こんにちは。okometsubuです。
シリーズ物第3回目のお時間です。ここ最近似たようなことばかりやっているので、タイトルをちゃんと見ないと何を検証しているのか分からなくなってくることでしょう。私は既に混乱しているので雰囲気で書いてます。以下本シリーズの1回目
ということで、前回の5年前編では現金リバランスの底力が分かりました。ようするに、暴落が来るのは分かっているのですから高値で売って次の暴落時に安値で買えば現金リバランスは最強ということです。
では今回は10年もの編です。検証をまだしていませんが、予想として、
- 前半10年で株価が大きく動ければそこで売り抜けられるためノーセルバリュー平均法の勝ち
- 前半10年で微妙な株価増加程度だったら運用続行することになるので現金リバランスの勝ち
と言う感じだと思います。イキナリ結論を言ってしまった感はあります。5年前編の場合は5年程度では資産はそんなに増えないことが分かっているためです。であるならば、5年で運用終了するのは現実的ではないため、「現金リバランス」が大幅に強化されるであろうなぁと言った具合。
さて、今回は10年という微妙に長い運用期間があります。結果はどうなるでしょうか!?
- 今回のシミュレーション条件
- ずっこけ暴落4人組
- 参戦者たち
- 世界恐慌-10年前からの30年
- ベトナム戦争辺り-10年前からの30年間
- ベトナム戦争辺り-10年前からの20年間
- 第一次オイルショック-10年前からの30年間
- 第一次オイルショック-10年前からの20年間
- ITバブル崩壊-10年前から現在まで
- まとめ
今回のシミュレーション条件
- 面倒なので1ドル100円換算とします
- ノーセル側は初期投資としてSPXLに6万ドル投資したものとします
- 現金リバランス側は比率に応じてSPXLへの初期投資額が変動します。例えば、50:50の場合は6万ドル、70:30の場合は8.4万ドルとなります。
- 運用期間はとりあえず30年分は見ます
- 年利目標は15%とします
- ノーセルバリュー平均法側の追加投資上限を6万ドルとします。初期投資額と合せて最大12万ドルまで自身の懐から出ることになります
- 年1回の株価判定を行います。両方とも同じタイミングで実施します。
- ノーセル側は毎年チェック時の追加投資する場合、1回辺りの上限を4000ドルとし、上限6万ドルに到達したら追加投資は終了となります
- 追加投資額は疑似SPXLに余すことなく購入できるものとします
- バリュー平均法やドルコスト平均法の現金が余ったらその分最後に足し算します。
初手6万ドルとしたのは、年利15%、20年で大体1億円に到達するから。それだけ。別にいくらだっていい。倍率の結果が後で出てくるのでそこから投資額を逆算すればいいから。
ずっこけ暴落4人組
参戦者たち
- 現金リバランス50(※SPXL50%:現金50%)
- 現金リバランス70(※SPXL70%:現金30%)
- ノーセルバリュー平均法(10年)
さて、世界恐慌なのですが、世界恐慌開始前の10年について、残念ながらデータがありません。なので、ちょっと異例の対応を行います。
というわけで早速始めましょう。まずは世界恐慌から。
世界恐慌-10年前からの30年
1919-09-03(疑似空間)から1949-09-02の30年間を見てみます。(疑似空間)はITバブル崩壊10年前の1990-08-31~2000-08-30の期間の値動きを強引にだしています。
30年最終結果(最終積立額の何倍か)
- ノーバリュー(10年):4.49万ドル(0.37倍)
- 現金リバランス70:21.50万ドル(1.79倍)
- 現金リバランス50:33.91万ドル(2.82倍)
現金リバ50が勝利です!
