対決!ノーセルバリュー平均法VS現金リバランスその4(暴落15年前編)

こんにちは。okometsubuです。

 

SPXLを対象としたノーセルバリュー平均法VS現金リバランス、第4回目です。

 

時間分散をキッチリして安心感を得るノーセルバリューか、現金を都度手元に置いて安心感を得る現金リバランスか、どちらが勝つでしょうか!?以下本シリーズ最初の記事。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

 

では早速目次へ。

 

 

 

今回のシミュレーション条件

  • 面倒なので1ドル100円換算とします
  • ノーセル側は初期投資としてSPXLに6万ドル投資したものとします
  • 現金リバランス側は比率に応じてSPXLへの初期投資額が変動します。例えば、50:50の場合は6万ドル、70:30の場合は8.4万ドルとなります。
  • 運用期間はとりあえず30年分は見ます
  • 年利目標は15%とします
  • ノーセルバリュー平均法側の追加投資上限を6万ドルとします。初期投資額と合せて最大12万ドルまで自身の懐から出ることになります
  • 年1回の株価判定を行います。両方とも同じタイミングで実施します。
  • ノーセル側は毎年チェック時の追加投資する場合、1回辺りの上限を4000ドルとし、上限6万ドルに到達したら追加投資は終了となります
  • 追加投資額は疑似SPXLに余すことなく購入できるものとします
  • バリュー平均法やドルコスト平均法の現金が余ったらその分最後に足し算します。

 

初手6万ドルとしたのは、年利15%、20年で大体1億円に到達するから。それだけ。別にいくらだっていい。倍率の結果が後で出てくるのでそこから投資額を逆算すればいいから。

 

いつもの暴落

 

参戦者たち

  • 現金リバランス50(※SPXL50%:現金50%)
  • 現金リバランス70(※SPXL70%:現金30%)
  • ノーセルバリュー平均法(10年)

 

 

今回ですが、意図的に世界恐慌は外しました。前回までのルール通りなら、15年前をITバブル崩壊前の15年間の結果を疑似的に置くという処置を取りましたが、結局ITバブルはとてつもない右肩上がりであることと、ITバブル崩壊と同じ動きになるため参考になりません。

 

というわけで今回は3つの暴落を見ます。この3つは暴落期間が長く、非常に低迷期が長く、高値から「底」までの下落率も高いものを選択しています。実はブラックマンデーは確かに凄い下落しますが一瞬大きく下落するだけで、高値から「底」までの下落率および低迷期が非常に少ないので取り扱っていません。第1回目でいうべきことを今言っていくスタイル。

 

では早速暴落内容を見て行きましょう。

 

ベトナム戦争辺り-15年前からの30年間

1953-11-29から1983-11-28の30年間を見てみます。

 

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30年最終結果(最終積立額の何倍か)

  • ノーバリュー(10年):890.47万ドル(74.21倍)
  • 現金リバランス70:852.84万ドル(71.07倍)
  • 現金リバランス50:373.39万ドル(31.12倍)

 

いやー!まいった!!

 

とても面白い結果になりました。現金リバ70とノーセルバリューの結果がほぼ似たような動きになったのです。ただ、所々上下の値動きが激しい部分は勝ったり負けたりを繰り返しています。こうなると完全に好みの問題と言えるでしょう。ボラの激しさから目標金額を早期に達成した瞬間に売り抜けるか、ノーセルバリューよりは穏やかに、それでも鋭く目標金額を目指すか。

 

ともあれ、ボラが高くとも、基本的にはSPXLにおけるノーセルバリュー平均法(10年)は「VOOのドルコスト平均法」という世間一般的な手法以上の効果を得られる投資方法よりも圧倒的に上回っている時期が大量にあるため、最低限の危険回避はできています。

 

そして現金リバ70側は追加資金の70%を初期投資しなくてはいけないという苦行があるわけですので、始める時の心持としてはノーセルバリュー平均法側が有利となります。今回の例だと6万ドルと8.4万ドルの違いというやつです。走り出したら途中でスイッチできないということです。変則的にはできそうですが計算がややこしそう・・・

 

ただし、運用途中の株高の時に売却しているわけですから、現金が多めに手元にあるのはとてもメリットになります。気持ち的にはちょっと落ち着くことでしょう。私生活で最悪ケースがあった場合の対応力は現金リバランス側の方が高いかもしれない。

