【リタイア】リタイアシミュレーションプログラムを作ったので遊ぶ(その4_途中売却編)

続き物っぽい何か。以下過去記事。今回は株を売却するタイミングについて検討します。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

 

 

前回のあらすじ

  • 生活費14年持って後は全部株式に全部突っ込め
  • 株価に関係なく生活費14年を手元の現金から使い切って、残りの人生、生活費を株式から売却するとかなり有利(※但し世界恐慌は除くというか何やっても終わりな時期なのでどうでもいい)

 

というものでした。つまり、生活費14年の日本円を持ちさえすれば、株を売るタイミングとか全く気にする必要が無い、ということです。

 

以下がその結果。株が前回生活費を切り崩すタイミングと同じ価格以上になったものと、最初から生活費14年を消費した株式投資をずっと行った後に株を売る場合の比較です。

 

 

1960年前後の株式停滞期にリタイアしても、ITバブル崩壊した後にリタイアしても、14年間生活費をとにかく使ってから投資した方が安全であるとともに、パフォーマンスもそのほとんどが良いことが分かりました。

 

上記のチャートの見方は、指定日から開始した、30年後の総資産を記載していますので、どの日、どの位置で初めても株式を都度売るよりも初手14年間現金から生活費を払う方が、逆に安全だったということになります。

 

結局、日本円で持っているだけでもリスクは生じていて現金の価値は年々下がっていくのは確定路線です。そして株はその逆に右肩上がりはほぼ確定路線と。なのでさっさとどうしようもない現金を消費しちゃった方が効率が良いという感じ。

 

ただ、14年分の生活費は持っておかないと、リタイア直後に「ITバブル崩壊リーマンショック」のような、2つ連続した大暴落が来た時に耐えられないのでこうしてます。7年程度だと逆に耐えられない時期があったので安全を見て14年は正義と思う。

 

リタイア直後に大暴落が来なかったとしても、大暴落というものは手前にバブルが必ず発生しているもの(※過去200年見る限り)なので、その値上がり分を享受した上で戦えるので問題にはならないかなと。それが上記チャートで示しています。

 

話が長くなりました。

 

ここまでが前回の話。

 

ということで、今回は別のアプローチとして、

 

前回生活費を切り崩した株価がxx倍になったら株を切り崩す

 

というものをやってみたいと思います。だって14年間黙々と現金が減っていって、株を売らずにリスクばかり増えていくのって怖いじゃないですか。まぁ、30年中14年も資産があるので十分すぎると思うのですが、気持ち的に怖い。いや14年で耐えられなかったら世界恐慌まっしぐらな世の中なので皆氏んでるからいいんだけども。一応ね。一応シミュレーションはしておきたい。

 

なので、株式を都度売却するためその後の運用益を捨てる形になります。「xx倍」をいじって、ある程度価格が高騰したら安心のため売るっていう形なので、そこまで影響はでないんじゃないかなぁとも思う。

 

ということで、株価1.2倍~2倍の幅でやってみたいと思います。チャートがゴチャゴチャするはずなので、0.2倍刻みで。

 

今回のシミュレーション値

  • 将来円高により株資産は75%減額されていることにします
  • 総資産:1.6億円
  • 現金:生活費14年分を日本円で保有
  • 株 :残りの現金全てS&P500 * 0.75倍 (今よりだいぶ円高になったことを想定)
  • 生活費:5,448,000円 ( 約545万円 / 年 )
  • 生活費は使い切って後は補充しません。そのための14年分と長い期間持っています
  • 株価がxx倍になったらその年は株から生活費を消費し、その日の株価を記録して次回xx倍になるまでは現金から生活費を支払います
  • 配当金は考慮無しなので、少し厳しめに採点してる形になります(※逆に言えばこれで耐えられれば余裕でリタイア可能っぽそう)

 

後はこの「xx倍」を適当にシミュレータに突っ込んで結果が良いとこだけもらう感じで。

 

ということでこんな感じになりました。

 

株価がxx倍になったら売った場合

 

 

ぐちゃぐちゃして見辛いですが、すぐわかるのは、株をすぐに売るのは非常にもったいない、と言うことです。

 

特に1倍、前回売却した値になったらすぐに株を売って生活費にするという行動が非常に、非常にパフォーマンスが悪いです。

 

一件、株価が安定してから売ってるので安全に見えそうですが、そもそもアーリーリタイアには運用が不可欠。その運用の種である株式資金を何度も抜くという行為は逆に自身を危ぶませる行為であるということだと分かりました。

 

ITバブル崩壊の大暴落付近や、ベトナム戦争周辺の停滞期も同様ですね。ようするに、大暴落が終わってまさに復活するタイミングで資産を売却する回数を増やすのはもったいないよってことか。

 

結局一番成績が良さそうなのは株価が2倍になったら売却する、というものでありますが、2倍になることはほとんどないだろうことから、恐らく14年間連続して生活費を現金で売ったケースとそう大差は無いんだろうなという感覚が残りました。

 

ともあれ、注目すべきは暴落があるタイミングでしょうか。特に成績の悪い時期をズームアップしてみます。

 

ベトナム戦争周辺チャート確認

1955-09-19ぐらいを見てみます。一番下が5000万円ラインにしてます。

 