これは本当に難しい問題で、本シリーズの「その1」の時の世界恐慌時だと現金リバ70が最下位で、「その1」の時のリバ70は0.079倍という不名誉な結果となっていました。
現金リバ70とノーセルバリュー平均法はどちらも短期間で1億円を目指すのに十分なパワーがあるため激しい暴落は覚悟する必要がありますが、投資時期によって結果がそれぞれ異なるような、そんな感じになってしまいました。
現金リバ50は安定していますが、短期間での1億を目指す運用ではないので普通に暮らしたいならこちらを選択すると安心ですね。
ともあれ、今回は10年運用の評価をすると、10年手前で既に1億円は余裕で超えているためノーセルを選んでも現金リバを選んでも大差が無いという回答になります。が、これはITバブル崩壊の結果でしかないので判断が難しいです。
「世界恐慌レベルの暴落はその手前で同等程度のレベルの暴騰が来る」
という前提で話すのであれば、ノーセルバリュー平均法を採用しても全く問題は無いと言い切れるかもしれませんが、その10年で勝負を決めないと、後の悲惨な時代を生き抜くことになります。この点、現金リバランス側は安定しますね。10年もの暴騰で現金を得られているので安心して底値で買い続けられるためです。
そして前回言ったように、5年前編が最も苦しいと思います。5年程度では1億円に到達しないためです。今回は10年前からスタートなので余裕で1億円まで到達しているのでサクッと売却して世界恐慌前に逃げればいいんです。
ということで、今回は投資する人の捉え方次第な結果となりました。一気に上げて売り抜けるならノーセル側がもっとも安全で、売り抜けでき無さそうなら現金リバが最も安全です。
ともあれ、実は追加で10年プラス運用すれば最下位のノーセルバリュー側も積立額もプラスになるので実は悪く無かったりします。「世界恐慌」に対してこの成績なら十分じゃないでしょうか。いやー、でもなぁ。SPXL自体が消失するからやっぱり現金リバランスで現金を確保するのは理に適ってるよなぁ。夢を追うか、現実を見るか、難しい判断に迫られそうです。
ともあれ、「ノーセルバリュー平均法(10年)」は世界恐慌のパターンを捨てたパターンであり、世界恐慌にも対応するには「ノーセルバリュー平均法(15年)」を採用すべきと過去記事で伝えていますので、ノーセルバリュー(10年)はこの項目では「捨て」とします。将来世界恐慌レベルが来ないことを祈りながら生活します。但し来ても最悪命は守れるギリギリの範囲が10年積立なのですから。
ということで、次の暴落をみましょう。
ベトナム戦争辺り-10年前からの30年間
1958-11-29から1988-11-28の30年間を見てみます。
30年最終結果(最終積立額の何倍か)
- ノーバリュー(10年):351.91万ドル(29.33倍)
- 現金リバランス70:338.97万ドル(28.25倍)
- 現金リバランス50:183.65万ドル(15.30倍)
ノーセルバリュー平均法(10年)がギリギリ勝利しました。
前回の5年前編では大差でノーセルバリュー平均法が勝利していましたが、ここへきてギリギリの勝利となりました。やはり最初の10年で右肩上がり相場が来ると現金リバランスは強いと言えそうです。ボックス相場が続いたのも現金リバランス側に優位に働いている事でしょう。
そのため、運用終盤までは現金リバ70が勝利していました。最後は右肩上がりの爆発相場だったので全ての現金をSPXLに投入していたノーセルバリュー平均法の勝利となったわけです。その圧倒的な右肩上がりの暴力で、終盤の終盤、暴落が来ても1位を死守できたというわけです。
こう見ると現金リバランス70も十分素早く億を目指せる投資法だと改めて思いました。今私も採用しているのですが、ここまでの検証から、超ザックリいうと
- 今から5~10年、右肩上がりなら現金リバランスを採用する
- 今から5~10年、右肩下がりになりそうならノーセルバリュー平均法
を採用するという感じになりそうですね。相場が読めないからある程度どのパターンでも対応できる方式を取りたかったのですが、これはもう2択で進めるしかないかもしれません。悩むなぁ。両方採用すればいいか!!
話が脱線しました。それでは20年運用を見ましょう。
ベトナム戦争辺り-10年前からの20年間
20年最終結果(最終積立額の何倍か)
- ノーバリュー(10年):31.61万ドル(3.16倍)
- 現金リバランス70:51.00万ドル(4.25倍)
- 現金リバランス50:42.09万ドル(3.51倍)
やはり大きな上げ下げがある相場だと現金リバランスは強いです。
それもそのはずで、このリバランス投資法の目的はボックス相場の「減価」に対する対策として用いられた投資方法だからです!以下ゆうさんのブログです。
https://yu-kabu-life.com/2019/04/22/leverage-depreciation
自分で検証してようやく理解しました。(オイ!)
私の理解では、現金リバランスの特徴は簡単に言うと、
- 上がったり下がったりする際に発生するレバレッジ商品特有の「減価」という現象のリスクを解消するために用いられる手法である
- そのため、右肩上がりが極端な相場や右肩下がりが極端な相場は苦手
つまり一長一短。SPXLのボックス相場による「減価」は極端な右肩上がりの「増価」と極端な右肩下がり(※特に名称は無い)による複利効果によるプラス効果により相殺されている認識です。エネルギー保存の法則と同じイメージを私は持っています。特に「増価」部分は世間では話に上がらない点だと思ってます。
という解釈です。それは本検証でもなんとなく明らかにしている点であります。「その1」の世界恐慌直撃した場合の大きな下落や、本ブログのベトナム戦争30年目の最後の右肩上がり相場でノーセルバリュー平均法が一気に捲っている点等が挙げられます。
そしてこの解釈が間違っててもいいんです。別にどうでもいい。解釈が間違ってようがあっていようが、過去の結果は変わりません。そうなるって歴史が証明してくれてますし、理論はその裏付けを後から私が勝手に説明しているにすぎません。
そして右肩上がりの暴力的なパワーで運が良ければ億万長者を目指せると思ってます。実際2008年から2019年までSPXLやTECLは圧倒的なパワーだったという実績があるんですから疑いようがありませんね。(※詳しくはYahoo Financeの実データをチェックしてみよう!!)
