【リタイア】リタイアシミュレーションプログラムを作ったので遊ぶ(その5_運用22年編)

続き物っぽいやつ。以下前回の記事。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

 

前回までは運用期間30年で測定していましたが、子供がいる場合、22年で大学を卒業できることになります。少し前までの話だと、逆に大学院まで行くと就職が厳しいみたいなのを目にしたことがあります。また、大学生は22歳で卒業だったはずなので、もうそこまで来て大学院に行きたいなら奨学金なり2年間借りて働いて返せって感じでいいんじゃないか?という感じに思ってます。(クソ親)

 

ということで、今回何をやるかっていうと、22年のシミュレーションを行った場合を確認します。22年ということで何度は圧倒的に下がると思いますが、前回までは30年というロングスパンだったので株価も安定していましたが、今回は22年しかない、というのが足かせになる可能性もあります。

 

もう一つ理由はあって、「ITバブル崩壊」から今日まで22~23年目です。なので、22年の期間であれば、ITバブル崩壊1年後から22年間の測定も可能なのでこの年数にしてみました。

 

今回のシミュレーション値

  • 将来円高により株資産は75%減額されていることにします
  • 総資産:1.6億円
  • 現金:生活費14年分を日本円で保有
  • 株 :残りの現金全てS&P500 * 0.75倍 (今よりだいぶ円高になったことを想定)
  • 生活費:5,448,000円 ( 約545万円 / 年 )
  • 生活費は使い切って後は補充しません。そのための14年分と長い期間持っています
  • 株価がxx倍になったらその年は株から生活費を消費し、その日の株価を記録して次回xx倍になるまでは現金から生活費を支払います
  • 配当金は考慮無しなので、少し厳しめに採点してる形になります(※逆に言えばこれで耐えられれば余裕でリタイア可能っぽそう)

 

運用期間22年物のチャート

 

 

ITバブル崩壊+リーマンショック部分については問題なさそうですが、1954年辺りが若干怪しいです。ちょっと困った結果になりました。

 

というのも、30年物のチャートの場合、5000万円のラインをギリギリ触れるかどうか?という地点はほぼありませんでした。以下30年運用期間のチャート。

 

運用期間30年物のチャート

 

1倍、つまり、前回株を売却した際の高値と同じ地点だったら次回も売る、というものだけが5000万円のラインにヒットしていましたが、22年運用だと1倍以外のチャートも結構近しい動きになっていることが分かります。若干ピンチ。

 

結局30年運用の場合でも、5000万円にヒットしたことを尻目に耐え忍んで株価が復活するのを祈る日々をやるんだけどね。22年という途中結果を表示したにすぎません。

 

そしてどちらのケースにおいても、1倍でちょこちょこ株を売却して心の安寧を得ようとすると、結局自分の首を絞めるのは一緒。やるなら、14年生活費を持ってリタイアしたのだから、諦めてアクセル全開でぶっ通すしかないわけです。

 

こうなってくると、総資産は1.7億円あったほうがいいかもしれません。ともあれ、ちょっと拡大してみてみましょう。

 

運用期間22年物のチャート

ベトナム戦争周辺チャート確認

1955-09-19ぐらいをズームアップしてみます。

 

 

あー、いやいや、何とかなりそうかも。ズームアップしたら割と余裕がある。

 

1倍売りでちょくちょく株を売ってしまう場合だと逆に自分の首を絞めていますが、前回売ってから1.4倍の株価になってから売るケースだと最悪でも7000万円残って22年後フィニッシュをむかえられそうです。

 

35歳で22年後だと57歳。残り8年で65歳。老後に入れます。その8年の生活費から教育費や子供の食費諸々抜けたり、抜けなかったとしても、一緒に暮らす以上生活費を入れてもらう形にすれば教育費を外す分も考えて結構楽に過ごせるはず。

 

2000万円 ÷ 8年 ÷ 12ヵ月 = 20.8万円/月

 

となる。いやー、ちょっと苦しいか・・・?

最悪、月5万円のバイトを8年間すればいきのびることはできる、と言う感じか。

 

さて、最も苦しい時期の日をピックアップしてみましょう。

 

1960-08-12からの22年(14年連続売りチャート)

14年連続売りチャートで最も苦しい時期をピックアップしました

 

 

割とヨコヨコ展開が多いので、超絶苦しいって感じではないですが、1974年辺りの7000万円を切るあたりはけっこうつらいです。1974年なので、ちょうど現金が尽きた14年後に底と言う感じです。精神的にかなり苦しい時期になるのは明白でしょう。そういう未来もある、ということを常に考えておかないと精神が崩壊する危険性もあるかもしれません。

 

