SPXLとTMFリバランス効果を検証します_その2(金利ヨコヨコ編)

こんにちは。okometsubuです。

 

何気にシリーズ物だったりする本記事。以下過去記事。金利が上昇する期間だけ抜き取ったらどうなるかを検証しました。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

  

で、金利が低下する時期については、もう他ブログで散々言われている「SPXL:TMF」のリバランス対応で非常に素晴らしい結果を残しているから割愛。1980年から今に至るまで金利15%から0.6%まで落ち込む相場でしたから、非常に素晴らしいパフォーマンスを叩きだしています。以下過去記事。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

では、今回は金利が上がりもせず下がりもしない期間を抽出して、その期間にTMFがあったらどうなるのかを検証したいと思います。

 

なぜそのような検証が必要かと言うと、

  • 今が既に超低金利状態であるため、今後金利が下がる見込みが少ない
  • 但し、経済は安定していないため、今しばらくは金利がいきなり上昇することは無さそう
  • つまり、後1,2年は「ヨコヨコ展開」もしくはもうちょっと金利が下がる可能性が高いのではないか(※超絶素人的発想)
  • だったら、過去の「ヨコヨコ展開」時を見れば未来のTMFへの期待感が分かるかもしれない!(←今ココ)

 

ようするに、今が超低金利時代だとかは関係ないんです。

 

」と「未来」の金利の差

 

がどうなっているかでTMFの価値が決まると解釈するならば、その期間の過去データを参照すればいいんです。そういう解釈ですがこの前提が間違ってたらこの記事は崩壊する!!!

 

そして金利が安定している中でSPXLとTMFを両方持てば、良い感じに期待値として右肩上がりが望めるのであれば、確率の良い「プラスサムゲーム」を期待しつつ、暴落にも暴騰にも耐えられるポートフォリオを作成することができるのではないでしょうか。

 

所謂、「今の時代向けポートフォリオ」の完成を目指したい。というか、安全に行きたいのでリスクが少な目でリターンもほんのりあるのを選びたい所存。

 

という発想から今回の検証がスタートします。

 

それではまず最初に金利の状況をおさらいしましょう。米国10年債というのが世間で言われる「金利」らしいので、そういうことで話を進めます。

 

 

 

過去から現在における金利状況

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一直線に金利が下がっていますね。とはいえ、細かーい部分で見れば、ヨコヨコ展開と言えなくもない時期が無くも無いのです!

 

というわけで、私の独断と偏見でその時期を勝手に決めます。金利のデータ取得方法は先ほどの過去記事にありますのでそちらを参照ください。そのデータは誰でも入手可能なので私が選んだ時期がどういう時期かも分かることでしょう!!(※丸投げ)

 

 

金利がヨコヨコ展開しているはずな期間一覧

  • 1988-02-05~1991-08-05 (金利8.12→8.04)
  • 1993-02-22~2000-07-12 (金利6.09→6.09)
  • 2001-11-07~2007-12-24 (金利4.22→4.23)
  • 2008-12-18~2019-07-26 (金利2.08→2.08)

 

うん。対象期間もバラバラになったし上下の動きも色々なパターンを見られている雰囲気が何となくしなくもない時期です!

 

そして参加メンバー。前回と一緒。

 

参加メンバー

  • SPXL100%
  • TMF100%
  • SPXL:TMF=80:20
  • SPXL:TMF=60:40
  • SPXL:TMF=32:68
  • SPXL:TMF=20:80
  • SPXL:現金=70:30

 

正直参加メンバー増やし過ぎてまとめるのが面倒なのは内緒だ。

 

今回のシミュレーション条件

  • 面倒なので1ドル100円換算とします。
  • 手数料や配当金は考慮していません。
  • 投資額1000ドルで行います。
  • 追加投資額は各ETFを端数無く余すことなく購入できるものとします。
  • リバランス日は月末頃に実施とします。
  • リバランス間隔は毎月行います
  • 対象期間全て疑似TMFを使います。2018年だけSPXLは本物使います

 

ということで、この期間でとりあえずやってみましょうか。とりあえず元本の「1000」を超えてくれたら御の字です。

 