 

いや、もういっそのこと2つの投資方法を金額半分に割ってやるとかいいかもしれない。計算が超絶面倒くさそうですが。

 

話が脱線しました。

 

一旦、このケースの場合はどちらでもOKと言う話でした。結構予想外な結果。

 

では次の暴落を見ます。

 

第一次オイルショック-15年前からの30年間

1958-01-11~1988-01-10の30年間を見ます。

 

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30年最終結果(最終積立額の何倍か)

  • ノーバリュー(10年):474.75万ドル(39.56倍)
  • 現金リバランス70:489.25万ドル(40.77倍)
  • 現金リバランス50:238.97万ドル(19.91倍)

 

最終的に現金リバランス70が勝利しましたが、50歩100歩の世界と言えるでしょう。最初15年は互角、後半は現金リバ70が優勢で最後の右肩上がりでノーセルバリューが巻き返して最後の暴落で再度大逆転です。

 

もはやタイミング次第でどうとでもなるということです。とはいえ、最初右肩上がり相場なら現金リバ70はノーセルバリューに比べてかなり安定しますね。これは本当に悩ましい。暴落直後、5年前、10年前、15年前と全部見ると良い所も悪い所もありどちらを選んでも正解だしどちらを選んでも不正解なこともあります。

 

結論として運しだいになりそうです。ここにきて最後に運!なんということだ・・・。爆弾解除で赤か青かの線どちらを切るかみたいなそんな感じになってしまった。

 

結論を急いではいけません。ITバブル崩壊も見て見ましょう。

 

ITバブル崩壊-15年前から30年間

1985-08-31~2015-08-30の約30年間を見ます。

 

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30年最終結果(最終積立額の何倍か)

  • ノーバリュー(10年):645.41万ドル(53.78倍)
  • 現金リバランス70:878.36万ドル(73.20倍)
  • 現金リバランス50:411.01万ドル(34.25倍)

 

実は見事なまでのボックス相場だったのです!

ボックス相場ではリバランス組が強いというのは過去記事の検証で明らか!!

ということで、最終的に買ったのは現金リバ70と言うわけだ!!!

 

ともあれ、ITバブルの爆発的右肩上がりが強すぎる。その時期だけ見るとノーセルバリューの勝利となるわけです。1億円所じゃないですから。とはいえ、1億円達成時点で行っても現金リバ70の方が到達が早かったっぽいです。最初の最初、ちょろっと右肩上がりしてその後急落しているのが2,3年目のちっちゃいグラフで確認できます。

 

やはり、最初の相場が右肩上がりでその後すぐに暴落するようなケースの場合は現金リバは強いと言えるでしょう。やっぱり運じゃないか!!!

 

ということで、まとめに入りますか。

 

今回のまとめ

  • 最初に右肩上がりをした後に暴落が来る状況であればやはり現金リバランス側が有利であることが確認できた
  • 暴落15年前からスタートしても現金リバが前半有利なことが多かった。何だかんだ、上げ下げを繰り返す機会が多かったことが伺える
  • 現金リバ70とノーセルバリュー平均法(10年)はおおむね一緒の動きなので好き好きで選べばおk

 

今回だけで見るとこんな感じでしょうか。

 

さて、暴落直前から15年前編とかなりのスパンを見てきたわけですが、総括するとこんな感じでしょうか。

 

全体のまとめ

  • 直近で暴落するならノーセルバリュー平均法一択
  • 5年~10年右肩上がりを続けるなら「現金リバランス」が強くて安定する
  • 10年~15年右肩上がりなら、もうその時点で1億円到達しているパワーがあるため「ノーセルバリュー平均法」で早期億り人の可能性が高まるが、ミスったら30年運用必須となる可能性も高まる。その場合は圧倒的に「現金リバランス」側が安定して強い運用ができる
  • 現金リバランス70とノーセルバリュー平均法(10年)は同程度のパワーを有しているが、後者の方が圧倒的にボラは激しい。

 

こんな感じでしょうかね。今パッと思った例え話を書かせてください。

 

例えば、マクドナルドの「バリューセット」を例に挙げるとこんな感じ。

 