そしてこの考え方は、まさにこのベトナム戦争-10年前からの20年間の結果が顕著に表れています。ボックス相場のため、ノーセルバリュー平均法側は上げ下げが繰り返されて成績が一番悪くなっていますが、現金リバランス側はこの辺上手く相場に乗り切れてる感じがしますね!
いやー・・・全部ゆうさんのブログに書いてあるんですよねぇ!!!
まぁまぁ、いいじゃないですか。実際目で見て確認したくなるものです。実際の値動きと目標金額と投資額も何となく分かってきましたし、検証して投資方針を固めるのに役立ちそうです。
そう考えると、本当に投資を開始するタイミングでどっちを採用するか悩ましくなります。5年後~10年後がどうなるかを読まなくてはいけませんねぇこれは・・・
さて何となく投資方法のイメージがつかめてきました。本当にこの考え方でいいのか。次の暴落へ行きましょう。
第一次オイルショック-10年前からの30年間
1963-01-11~1993-01-10の30年間を見ます。
30年最終結果(最終積立額の何倍か)
- ノーバリュー(10年):736.08万ドル(61.34倍)
- 現金リバランス70:537.21万ドル(44.77倍)
- 現金リバランス50:249.20万ドル(20.77倍)
最後の極端な右肩上がりによりノーセルバリュー平均法の勝利です!
本気で超大金持ちを狙うならノーセルバリュー平均法が一番ということです。しかしながら、20年目の運用段階を見ると現金リバ70が途中まで勝っていることが伺えますね。極端な右肩上がり相場が無かったからでしょう。リスク対策としては現金リバ70の方が安心できそうな気もします。
では20年運用ももう少し見ましょう。
第一次オイルショック-10年前からの20年間
20年最終結果(最終積立額の何倍か)
- ノーバリュー(10年):53.72万ドル(4.48倍)
- 現金リバランス70:71.39万ドル(5.95倍)
- 現金リバランス50:53.18万ドル(4.43倍)
現金リバランス70の勝利です!
これもベトナム戦争20年間と同じ感じですね。ただ、最後に大きく右肩上がりをするところで、ノーセルバリュー平均法が最下位から一気に追いつこうとしていることは注目です。追加投資も相まってボラが激しい投資法と考えていいです。が、ドルコスト平均法よりは期待値は高くて安全性も中々高い(※大体のケースで投資額以上)のでそれを踏まえて採用を検討しているというわけです。悩ましい。
それでは次へ行きましょう。
ITバブル崩壊-10年前から現在まで
1990-08-31~2020-05-21の約30年間を見ます。
30年最終結果(最終積立額の何倍か)
- ノーバリュー(10年):506.97万ドル(42.25倍)
- 現金リバランス70:548.81万ドル(45.73倍)
- 現金リバランス50:257.99万ドル(21.50倍)
今回は他のケースと比べて面白い結果となりました。
最初の10年間、右肩上がりが来たら「現金リバランス」が有利とここまでお伝えしてきましたが、ITバブル崩壊で底値では現金リバリバランス50とノーセルバリュー平均法の値は差はほぼ無いです。一体なぜでしょうか?
これこそ、「現金リバランス」の弱点である、極端な右肩上がり相場と極端な右肩下がり相場にあります。
現金リバランスはその極端な右肩上がりの時に都度都度売却して次の暴落に備えているため、一見、ノーセルバリュー平均法に対して大きなアドバンテージがあると考えてしまいます。ですが、ノーセルバリュー平均法はその圧倒的な右肩上がりパワー、所謂「増価」のエネルギーをため込んでいるため、極度な暴落が来ても耐えられるだけのパワーがあったというわけです。多分そんな感じ!!!
