まだリタイアシミュレーションしていく。以下前回の記事。
前回までのあらすじ
- 過去200年を見ても暴落は長くとも7~10年で完了する(※但し世界恐慌は除く)
- なので生活費を14年分、日本円にした上でその資産で14年耐える。他の資産は全部S&P500にすると良い感じになる。ポイントはどのような状況であれ、14年連続で日本円を先に消費してから株式を売るということ。
- 私の場合は1.6億円(税金考慮済み)が手元にあれば何とかなりそうという感じになった
と言う感じです。14年分は円高/円安効果を受けないために設定しています。株:債券だとどうしても債券はドル建てで見ることになるため仮に円高がきたら終わりますし、ヘッジを利かせた商品を買うとかなりの手数料がかかるため現実的ではなさそうだったためです。以下過去記事。
さて、今回はというと、日本円14年分確保するのは円高リスクに備えても良いと思ってはいますが、単純な過去シミュレーションとして、リタイア時に保有する現金はどのぐらいが良いのかを改めて確認してみたいと思いました。
ということで、7年分、9年分、11年分を対象に加えました。
7年分は最低限持つこととします。理由はお伝えした通り、大暴落は大体7年で復活するためという背景があります。
それぞれ同じように、とにかく現金を生活費で消費しきってから、株式側を売却する形とします。
7年だと少ないんじゃないか?と考えられ、7年後に暴落が来たらどすうるんだ!ということが頭をよぎりますが、それはそれで、7年分のバブルを享受できているわけだから問題ないだろう、というのが過去シミュレーションで明らかにした答えです(※但し世界恐慌は除く)
ということで、うだうだ言ってないでシミュレーション回しましょう。
今回のシミュレーション値
- 将来円高により株資産は75%減額されていることにします
- 総資産:1.6億円
- 現金:生活費xx年分を日本円で保有
- 株 :残りの現金全てS&P500 * 0.75倍 (今よりだいぶ円高になったことを想定)
- 生活費:5,448,000円 ( 約545万円 / 年 )
- 生活費は現金を先に使い切って後は補充しません。
- 配当金は考慮無しなので、少し厳しめに採点してる形になります(※逆に言えばこれで耐えられれば余裕でリタイア可能っぽそう)
- 株式の譲渡所得に対する税金を一律30.315%にしました
株式も一旦円高リスク考慮で75%減額した形で。正直円安リスクで物価高を考慮して円側も75%減とかやった方が良いかもですが、さすがにそこまでは良いかなと。日本円を14年間保有した場合でも株式の方がポートフォリオが大きくなる設定なので、大きい側にリスクを取らせればいいよなと。
ついでと言っては何ですが、株式の譲渡所得に対する税金も一律30.315%で考えるようにしました。どうせすぐそうなるはずなので、20.315%を考慮してリタイア入ったら不味いよな?という雰囲気ありますので。
ということで、上記の条件で回してみました。シミュレーションをする前の予想としましては、
- 現金が少ない方が結果が良い時は良い、悪い時は悪いと推測
- 14年連続が一番パフォーマンスが悪いが、最悪期では一番いい成績になる
と予想しています。
■生活費xx年確保リタイア~30年後の最終結果集合体チャート
リーマンショック+ITバブル崩壊が関連する2000年前後からの30年(※実際は2023年9月までの20年ぐらい)をみるに、7年しか生活費を保持していないチャートが最も悪く、14年生活費を保持していた方が成績が良くなりました。
また、バブル期を体感できいる1979年とかみると、まさに株が絶好調なため7年しか現金を持っていない側が強い時期であることが伺えます。株式を75%に減らしたうえでもこれだけ強いんだから、やっぱ株って偉大だなって思う。リタイア後にそこまでのパフォーマンスは求めていないので14年分の生活費で十分と思っていました。
と思いきや、ベトナム戦争付近の1950~1970年からの30年間の結果を見ると、なんと14年生活費を保持した状態が最も成績が悪くなっています。
もう少しズームアップしてみましょう。
ベトナム戦争周辺チャート確認
1955-09-19ぐらいをズームアップしてみます。