  • 現金リバ50グランクラブハウス+サイドサラダ+ウーロン茶
  • 現金リバ70グランクラブハウス+サイドサラダ+コカ・コーラ(L)
  • ノーセルグランクラブハウスポテト(L)コカ・コーラ(L)。但し、こいつだけ株主優待券を持っていて無料で食べることができる

 

赤字部分が高カロリー(高リスク高リターン)部分。

 

と言った感じでしょうか。現金リバ50,70はサラダを食すことで、SPXLというガツンと超高カロリー(3倍レバレッジ)を緩和して何となくバランスが良さそうに見せる(※実際はそれでも高カロリー)メニューとなっている。

 

現金リバ50はそこにウーロン茶使ってるので更に健康的!だけど一部が高カロリーだからそれなりの満足感は得られる。現金リバ70はそこにコーラというアクセントが付いてかなり満足!割とジャンキーなのでお腹も多少壊すかもしれませんが、大事には至らないケースが多そう。

 

対してノーセルバリュー平均法はもう体に負担のかかるものしか頼んでいません

 

食べた後はとてつもない満腹感とジャンキーなものを食べきったという満足感が体中にいきわたるでしょう。リスクとしてお腹を壊して腹を下す(ボラが激しい、下落相場続き)か、最悪入院(世界恐慌)する可能性があると言う感じです。

 

但し、免罪符として株主優待で無料で食べる(=下落時だけ追加投資)という条件を付与しました。無料なので謎のお得感が体にみなぎります。お腹を壊しても、「あぁ、無料(=株価が低い位置で追加投資)でこれだけガツンと食べられたんだから満足だよ・・・」という免罪符をセットしているのです。購入費分を免除したことでお試しで一番高いメニューを注文するのに躊躇なくできるというか、そんな感じ。

 

そして全体として単なる「バリューセット」であり、容量は限定されます。食べ過ぎを起こしているわけではないので、入院騒ぎまで行くのは非常に稀(=全員暴落に何かしらの耐性を施している)ということです。

 

どのメニューを選ぶかはあなた次第。いやー、なんて分かりやすいたとえなんだ・・・。あれ?いうほど分かりやすいか?まぁいいや。というかなんで突然例え話始めてしまったんだ。落ちが無いからこの話はもうやめ。

 

 

そんな中、現金リバ50の場合は早期1億円はちょっと難しいと考えた方がいいです。

 

あれはVOOよりもかなり成績が良いものを目指す投資方法であり、意味不明な右肩上がりの超パワーをガッツリ享受することができないが、かなりの安定運用が期待できるというものです。VOOよりもそこそこ良い感じのリターンとちょっとリスク多めで安定化を図るという投資方法ですので。

 

そして現金リバランスであれば、最悪世界恐慌時にも気持ち耐えられるはずです。そのまんま紙幣なので。私の場合は余剰資金で株主優待クロスしてカバーできます。

 

以下そのことを考案した時の過去記事。この時は毎月リバランス時の考えですが、今は1年に1回リバランスできればそれでいいと言う考えに変わっているため更に現金リバランスは好印象に私の中でなってます。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

イメージとしてはTMFとBNDとSPXLのリバランスの方が良さそうなんですけど、過去データが無いのが本当に悔やまれます。後、私の金融リテラシー力が0なのでよくわかんない。残念。

 

私は夢追い人なのでノーセルバリュー平均法か、SPXL:現金が70:30のどちらかを採用して1億円を早期に取れたらいいなぁと思っています。

 

ともあれ、初期投資額がノーセルバリューと現金リバ70で異なっているのが最大の問題で、今現在私は結構な額をSPXLとTECLに投資して現金リバ70で運用しています。が、これをノーセルバリューに切り替えて、同額を追加投資する形にチェンジすることも実は可能です。

 

そうなると、投資額は圧倒的に増えてしまいますが、その分1億円到達までの時間は短縮されるでしょう。悩むなぁ・・・困った。

 

どちらにしても言えるのは、どっちで進めても何とかなりそうかなと言った具合です。どっちも一応、並大抵の暴落に対して耐性はあります。

 

ということで、結論としましては、「みんな違って、みんな良い」です!こう言っておけばクレームは来ないんです!平和が一番!!!

 

ということで、今回はここまでと致します。

 

 

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