 

1988-02-05~1991-08-05の結果

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終結

  • SPXL100%:3.063倍
  • TMF100%:1.305倍
  • SPXL20%:1.602倍
  • SPXL32%:1.797倍
  • SPXL60%:2.293倍
  • SPXL80%:2.673倍
  • 現金30%:2.337倍

 

SPXLが普通に勝利しました。基本株価が強いのは仕方ないね。TMFは暴落耐性のために入れてるんですから。

 

ここでの注目は、TMF100%が元本を上回っていることです。金利がヨコヨコ展開であれば、元本が守られたということになります。理想的な結果です。この結果が欲しかった!!

 

とはいえ、最初は金利が上昇したのでやはりTMFは弱まっています。が、その後のヨコヨコ展開に持っていくことが出来れば特に問題になるケースは無さそうと言った所でしょうか。

 

はやる気持ちを抑えて、次の検証に進みましょうか。

 

1993-02-22~2000-07-12の結果

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終結

  • SPXL100%:26.461倍
  • TMF100%:1.497倍
  • SPXL20%:2.960倍
  • SPXL32%:4.345倍
  • SPXL60%:9.894倍
  • SPXL80%:16.670倍
  • 現金30%:11.303倍

 

SPXLの圧勝ですが、ポイントはそこではありません。TMF単体が約1.5倍と貢献したことにあります。つまり、今回のケースでもヨコヨコ展開が期待できるのであれば、TMFは持ってるだけで有利な状況になったと言えるのではないでしょうか。

 

何故ならあの「SPXL」が普通に26倍の結果を生み出していますが、逆の動きをすると言われている「TMF」が普通に1.5倍なんですから。金利も「ヨコヨコ展開」な時期であるにもかかわらずです。

 

これは理想的な結果でした。他の要因とかも絶対あるとは思いますが、短絡的に考えたらTMFは「プラスサムゲーム」となる確率が高い、非常に優れた投資先であると言えそうです。

 

ただ、最初の頃は金利が急上昇した時期ですので、当然TMFの結果が悪くなっています。良い感じだったのがSPXLとTMFが60:40の比率。やっぱこれが一番無難な割合なのかもしれない。最終結果も良いし。前回高金利化時代で見ましたが、もうちょっとズームアップしてみましょうか。最初の3~4年間ぐらい見ます。

 

とりあえずグラフだけ。

 

1993-02-22~1996-10-01の結果(金利6.09→6.65)

金利の流れとしてはスタート(6.09)→谷→山→谷→山(6.65)と言う感じでフィニッシュしてます最後山ですがTMFはプラスで終わってるのが好印象。

 

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こう見ると、やはりSPXL:TMFの60:40の結果が良いですね。TMFが下がってもSPXLでカバーできます。今のご時世、TMFに沢山入れるのは怖いけれども、安定した結果が得たいというならSPXL60:TMF40を、いやいや、株価大暴落がもうすぐある!読みならSPXL32:TMF64とかTMF多めに入れるとかが良い感じになりそうです。

 

どっちのシナリオに重きを置くかって所です。そういえば「株価が暴落」した時の検証をやってませんでした。次回手が空いたらやりましょうか。

 

話が脱線しました。それでは次の時期に進みましょう。

 

2001-11-07~2007-12-24の結果

金利は最初山になってその後谷になって後はギザギザ進む感じの時期です。

 

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終結

  • SPXL100%:26.461倍
  • TMF100%:1.497倍
  • SPXL20%:2.960倍
  • SPXL32%:4.345倍
  • SPXL60%:9.894倍
  • SPXL80%:16.670倍
  • 現金30%:11.303倍

 

序盤がとてつもなく荒れ狂っています。金利が上昇した後急降下したのは、多分「リーマンショック」の影響で政府が頑張って株価を押し上げようとしたんじゃないでしょうか。金利が下がったことでTMFが上昇していることが分かります。

 

株価暴落時期を考えるとTMFは多く持ちたくなっちゃいます。やはりSPXLとTMFの割合を決めるのは今後の相場の展開が読める人、つまり上級者向けになりそうです。

 

