【SPXL】VIXによるタイミング投資を検証します

こんにちは。okometsubuです。

 

今回は以前ツイッターで要望頂いた以下の条件で検証してみたいと思います。スクリプトを1から作る必要がありましたが、何となく気になったので簡単なものを作って今回試してみようかなと言う感じです。

 

頂いた条件

  • VIX 20以上ではVOOに、20未満ではSPXLにする

 

これだけ。詳細な条件付けが無かったので以下の部分については以下の様にします。

 

追加条件

  • VOOは歴史が浅いので^GSPC(S&P500)で検証します
  • SPXLは疑似データを使います
  • 全て終値ベースで考えます
  • VIX20判定の翌営業日に反映させます
  • 手数料は配当金は考慮しません

 

本当は月毎にチェック日を設けてやった方が良いかなと思っていました。理由として、20前後を行ったり来たりした場合に毎日切り替えるのは現実的ではないためです。手数料も大変かかります。

 

もう一つの理由として、そんなにピンポイントでズバッとそのタイミングで投資できることなんて稀です。夜間起きている仕事をしていたとしても、その時間帯に素早く投資をできるなんてことはなかなか難しいと思います。指値も然り。VIXを見てからSPXLやVOOに投資となると中々できることではないでしょう。そのため、VIXが20切り替え条件にヒットしたら翌営業日に取引を行う形としています。

 

そしてこれは私の持論ですが、1日でもズレただけで投資結果が大幅に変わるような運用方針は精神が崩壊するのであんまりやりたくないかなと思ってます。毎日証券会社からアラートが来るかどうかを気にする毎日、そして来たら来たで、たとえ翌日だったとしても対応を必須とするのは結構しんどいと思います。5~10年それを続けるというのも結構大変です。SPXL指値だったらいいのですが、VIXの結果を見てからSPXLかVOOかを選択するという話になるので確実に人の介入が入ると言う点が注意です。

 

とはいえ、今回はシミュレーションということで、手数料等を考えずに適当にやります。20前後になったら問答無用で毎日切り替えることも辞さない覚悟で行います。キッチリやった場合に結果が良いかどうかを見ておきたいというものです。

 

では今回条件でいただいた「VIX」とは一体なんなんでしょうか?

以下ITMediaサイトより引用させて頂きました。

 

急上昇で話題の恐怖指数、VIXとはなにか? (1/3) - ITmedia ビジネスオンライン

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2003/31/news087.html

VIX指数は、ボラティリティ・インデックスの略で、ボラティリティとは「変動」を意味する。米シカゴのオプション取引所であるCBOEが算出する指標で、米国株価指数S&P500の変動幅を指数化したものだ。

 

超ザックリいうと、「恐怖」を表す数字なんだそうな。高いと人々は恐怖して、低いと安堵しているらしい。

 

では、「VIX」は何時からデータがあるのかというと、「CBOE Volatility Index (^VIX)」というものがYahoo Financeサイトにありまして、1990年1月2日からが開始日となっているようでした。

 

1990年からということで、VOOは歴史が浅いのでS&P500は^GSPCをターゲットとさせていただきます。まぁ似たようなもんでしょう!

 

それじゃ早速見て見ましょうか。VIXが登場した時期から現在までを見て見ましょう。

 

VIXが20前後で切り替えた場合

1990-01-02~2020-06-19の約30年を見ます。

 

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終結

  • SPXL:64.57倍
  • VIX20:58.64倍
  • S&P500:8.61倍

 

終結果は割とどうでも良くて、途中経過が重要だと思いました。2000年までのITバブルでは波に乗れていない所はありますが、この時期はITバブルと言われる時期でありVIXが高くても株高になるという異常だったんじゃないかなと推測できます。

 

これはリーマンショック時の株高に向かう部分(~2008年)でも同じことが言えそうですね。

 

そしてITバブル崩壊およびリーマンショック時の下落を見ると、値動きがマイルドになったことが伺えます。今回の条件を使えば割と予想通りではありますが、暴騰時に波に乗れない代わりに暴落時に大損しない投資方法であるということです。

 

そして2019年頃までの株高時はVIXは割と低い水準だったっぽいので良い具合に伸びたとこういう感じでしょうか。

 

一長一短と言った感じですね。悪くないと思います。

 

ここからは私の感想ですが、SPXLからS&P500に全額一気に買えるのは結構大変かもしれません。数百万~数千万を運用していたら結構辛い。手数料と税金が途中で払い出される点においても注意が必要です。全額全部やることになるわけですから、利益が出ていた時の税金は大変なものになることが予想されます。

 

現金リバランスやTMFとのリバランスなら割合部分だけの売買・切り替えで済みますので税金もその分だけで済みます。その点は注意が必要そうですね。

 

さて、もう少しだけ検証してみましょうか。ズバリITバブル崩壊から1年前ぐらいからの検証です。上記期間はSPXLに非常に有利(※右肩上がり相場スタート)であるため、SPXLに不利な期間を設けてみました。ということで結果はこちら。

 

 

ITバブル崩壊1年前から現在まで

1999-08-31~2020-06-19の約20年を見ます。

 

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終結

  • SPXL:1.97倍
  • VIX20:5.67倍
  • S&P500:2.37倍

 

かなりいい結果になりました。これであれば安定して今回の検証結果を使うのはアリと思われます。大勝は難しいが大きな負けは避けられそうです。但し、本検証時期は「ITバブル」時を除いている、かつ、2010年ぐらいから2020年ぐらいまでVIXが低い、かつ、株高がずっと続いているような状況があったからこそ結果が良い、と言う点を忘れない方がいいでしょう。

 

ともあれ基本的にはS&P500よりはパフォーマンスは優れることになりそうですし、結果としては悪くないのでVIXを参照して投資すると言う案は悪くないなと思いました。

 

私は本ブログの冒頭でお伝えした通り、VIXを監視対象としてからS&P500とSPXLを全額切り替えるというのが精神的に苦しそうなので運用はしないかなと思いました。VIXのパターンとしても、ITバブルの絶頂までVIXは20以上で高値を継続していたもののSPXLは非常に伸びましたし、逆に2010年から2020年までVIXが20以下でも高値を継続していたという2つの歴史があることから、VIXが高くても低くても暴落することは起こるし暴騰することは起こるんだろうなと思った次第です。

 

ようするに「機会損失」のリスクと「大暴落」に対するリスクを取れるような取れないような、微妙なバランスを迫られてるイメージでしょうか。あくまで過去検証データを見た感想しかないのでよく分からないんですけどね。

 

もう一つの懸念は、ITバブル崩壊リーマンショックしか検証期間が無いことでしょうか。可能であればもっと見たい所ですがデータが無いのでやむなし。

 

という所で今回はここまでと致します。

 

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