2倍を誇っているこの「ノーセルバリュー平均法(10年)」に期待しています。

 

本当にそうなのか。世界恐慌以外の結果を見れば明らかとなります。というか、それは過去編で何度もやったのでそれはどうでもいいです。現金リバランスの結果と比べるのが今回の記事の目的なので、まま、とりあえずみますか!

 

ベトナム戦争辺り-5年前からの30年間

1963-11-29から1993-11-28の30年間を見てみます。

 

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30年最終結果(最終積立額の何倍か)

  • ノーバリュー(10年):761.91万ドル(63.49倍)
  • 現金リバランス70:502.25万ドル(41.85倍)
  • 現金リバランス50:241.69万ドル(20.14倍)

 

現金リバランスでも20年程で1億円に到達しています。また、途中まではノーセルバリューと現金リバ70はほぼ互角の戦いをしていますが、1985年の急な右肩上がりと、1991年の右肩上がりで一気にノーセルバリュー平均法が押し返した形となります。

 

これが右肩上がり時に売却することによる機会損失箇所と言えるでしょう。そして1988年に急激な下落があるのですが、その右肩上がりの効果により大きく上昇してからの下落となったため、下落に耐性が生まれています。そのため下落の底のタイミングで現金リバ70とほぼ互角の位置でストップしました。

 

ともあれ、前回の記事より大分「現金リバランス」が強まっているのは確かです。ここでの考察は、今回「暴落5年前」スタートということで、暴落する前に暴騰が発生しています。暴落が発生するまでの右肩上がりのタイミングで「現金リバランス」組は高値で売っているわけなので、その後の暴落で非常に有利に戦えるということです。ノーセルバリューはただ放置しているだけですから、上がった分、モロに5年後の暴落を直撃したということですね。

 

そう考えると、次回予定の暴落10年前編辺りは現金リバランスが圧倒的に勝利する可能性も十分ありそうです。楽しみになってきました!

 

さて、20年運用の結果もみましょう!

 

ベトナム戦争付近の20年

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20年最終結果(最終積立額の何倍か)

  • ノーバリュー(10年):73.00万ドル(6.08倍)
  • 現金リバランス70:78.99万ドル(6.58倍)
  • 現金リバランス50:57.86万ドル(4.82倍)

 

やはりグラフを見ても分かる通り、前半ノーセルバリュー平均法はとてつもなく弱いです。特にこの期間は「ボックス相場」であり、本記事の冒頭で述べた、「現金リバランス」は「ボックス相場」で効果を発揮しやすい、という状況になっていると思います。ここドンピシャ読み通りでちょっと嬉しく思いながら記事書いてます。

 

ともあれノーセルバリューは20年後の1983年頃にようやくすべての現金をSPXL化することに成功したため、最後の最後に株価復活をキーとして、大規模な右肩上がりで一気に追いついたというわけです。

 

ノーセルの強みはその「現金」を全て使い込むほどの威力と暴落時に安く買いこめる特性です。それまで買付ができているということは、低迷期が続いているということ。であれば最後の最後に右肩上がりが来ても不思議ではありません。そこに賭けているのです。

 

まぁ、運が良ければ別に最後にならなくても1億到達したりもするのでそうなって欲しいものです。

 

というわけで、「現金リバランス」の良さがハッキリしだしてきましたね。次の暴落に進んでみましょう!

 

 

第一次オイルショック-5年前からの30年間

1968-01-11~1998-01-10の30年間を見ます。

 

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30年最終結果(最終積立額の何倍か)

  • ノーバリュー(10年):3328.16万ドル(277.35倍)
  • 現金リバランス70:1135.34万ドル(94.61倍)
  • 現金リバランス50:443.81万ドル(36.98倍)

 

いつもの頭おかしいグラフ。ITバブルってスゲーっていう感想しかわかないやつ。

 

現金リバランス50はそもそも「一気に1億!」を目指す投資法ではなく、最初にでた世界恐慌等の暴落時にも耐えられるようにするための比較的安全に投資をしつつ利益を得られるタイプの投資であるため、このような右肩上がり相場だと圧倒的に負けるのは致し方ありません。

 

それよりもアグレッシブに動いている現金リバランス70にしているのですが、圧倒的な右肩上がり相場では伸びしろがやはり低くなります。ちょっと攻めと守りのバランスを考えるとノーセルの方が良い気がしないでもない。世界恐慌時もある程度守られていますが、ノーセルと言うほど大差ないです。

 

