【償還対策】信用取引で値動き3倍を実現可能か確認します

こんにちは。okometsubuです。

 

ある意味続き物です。前回の記事はこちら。CFDで値動き3倍レバレッジにできないか確認して沈没してます。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

 

うまく出来なかった最大の理由は右肩上がり時に追加投資をする際の「端数」が買えないという問題があったためです。SPXLやTECLの値動き3倍は毎日リバランスをすることで実現しており、

 

  • 当日右肩上がりなら、該当銘柄を「追加購入」する
  • 当日右肩下がりなら、該当銘柄を「少額売却」する

 

ということをやっています。つまり、端数になる可能性が非常に高いのです。個人でこれをやるのは難しいですが、大金を投資している人であれば、CFDならなんとか可能だろうという結論になりました。

 

さて、今回は日本証券の信用取引で3倍値動きが可能かどうかを確認するものとなります。

 

「1547(S&P500)」や「2568(NASDAQ100)」等が該当します。

 

この情報について以前ツイッターで情報を頂いたのですが、私は以下の問題点から実施は結構大変かなあと思っていました。

 

問題となりそうな部分

  • 一般信用買付金利だと3%/年程度の費用がかかる
  • その他1547や2568の管理費も別途かかる
  • 手数料も金額によってはかかる可能性がある
  • 「値動き3倍」を実現するために日次・週次でリバランスする必要があり手間がかかる

 

まず最初に、今回の目的は値動き3倍を実現させる目的をお伝えしなくてはなりません。

 

私は現在SPXL(S&P500)とTECL(XLKだがQQQの代用)という指数の値動き3倍レバレッジETFに投資しています。これらの商品が大幅な値下がりやSECの介入により値動きが1.5倍、もしくは償還されてしまった場合の代替案として考えています。

 

ということで信用取引について調べて見ます。

 

信用取引のコストについて

基本的には長期運用を目的としているため「制度信用取引」ではなく無期限の一般信用買いになりそうと最初思っていました。

 

でも実は制度信用買いで問題ありません。

 

制度信用買いと一般信用買いの違いはGoogle先生にお任せしますが、大雑把にいうと、費用が制度信用買いの方が安いですが、6ヶ月間しか保有することができないというものです。一般信用だと3年から無期限のものまで様々あるので、長期投資するなら一般信用が選択肢になりそうです。

 

が、制度信用で6ヶ月経過しそうな時期に「クロス取引」をすればいいのです。つまり、6ヶ月後に今持っている信用買いを「売埋」、つまり売却します。これは前日の夜にでも仕込めばいいでしょう。寄り成行注文でいいです。

 

で、それと同時に新たな制度信用で同一銘柄を「寄り成行買い」を入れればOKです。こうすることで、「売埋」の価格と今回新規に建てる「買い」注文が全く同じ金額になるため、株価変動によるコストは発生しないことになります。

 

しかも制度信用取引ならば逆日歩でむしろお金が貰えたりする可能性があったりするので買いなら制度信用一択ということになりそうです。手数料も最近の証券会社は無料としているところが多々ありますのでそこも問題ないでしょう。

 

と、長々書きましたが、制度信用買いでも2.5%/年とかかかるので、結構高いです・・・。SPXLは0.95%なので、そう考えると2.5%/年って結構なコストだなと思ってしまうのでした。

 

まぁ、SPXLは0.95%から金利の費用とかも隠れコストでかかるようなので50歩100歩になるのかな。どちらにしても高いことに変わりはありません。

 

そして他のコストとして「1547」や「2568」自身の信託報酬費用も別途かかります。

 

1547は0.165%(税込)で2568は0.275%(税込)とのこと。先ほどの金利よりは安いですが、それでもちょっと辛いですね。というわけで、SPXLやTECLに投資した方が費用の面でもリバランス対応不要という観点から労働力の面でも良さそうということになりました。

 

とはいえ、今回は償還問題対策となるため、次の商品が出るまでのつなぎ、もしくはTQQQ等への投資待ちまでの臨時対象ので、一時的にコストがかさむのはやむを得ないということにします。他の商品が出ないで運用する場合は・・・その時考えます。さて、次が最大の問題点。3倍値動きにする方法を信用取引でできるのかどうかです。

 

信用取引で値動き3倍実現方法検討

さて、本題の「値動き3倍」を実現する方法なのですが、結論から述べますと、概ね不可能となりそうです。

 

前回のCFDの記事で検討した時の考え方そのまんまなのですが、「値動きXX倍」を実現するには、以下の事を行う必要があります。

 

  • 右肩上がりした場合は「追加投資」をして同銘柄を追加購入する
  • 右肩下がり下場合は「一部売却」をして運用を続ける

 

ということを繰り返し毎日行う必要があるということです。

 

毎日と言いましたが、SPXLやTECLはこれを毎日実施しています。別にここは毎週でも毎月でも問題ありませんが、きちんとSPXLやTECLと同じ「値動きXX倍」にしたいなら毎日すべきです。