もう1つの理由は、株価の頂点から次の底まで3,4年もかかっています。それもずっと右肩下がり。こうなると「現金リバランス」は不利で、安いと思った場所で買ったと思ったら、まだまだ下がるという局面。その安いと思って買ったSPXLの総口数がドンドン雪だるま式に増えてしまい、右肩下がり相場が続けば続くほど、その右肩下がりのパワーをドンドン増してしまうのです。
つまり、現金リバランスは長期的な右肩上がりや右肩下がりに不利と言えるでしょう。
とはいえノーセルバリュー平均法も安くなったら買うじゃないか!という突っ込みがあると思いますが、今回は「年利15%以下」にならないと買わないのです。つまり、このずーーっと続く下落相場で株を買わないのですから、総口数に変化は無く、その口数に対する下落分だけで被害を抑えられているというわけです。
結果、「ITバブル崩壊」時の底付近はドッコイドッコイの成績だったというわけです。増価のパワーを100%一身に浴びるということはこういうことではないでしょうか。(※多分!!!)
でも、その後のリーマンショックで一気に下げてザ・エンドってね。はい、お疲れ様でしたってね。
やはり現金リバランス70の方ノーセルバリューよりも極端な右肩上がりは無いですが、安定しているように見えますね。
イヤー難しい。結局、「暴落10年前編」と暴落が来ることが分かっているから現金リバランスが有利になるのです。「その1」の暴落直前前だったらノーセルバリューが強いのです。困った困った。
ともあれ、ITバブル10年前編であれば、そもそも1億円到達しているわけですから、真の勝者はノーセルバリュー平均法と言えなくもないです。
20年運用はグラフが見やすいので割愛でいいかな。違いもクッキリ見えていますし。
というわけで、10年前編でした。
やはりこの記事を書く前に予想した通りの結果となりました。ザックリ改めてまとめてみましょう
まとめ
- 暴落直後から投資を開始する場合は圧倒的にノーセルバリュー平均法が有利となる
- 暴落5年前から投資を開始する場合は「現金リバランス」が圧倒的に強く安定する。が、最後の最後で強烈な右肩上がり相場があればノーセルバリュー平均法が勝つこともある
- 暴落10年前から投資を開始する場合は、その10年で億り人に慣れるなら「ノーセルバリュー平均法」というより、追加投資をしないので「初手一括投資」側が最強で、10年で良い感じに株価が伸びないなら「現金リバランス」が良い感じになる。それでも最後に良い感じの右肩上がり相場がきたら「ノーセルバリュー平均法」が勝つ
- 現金リバランスの弱点は「長期的な右肩上がり」もしくは「長期的な右肩下がり」相場である。その逆が「ノーセルバリュー平均法(※およびSPXLそのもの)」である。
- 現金リバランス70の場合、初手で資産の70%を一気にSPXLに投資することになるため、実は相当怖い。今回の場合、ノーセルバリュー平均法は初手6万ドルに対して現金リバランス70は初手8.4万ドルスタートとなっている
- 「1億円を早期に達成するのはどちらか」というゲームとして考えると、今回のケースはやや「ノーセルバリュー平均法」に軍配が上がりそう。2勝1敗1分けって感じ。
過去結果を見る限り、「ノーセルバリュー平均法(10年)」VS「現金リバランス70」という図式になる感じですね。初手の投資額を考えると、「ノーセルバリュー平均法」の方が始めやすい印象を持ちました。但し、ボラが高いのはノーセル側。いやぁ、悩みます。
ちょっと思ったのは、最初の5年間は「ノーセルバリュー平均法」を行って、5年目で圧倒的な右肩上がりなら途中から「現金リバランス70」に切り替えるというもの。そうすれば、右肩下がりスタートなら「ノーセルバリュー平均法」が強く、圧倒的な右肩上がりなら「現金リバランス70」が安定しやすいというものです。リバランス後に更に増えてしまっても安定性は求められます。その場合は1億円の道のりが少し遠のきますが、暴落することになったらリカバリーは容易になります。
が、これは没になる気がしています。何故なら、初期投資額が先ほど述べたように異なるためです。これが一致しているなら容易にスイッチできるのでいい案だなぁと思ったのですが。難しいものです。
ともあれ、初期投資額を少な目で夢を見るなら「ノーセルバリュー平均法」と言う感じでOKだと思います。イメージとしては、
- ノーセルバリュー:10年~40年で1億円達成の可能性大
- 現金リバ70:20年~30年で1億円達成の可能性大
みたいな感じでしょうか。ノーセルバリューは早ければ10年、遅ければ40年と幅が広く、現金リバ70は20~30年で達成はできるものの、最低20年かかる、みたいな。夢を取るか現実を取るかみたいな。あ、上記の期間はイメージなので注意。
と言うわけで、大体内容が分かりました。好みの問題に分かれそうというお話で落ち着きそうです。次回、暴落15年前編をやりますが、これも上記まとめの通り、どうなるか割と読めません。ということで記事を起こします。
以下ノーセルバリュー平均法の手順書
現金リバランスはゆうさんのブログを見ることをオススメします。以下リンク先を記載させて頂きます。