ただ、やはり次回、次々回の10年前、15年前編辺りがとても気になります。それで結果が逆転するようなら、普通に両方運用と当初の予定通りの行動になるかもしれません。

 

それじゃ20年運用物を見ましょう。

 

第一次オイルショック-5年前からの20年間

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20年最終結果(最終積立額の何倍か)

  • ノーバリュー(10年):89.30万ドル(7.44倍)
  • 現金リバランス70:71.52万ドル(5.96倍)
  • 現金リバランス50:53.39万ドル(4.45倍)

 

最後の最後、一気に下落しましたが、それでもノーセル側は7.44倍をキープしています。ここまで来たらSPXLに現金を全額投資済みのノーセルバリュー側はよほどの暴落が来なければ耐性を得てリバウンドで大きく戻せることでしょう。その手前の16,7年間の安い時期に現金を全て投資済みなのですから、その投資した時期の株価まで下がらなければ全く問題が無く強気に攻めれるといことなのです。

 

もちろん、現金リバランスも高値で売っているため、この暴落への耐性は十分あることが見て取れますね。その後、その底値から買い増しを行えるということです。

 

逆に言えば、その「底値」からの買い増しは、つまり、ノーセルバリューが追加購入した額よりも「高値」で購入しているということです。そのため、その後、さらなる暴落が来ない限りはノーセルバリューに勝つことは非常に難しくなるでしょう。何故ならもう運用20年目なので、それをカバーするための運用年数が足りないため。人生には寿命という終わりがあるのです。

 

それじゃ最後、本命の暴落をチェックです。

 

ITバブル崩壊-5年前から現在まで

1995-08-31~2020-05-21の約25年間を見ます。

 

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25年最終結果(最終積立額の何倍か)

  • ノーバリュー(10年):136.25万ドル(11.35倍)
  • 現金リバランス70:171.57万ドル(14.29倍)
  • 現金リバランス50:108.46万ドル(9.04倍)

 

やはり最初に右肩上がりがあると「現金リバランス」組は非常に強いです!その5年後の暴落で耐性を付けつつ追加投資をして、次のリーマンショック時にも耐えられる形になっています。それもそのはず。最初の暴騰で8000万円近くになっているのですから、現金もかなり蓄えられていたことになります。その結果、リーマンショックの下落時は現金リバランス70がリバ50と底値をほぼ同じにしています。

 

こうなるとリバランス70が圧勝かと思いきや、最後の暴騰でノーセルバリュー平均法が一瞬追いついていたりします。20年以上運用を続けることで、ノーセルバリュー平均法は完全な右肩上がりパワー特化型となったためです。追加投資現金が0ですからね。完全に20年~30年目以降をピークに持ってきた戦い方です。30年を超えたら多分、ノーセルは現金リバランス達には負けなくなるはずです。※当然、少なくとも右肩上がりは必須ですが

 

ここまで検証して分かったのは、やはり最初に右肩上がりがあり、かつ、その後に大きな暴落が来るパターンであれば、「現金リバランス」組が勝ち、最初が下落相場なら「ノーセル平均法」が勝利しそうです。

 

後は、最初の右肩上がり相場が15年近く続いた場合も「ノーセル平均法」の勝利でしょう。途中の売却が入らないためです。

 

なので、今回のケースは意外と発生頻度が低い状況にあったかもしれません。

 

  • 5年間右肩上がりするから現金に都度変換。
  • その後確実に暴落が来るのでその現金を安く仕入れる

 

というアドバンテージを生かすには、やはりこの2つの条件がそろわないといけないという考え方です。1,2年程度では蓄えは不十分だし、7,8年右肩上がりしたら、1億円まで到達してしまう恐れもあります。恐れというかなんというか、もう投資終了と言うかそんな感じ。

 

ということで、次回の暴落10年前編と今回の暴落5年前編が運命の分かれ道になりそうだなと肌で感じました。

 

で、結局どっちの投資方法を採用するのか、と言うのは非常に悩ましいです。今回のITバブル崩壊-5年前でリーマンショックでノーセルバリューは大きく値を落としましたが、「底値」でも投資額の1200万以上はキープできております。つまり、赤字にはなっていないのです。

 

今回のケースで不利なのは「ベトナム戦争」時の長期低迷期と「ITバブル+リーマンショック」によるものですので、勝敗としては5分5分と言った所でしょうか。結果を出すにはまだ早いと言えそうです。

 

ということで、今回はここまでと致します。

 

ノーセルバリュー平均法の手順書は以下となっています。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

 

 

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