困ったなぁ・・・。私全く読めないからなぁ・・・。やはり素直に現金リバランスだけにしとこうかなぁ。でも大体のケースでTMFは現金リバランスより有利に働いてるのでやっぱり少しはもっておきたい。

 

それじゃ最後の期間みましょうか。

 

2008-12-18~2019-07-26の結果

 

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終結

  • SPXL100%:19.188倍
  • TMF100%:1.022倍
  • SPXL20%:2.661倍
  • SPXL32%:4.325倍
  • SPXL60%:10.404倍
  • SPXL80%:15.585倍
  • 現金30%:10.138倍

 

TMFはギリギリ元本をキープした形でフィニッシュしました。ここでやはり強いと思ったのが、SPXLが大幅に上昇しているにもかかわらずTMFはその値を維持してくれていたという事です。SPXLが20倍になってもです。

 

金利の上下はありましたが、最初と最後の位置を見れば同じ水準で動いたことがわかります。それでもこの結果であれば、大暴落を見据えたリスクヘッジが使えるTMFを現金の代わりに置くのは悪い話じゃない気がしました。

 

当然ながら、金利が上昇したタイミングでTMFは値下がりしていますので、フルフル全部現金をTMFに置きなおすのは逆にリスクが非常に高まるためSPXLを混ぜて持つことになりそうです。

 

今までの検証結果をまとめると、割とシンプルで簡単な答えになった気がします。もっと複雑になると思いましたが案外聞き分けの良い素直でいい子です。(※但しボラは多少荒い)

 

TMFのここまでのまとめ

  • 金利が上昇したら普通にTMFの結果が相当悪くなる(※前回の記事)
  • SPXLが大きく上昇しても、金利に変動が無ければTMFは大きく下落することは無かった。金利上昇のインパクトの方が圧倒的に強いため、金利が上昇しないのであればTMFを多く持つのは理に適っている
  • SPXLが暴落等で下落したらTMFは大体のケースで逆の動きをしてくれるためリスクヘッジになる
  • 但し、金利が上昇するタイミングはSPXLもTMFも両方値下がりする可能性がかなりあったので現金持ってた方が安全なことは注意(※前回の記事)

 

つまるところ、「金利が上昇するかどうか」「株価が下落するかどうか」の2つの視点でTMFを購入するかどうかを検討すれば良いという事でした。そのためTMF100%に現金を全部預けるのは怖すぎることが分かったので、やはりSPXLを混ぜていきたい所存。

 

ぶっちゃけ、「金利がヨコヨコ」ならTMFは元本ギリギリキープしてるので、あえてSPXLを混ぜなくてもいいかもしれない。少し利益欲しいなら混ぜると良いでしょう。「金利上昇期」においてもTMFよりSPXL持ってた方が有利でしたし。但し大暴落時にはその分減る。

 

金利上昇中はSPXLとTMF両方混ぜても両方下落することが前回の記事で分かりましたので、現金の余力はやはり保有しておきたいなと思いました。今は既に超低金利状態。大統領が変わったら突然方向転換して金利上昇を目指すとか言われたらアウトです。※適当に発言してます

 

ともあれ、金利上昇中でもSPXLはその後に株価を持ちなおすことが多く、TMFよりSPXLを多く持った方が逆に安全に運用できていたので、金利上昇を読むならSPXLか現金を多めにし、金利ヨコヨコ展開ならTMFを多く持って大暴落に備えると言う形が良さそうです。割と単純明快な回答になりました。

 

ともかく、金利がヨコヨコならSPXLが上昇しても(※重要)TMFの結果が元本維持ギリギリできるというのは嬉しい情報でした。

  

さて、今回で検証終わりにしようかなと思ったのですが、「株価が暴落」した時のSPXLとTMFの組み合わせをちゃんと見てませんでした。過去の暴落イベントは去ることながら、気になる暴落があったらその部分も次回見て見たいと思いました。まとまったらまた記事にしたいと思います。

 

というわけで、今回はここまでと致します。

 

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