ともあれ、この結果はかなり最悪の結果を想定しているので、このパターンで被弾する可能性はかなり低い。95%は安心みたいな。5%被弾したらさすがに運が悪かったと諦めるか、リタイア開始時を少し遅らせて1.7億円スタートにすれば恐らく余裕で達成として良いだろう。

 

まぁ、このシリーズのシミュレーションはだいぶきつめに設定しているつもりです。

 

きつめの設定理由

  • 国民健康保険を毎月7.5万円ぐらいにきつく設定している
  • 配当金について考慮していないため別途生活費の足しになるはず(GSPCのS&P500チャートなので配当金は考慮されていないはず)

 

国民健康保険は株式の譲渡所得、つまり利益の場合は確定申告しなければ反映されないので滅茶苦茶安くなるはずです。※税金のことなので詳しいことは割愛。

 

が、これはあくまで私の場合の話ですが、株式だけじゃなくてビットコインも持とうかなぁとか思ってまして、それの売却益は雑所得なので一気に国民健康保険が跳ね上がると。じゃあもう面倒だから30年間、その分考慮してしまおうかなという感じでやってます。

 

配当金についても全く考慮していません。が、今回ターゲットとしているGSPC(S&P500)なのですが、これって配当金考慮されてるんでしょうか?

 

ちょっと気になったので、GSPC(S&P500)とIVVを軽く比較してみます。ほぼ同じだったら、配当金貰えるはずです。IVVは貰えるので。

 

(余談)IVV VS GSPC(S&P500)

IVVもGSPCもS&P500です。で、IVVは少ないながら配当金がでるので、それを考えればOK。

結果はほぼ完全一致と言っていいでしょう。なら、IVVの配当金は貰えると考えていいでしょう。やったぜ。

 

ということで、このシミュレーションは配当金を貰えない想定で進めていますので、だいぶ緩めに設定されています。

 

今後何が起こるか分からないためそのリスク分として考えるとギリギリかもしれませんが、人生何が起こるか分かりませんから、もうどうしようもないと言えるんじゃないかな。そこまできたら。ある程度キツメに設定していても、どうしようもない事故とか病気になったら、普通に暮らしててもどうしようもないのだから。

 

さて、今回は22年編なので、「ITバブル崩壊リーマンショック」側のチャートで最もキツイ時期の詳細も見ておきましょう。

 

ITバブル崩壊周辺22年チャート確認

1996年ぐらいからズームアップしてみます。

 

1倍売りは相変わらず成績が悪いです。やはりこの結果を見る限り、少なくとも株価が1.4倍以上になった場合に限り、株式から生活費を消費した方が効率が良さそうです。

 

最も怖いのが1998-03-24のデータ。1倍売りで6700万円の残高になるという最もきびしいデータが出ています。22年後に6700万円しか残らないのはけっこう恐怖ポイントかなと言う感じもしますね。1.4倍売り以上だと7800万円キープできているので安心ではありますが。

 

ということで、この日だけ切り取って更に重点的に見てみます。データとしては、14年連続売りの結果と、1倍売りの比較だけすればいいかな。

 

 

1998-03-24からの22年間の詳細(14年連続売りチャート)

 

なるほど。1998年3月24日が最も悪いのは、最後の最後で「コロナショック」までガチで食らったからでした。なるほど。こうなると「3大大暴落」をモロに食らったチャートと言うわけです。ITバブル崩壊リーマンショック+コロナショック。凄い!

 

そんな最悪な状況でも、21年目の直前は1.2億円たまってるので、そこで人生の終わりぐらいが見えたら株式を安全資産にスイッチングしても誰も文句は言わないと思います。結果として、もう少し持っておけば超絶余裕で株価は復活するのですが、それこそ読めませんしね。

 

さて、このチャートで最も注目すべきポイントは2010年ぐらいでALL(総資産)が6000万円を割ったあたりでしょうか。つまり、リーマンショックによる底の数値です。1998年からなので、約12年後でしょうか。12年後に6000万円しか手元に資産が無いことになりますので、非常に心苦しい生活が待っていることでしょう。

 

このチャートの問題点は、初年度は株価が安定しているため2年後ぐらいまで資産が増えているという点です。2000年3月までは順調に資産が伸びています。

 

リタイア資産形成後に2年仕事をしたけど、株価も安定してるし、仕事辞めちゃおっと!