1955年頃は成績が悪いですが、14年間生活費を持っていた方が結果が悪くなっていました。これは1955年から30年間の株価を見た方が早いかもしれません。S&P500(GSPC)のチャートを軽く見てみましょう。背景橙色部分が1955年からスタートした30年間部分です。
要するに、この期間は大暴落は無かったが、株価があまりにもパッとしなかった時期であったということです。ただし、30年もあるので一応右肩上がりではあると。
そういう状況であるため、やはり生活費が14年分もあったらその恩恵を得られなかったということで14年生活費を持っていたチャートが結果的に悪くなりました。
ただ、成績自体は最低でも8000万円のこっているので、やはり大暴落を懸念するならパフォーマンスが多少悪くとも、14年ぐらいは持っておいても良いかなと思った次第。
次点で生活費11年物もいいんじゃないでしょうか。生活費10~14年ぐらいで考えてもいいかもしれません。
そう考えると、現金14年の内、4年分はTLTとか疑似RPAR1.5倍レバレッジとかの比較的安定運用先に「現金枠」として放り込んでおくのも面白いと思った次第。
それを考えるには、「ITバブル崩壊+リーマンショック」の2大暴落を避けては通れません。30年の運用状況は見れませんが、一応観ておきます。
ITバブル崩壊+リーマンショック周辺チャート確認
1996-01-03ぐらいから見てみます。バブルへ向かう時期から2000年の崩壊へ向かうチャートです。
2000年が最も悪い時期になりますので、30年ではなく23年経過して5000万円を割っているのが7年の生活費しか持っていなかった緑線となります。これはもう当然で、ITバブル崩壊+リーマンショック復活まで14年ぐらい必要でしたからね。そのための14年の生活費だったのですから。
ただ、結果を見るに、生活費11年確保のチャートも十分問題なさそうです。世界恐慌を視野に入れるなら生活費30年は欲しい所ですが、それを考慮しないなら11年でも十分でしょう。9年だとちょっと怪しいので、その間、10~14年ぐらいが手の打ちどころさんかなと感覚思ってます。
最後にオマケとして、上記の結果はあくまで30年後の総資産を提示していますが、最後には株100%の結果となります(※最初のxx年連続で現金を消費して生活費にしてるため)。
なので、最後の最後に株を全部売却したらどうなるかのチャートも載せておきます。利確時の税金は同様に30.315%で。
最後に株を全部売った30年後チャート
最後に株を全部売った30年後チャート(ベトナム戦争周辺)
やっぱ30.315%の税金は辛いね。ただ、これを見るに、14年現金を持っていた場合との差が逆に少なくなったので、無理して7年の現金だけ持つというリスクを負う必要はないかなと思いました。株の利益が多いほど税金沢山取られるからね。今20.315%なのでリタイアする際、株で達成しようとしてるなら、30.315%になるまでに利確して生活費に回しておくのもアリかなってちょっと思った。
最後に株を全部売った30年後チャート(ITバブル崩壊周辺)
7年しか保有していない場合、大幅に5000万円を割ってしまいました。これでは老後が非常に不安です。ITバブル崩壊+リーマンショックを考えるなら、14年、少なくとも10年の生活費は日本円にしてからリタイアしたいですね。
まとめ
- 円高リスクを軽く見るなら、現金14年ではなく、10~14年ぐらいでも十分強いことが分かった
- 生活費を7年しか保有しないのはITバブル崩壊+リーマンショックが起こったら終わるのでハイリスクハイリターンになりがち。リタイア後にそこまで求める必要性は感じられない(※本シミュレーションは生活費を補充しないことを前提として進めていますので、補充される場合はその限りではない)
結局株はつえぇなってこと。ITバブル崩壊+リーマンショックを見るに、生活費11年の結果でも十分戦えそうなので、私は現金10年、4年を1.5倍RPARで戦うことになりそうです。以下1.5倍RPARの過去記事。過去記事ではビットコインをポートフォリオに含めていますが、私は株式の他にリスク資産にビットコインを多少含める予定なので、ここのRPARの中には含めないと思う。
今回の結果より、税金30%になっても1.6億円達成で十分リタイアだよなぁと思いました。とはいえ、割とギリギリになる可能性もあることも想定されるので、安全をみて1.7~1.8億円(税込み)になったらリタイアになるのが現実的かなぁと思ってしまうのでした。
※以下続きです