 

で、大問題なのが最初の「右肩上がり」した場合です。

 

まず大前提として、日本の信用取引は最大約3.6倍を元本に対してレバレッジを効かせることが可能です。本記事ではややこしいので3倍として話を進めます。

 

そこで、仮に以下のような動きをしたとします。

 

指数終値 指数値動き 元本3倍 値動き3倍
100   100 100.0
106 0.060 118 118.0
130 0.226 190 198.1509

 

「元本3倍」の列が今回の信用取引部分で「値動き3倍」がSPXLとお考え下さい。

 

で、初日については「元本3倍」も「値動き3倍」も全く同じ動きですが、翌日の右肩上がり時に差が生まれることが分かります。

 

これについては前回のCFDの記事でもお伝えしましたが、2日目の「118」のスコアになったタイミングで「元本3倍」側は追加投資をしないと「値動き3倍」のスコアに追いつけないことは明白です。

 

ではその「追加投資」分の原資はどこから取るかと言うのが大問題なのです。

 

信用取引の場合は既に最大3倍のレバレッジを元本に効かせた状態からスタートしているため、追加投資するための「現金」が手元になく、更にレバレッジ(借金)をすることが既にできない状態なので、この時点で「値動き3倍」を実現することは不可能ということになったわけです。

 

これがCFDであった場合、例えばGMOクリック証券だとS&P500やNASDAQ100に対して最大10倍のレバレッジが可能であるため、レバレッジ比率を3倍から5倍とかにして借金を増やして翌日を迎えることが可能というわけです。

 

つまり、日本の信用取引で「値動き3倍」を実現するのは多少は可能かもしれませんが、実質不可能と考えて良いでしょう。

 

CFDの場合はNASDAQ100の場合は最低(レバ10倍)でも現状11万円必要であることから、端数を買うにしても額が多すぎて微調整が出来ないのが最大の弱点となります。

 

この点について今回の信用取引対象である「1547」や「2568」であれば、数万円から可能であるため、端数の買付も現実的であったのですが、そもそも借金がこれ以上できないため、「値動き3倍」を実現するのは非常に難しいというお話でした。

 

ギリギリできて「値動き2倍」ぐらいでしょうか。そうだとしても超巨大な右肩上がり相場になったらレバレッジ、借金による追加投資が追いつかなくなることが予想できます。なぜなら信用取引は上限は3倍迄に限られていますので、個人的には日本証券の信用取引で「値動きXX倍」はできないという結論で終わると思いました。

 

CFDはCFDで問題で、最大10倍まで耐えられますが、当然借金だらけになるのでちょっとした暴落が発生したら一瞬でロスカット待ったなしになること請け合いです。非常にリスクが高くなるということです。

 

 

というわけで、前半でコストの話をしましたが、結局信用取引で「値動き3倍」は実装自体が不可能だったので考察しても無意味だったという結論で終わってしまいました。悲しいなぁ・・・。

 

 

 というわけで、色々考えた結果、私の最終結論はこうなりそうです。

 

 

SPXLやTECLが償還しそうな場合の対処方法

  • 私の個人的な意見として「SPXL」は償還問題の対象にはならないと予想しています。これはSECによる介入や、大暴落による問題の2つを回避する意味で割と安全だと思っているためです。
  • 「TQQQ」はSECによる介入は回避可能と思われるが、「ITバブル崩壊」時は99%以上の下落が予想されることから、恐らく暴落による償還は発生する可能性が十分ある
  • そのため、「TECL」や「TQQQ」がSECや大暴落で償還されそうなら、諦めて「SPXL」に資金を償還される日頃に一時的に全額スイッチして、その後のリバウンドは「SPXL」基準で耐える。但しSEC介入の場合はタイミングにより利点になる可能性もあり。もしくは「SOXL」当たりに退避。
  • ただ、「ITバブル崩壊」レベルの暴落時に「SOXL」が生きている保障は無い
  • SPXLでしばらく運用して、改めて「TECL」や「TQQQ」の代替商品がでたらそちらに乗り換える
  • 大前提の「SPXL」が償還や値動き1.5倍問題になったら素直に諦めて他に生きている「値動き3倍商品」に入れるか、全滅ならCFDをそのまま3~5倍元本レバレッジを効かせて適当に過ごす。もしくは信用取引2階建て取引を採用する。

 

ということになりそうです。基本的にCFDや信用取引は私個人としては対象外となりそうだなと思いました。ただ、どうしようもなくなったら、CFDや信用取引レバレッジで運用するかもしれません。

 

が、本当に借金になるのでやはり強制ロスカットしてくれるCFDでやることになりそう。私のようなサラリーマンが追証とか気にして仕事したくないですからね。

 

あぁ、あとやろうと思えば、毎日全く別の金融機関から少額借金をして、右肩下がりしたら銘柄を一部売却して金融機関に借金を返すという自転車操業をすれば実現できますね絶対やりたくない。

  

と言うわけで、今回はここまでと致します。

 

 

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