 

となった瞬間、2大大暴落が襲ってくるのです。これはたまったものではありません。

 

そうなると、精神面を考えるなら、「1.6億円貯めた後、4年間仕事をする」という選択肢も浮上しますが、そうすると今度は4年後にバブル崩壊を食らうので、怖くて逆に仕事を辞められない可能性がでてきます。それはそれで、人生安心して過ごせるとおもいますが、なかなか難しい問題です。だったら最初からもっと資産持っておけよ!って話になりかねませんので、大暴落を見ながらリタイアする、という心の力強さも必要でしょう。

 

念のため、1倍になったら売るケースも観ましょうか。

 

1998-03-24からの22年(1倍売りケース)

 

前回生活費を支払うタイミングの株価に戻ったら株を売るチャートです。genkin(日本円)の減り具合が14年連続に比べて伸びており、22年後まで手元に現金があることが伺えます。

 

こちらのケースは株価が戻ったら生活費を株から捻出しているため、2009年の最も成績が悪い日には6000万円を超えることができていますが、その後の株価の復活時期でパフォーマンスを延ばすことができていません。

 

面白いのが最後のコロナショックを食らった日の大底ですが、現金のプールはまだ1000万円以上残っているにも関わらず、14年連続売りをしているよりも結果が悪いということです。現金が多いイコール、株投資の資産がその分少ないということは、コロナショックのダメージが少ないはずなのに、14年連続売りして株100%ポートフォリオよりも弱いのです。

 

ようするに、バブル崩壊はバブルが無いと発生しないということです。そのバブルを株100%で得ているなら崩壊しても実際の所、ダメージが少なくなるっていうやつです。30年株を持っていたらリスクにマイナスは無い、という奴。

 

 

 

ということで、私自身のシミュレーションが完了しました。また、生活費、株と現金の比率、14年連続売り等の条件を一致させることで、本記事のチャートをそのまま使えると思いますので参考程度にはなるかもしれません。

 

結局、過去の出来事をまとめただけのものですが、そもそもインデックス投資をする前提が、「必ず右肩上がりすると信じている」「過去200年右肩上がりだから今後も何かあっても戻るだろう」という過去の根拠があるからこそ、投資できるものと思うので、皆投資するマインドみたいなのは一緒でしょう。多分。

 

過去チャートを元にしたシミュレーションまとめ

  • 円高対策として、現金は7年だけ持つのではなく、最初から生活費の13~14年分保持しておく
  • 可能であれば、初年度から生活費を現金でずっと支払っていく。怖かったら、株価がリタイア日から1.4倍以上になったら売ってその年の生活費にする。なお、売った日の株価が指標になるので、その価格 * 1.4倍以上、という形になる点留意。
  • 生活費の現金を全部使い終わったら、株を売って生活する。13~14年という運用益により、仮にここから円高になっても耐えて欲しい。そもそも本シミュレーションは株式側を75%減らした上でシミュレーションしてるのでさすがに耐えて欲しい。
  • 22年後や30年後の結果だけ見たらリタイアできると思うが、その道中でかなり深刻に資産が減る時期があることを忘れてはならない!

 

以上終わり!!!

 

特に最後は重要だと思います。シミュレーション自体で言えば連続22年、30年運用していれば問題なくリタイア達成額になりますが、その時期は株式100%のポートフォリオであるとともに、14年目とか道中の大暴落で資産が大きく減っている時期が来るかもしれない、ということを念頭に置きつつ、株を売らない心構えと、最悪バイトして精神を紛らわす必要性がある、ということを覚えておきましょう。

 

まぁ、生活費14年分を確保した上で対応しますし、本シミュレーションは株式75%減でスタートしてるので、もうこれ以上は甘えるなって感じではあります。道中大暴落しても株を売らないように頑張れ。超がんばれ。

 

更に怖いのが、今回のシミュレーションターゲットはS&P500なので、全世界株を軸にした場合パフォーマンスが下がると思います。とはいえ、将来もそうなっている可能性も無いので一概には言えませんが、その点注意した方がいいでしょう。

 

ぶっちゃけると、私は株式の他にビットコインも持つ予定なので、実はこんなにシミュレーションをキッチリし手も仕方が無かったりする。とはいえ、リタイアする「目安」が明らかに分かったので、その目安でリタイア達成した時と同じようなポートフォリオを作成して、仕事を1,2年様子見で継続、そこで得た利益は追加投資として次の暴落まで待つ or 生活費で安定を得る、見たいにすると思います。

 

そのための「目安」が分かったのでヨシとしましょう。私の場合は、総資産1.6億円、生活費14年は日本円にガッツリ切り替え、後は全世界株式、先進国株式、ビットコインと言う感じで買っていくことになるでしょう。ビットコイン、本当はもっと持ちたいんだけどねぇ。家族持ちじゃなかったら株の部分80%ぐらいビットコインにしてたかもしれないけど、さすがにやれない。株で十分リタイア生活できるってシミュレーションしてるんだから。

 

※以下続きです。

okometsubulog.hatenablog.com