 

すこし見辛いですが、最も結果が悪そうな位置を見ても、「株価が2倍」になったタイミングで売る、というのが最もパフォーマンスが良かったことが分かります。

 

ただ、チャートの後半部分で2倍の方が結果が悪い箇所も多少見受けられます。が、その時点では総資産は1.2億円前後の位置にいるため特に問題にもなりません。

 

だったら1.2倍程度になったら売りたいなぁ~って気持ちもあったのですが、これもパフォーマンスが悪いです。精神的な安定を得たいなら、1.4倍ぐらいからなら、まぁやってもいいかなぁという感じでしょうか。難しい部分ではあります。

 

最も安定しそうなのは1.8倍になりそうです。2倍の次に成績が良く、後半の凹んでる部分も1.8倍なら成績も素晴らしい。2倍だと1倍に次いでブービーだったりしますが1.8倍はいいですね。

 

ということで、この時期は株価が1.8倍になったら株式から生活費に割り当てる、ということを心がければ良いことが分かりました。1年だけでも生活費を使えるタイミングがくる、というのは心理的に嬉しいと思う。

 

では次の大問題ポイント。ITバブル崩壊周辺を見ましょう。

 

ITバブル崩壊周辺チャート確認

1995-01-03ぐらいを見てみます。バブルへ向かう時期から2000年の崩壊へ向かうチャートです。

 

 

ざっと見ても、1倍、1.2倍の成績の悪さが目立ちます。もう少しズームアップしましょう。

 



ここまでくると50歩100歩の世界ですが、1倍は絶対やっちゃダメってことだけは分かりました。

 

前回生活費売ったタイミングと同じ株価になったから売っちゃおう・・・

 

そういう心の弱い人から真っ先に食われる、それがチャートに表されています。

 

この区間だけを見ても、2倍が最もパフォーマンスが良く、2000年の暴落後からリタイアした場合も2倍が一番いいです。次点は1.8倍でしょうか。もうあんまり変わらないですね。だったら、ベトナム戦争周辺や、自身の心理状況を考えると「1.8倍」がベストアンサーな気がしました。

 

ともあれ、株価が等倍になったらさっさと売る、というのは最もパフォーマンスが悪いので絶対に日和ってはいけない、ということを教えられました。

 

14年の生活資金もあるんだから、それで耐え抜いて、後は株式を信じて行動するしかありません。

 

結局、株式が前回の1.8倍、2倍になるってことはつまり、仮にITバブル崩壊からリタイアを開始した2000年から2017年まで暴落局面を待つことになるのです。途中で売ろうと思おうが思わざるが。

 

等倍に戻るまで待てるぐらいの胆力があるなら、1.8倍まで待ってもバチは当たらないでしょうって話。辛いけどね。辛いけど。

 

とはいえ、もはや誤差の範囲なので、1.4倍で生活資金を売り始めても文句はないでしょう。あのITバブル崩壊リーマンショックです。1.4倍になったら売ろう・・・そう思っても全く問題ないわけです。

 

では最後に、2倍の結果と、生活費を14年分さっさと放出しちゃうチャートで比較して終わります。結局株価2倍はやり過ぎで、ほぼ売れないんじゃないか?って思ってるので、同じになるはず。

 

2倍になったら売却派 VS 現金はいち早く消費派

 

ほぼ変わらんですね。そりゃそうか。だって株価が2倍になるなんて、人生でそう何度もあってたまらないですからね。誤差はありますが、超高値になるまで年月必要と思うので、株を売った後30年目到達、みたいになってるんだろうな。

 

ともあれ、気軽に株式を売らないほうが、むしろ大暴落に強い、と言うことが分かったので逆に不安になりました。結局14年後はノーブレーキでいけ、と。そうか。リスクを取らないと、逆に生き残れないのか。10億円ください。

 

まとめ

  • 14年の生活費を持っている場合、大暴落から復活した(1倍)からといってすぐに生活資金で株の資産を使ってはならない。
  • それでも復活しなかったら世界恐慌なので諦めてください
  • 怖かったら、前回株式を売ったタイミングの1.4倍ぐらいになるまで待てば大体大丈夫。待てれば1.6倍、1.8倍辺りがオススメ。個人的に1.8倍。
  • パフォーマンスは2倍 or 全く売らないで14年連続現金消費が最もパフォーマンスが良いので心臓に毛が生えてるならそれで。
  • 上の全部できない!っていうんだったら、余生までの現金を貯めてからリタイアしろ!!!!

 

ということで、だいぶ形になってきました。1.6億円でリタイアできそうなので純粋に嬉しく思っておきます。まぁ、リタイア直後にまさか、大暴落+円高が突然訪れなければそこまで考えなくても余裕でリタイアできるからヘーキヘーキ!!!

 

さて、次回ですが、今まで30年のシミュレーションを行ってきましたが、子供が巣立つまでの22年間を測定するのもした方がいいかなと思ってそれを地かいやります。22年後は教育費や、もしかしたら自立して家からいなくなるかもなので、生活費も浮くため難易度が一気に下がると思うため。

 

ということで、今回はここまで。

※以下続きです。

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