RSIを用いたリバランスタイミングを検証します_その3(SPXL_TMFリバランス編)

こんにちは。okometsubuです。

 

続編物ですが、別にどの回から見ても問題ない(はず)なシリーズ第3回目です。投資先のリバランス時期を時間軸ではなくRSIの結果で決めてみようのコーナーです。

 

以下過去記事。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

今回はSPXL:TMFを60:40でリバランスしている人向けの記事となります。割とSPXLとTMFをリバランスする人が多いと思っていますので、参考になるんじゃないかなと期待しています。

 

 

 

検証条件

  • RSIがxx以上、かつ、株式側の株価が当初の割合より上ならリバランス
  • RSIがyy以下、かつ、株式側の株価が当初の割合より下ならリバランス
  • RSIは一般的な14日平均を使用します
  • 一度リバランスしたら22営業日はリバランスしない
  • 「xx」や「yy」のRSIの値は適当に決めます。
  • リバランス日は「翌営業日の終値」とします
  • これに対して「毎月リバランス」を実施した場合と比較します
  • 手数料や税金は考慮しません

 

ようするに、月次で何も考えずにリバランスする場合と比較して、RSIを見ながらやった方が勝率は高いんじゃないか?という検証記事です。

 

 

詳細は先ほどの過去記事である「その1」辺りを見てください。

 

で、今回はSPXL編ということで、前回より長期間でデータを取ることが出来ますが、疑似TMFが1986年からしかないので、今回もその期間からスタートです。

 

今回はRSIの良し悪しを決める検証であるため、疑似SPXLやTMFを使いますが、今現在リアルにSPXL:TMF使っている人でも使える気はしています。TMFが過去と同様、素晴らしい結果を残してくれるという条件付ではありますが・・・。債券今後どうなるんでしょうね。未知数過ぎて今からTMFガッツリはちょっと怖くなっています。

 

 

話が脱線しました。では早速始めてしまいましょうか。

 

因みにRSIの指標は「^GSPC」です。IVVやVOOとは若干の誤差が生じる点はご留意ください。※RSIは指標開始時からの累積の値となるため登場時期により若干異なる値になるため

 

 

SPXL60:TMF40リバランス(RSI80以上20以下)

RSI80_20のパターンです。参考までに今回のみRSIリバランスしたタイミングに緑線を引いてます。毎月リバランスと、参考までにリバなしで70%SPXLに投資しただけのグラフも載せます。

 

1986-05-19~2020-06-23の約34年間の結果となります。

 

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終結

  • RSIリバランス:147.3倍
  • 毎月リバランス:293.9倍
  • リバランス無し:100.7倍
  • RSIリバランス回数:16回

 

TQQQ:TMFとは打って変わって、RSI80_20では結果が振るいませんでした。リバランス回数は16回。27回のTQQQ:TMFと比べて非常に大人しい結果となりました。

 

これからの検証で明らかになるとは思いますが、SPXLはTQQQに比べて「ボラ」が低いため、RSIの設定値を80_20等ではなく、70_30ぐらいにした方が有効に機能する可能性があるのかなと、直感で思っています。

 

70_30。これぞまさしくRSIの基本の考え方である、70になったら割高で、30になったら格安、という売買タイミングの通りになるかもしれないし、ならないかもしれない。ともかく、今回のSPXL:TMFではRSI80_20はうまく機能しない率が高そうです。

 

では早速検証開始です。いつもならRSI80で固定にしていますが、この結果から上限をRSI70をベースにしてみます。

 

 

SPXL60:TMF40リバランス(RSI70以上20~40以下)

1986-05-19~2020-06-23の約34年間の結果となります。

 

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終結

  • RSI70_40:246.5倍
  • RSI70_35:275.3
  • RSI70_30:311.8
  • RSI70_25:246.0倍
  • RSI70_20:296.5倍
  • 毎月リバランス:293.9(※グラフ表示なし)

 

対数グラフです。正直重なってよく分かりませんので最終結果だけ見て満足してください。

 

個人的に面白い結果になりました。まさに検証前の予想通り、「RSI70_30」が勝利をおさめたのです!

 

いやー、こういう風に検証前と後で予想して当たると嬉しいですねぇ!上限部分は本当に70かは分かりませんが、ともあれ下限は30であることが分かりました。

 

つまり、「ボラ」が低いSPXLであるならば、30で十分と言う仮説は正しいかもしれません。また面白い結果としては、どの選択をしたとしても、ほぼ横並びで推移したということです。RS20は大暴落時に強かったため最下位は免れましたが、25は大暴落時にSPXLを買い付けてしまったため残念ながら最下位です。

 

そう考えると、大暴落時も30で買い増しを行い、「ボラ」の低さ(※TQQQと比べてですが)から、ガンガン買いに行っても悪くは無い、と言った具合でしょうか。

 

「毎月リバランス」もいい成績です。中庸的なスコアを叩きだしていることが分かります。「ボラ」がそこそこならば、「毎月リバランス」は非常に安定しそうだということです。「毎月リバランス」は「ボラ」が激しすぎると安定感に欠けるが、「ボラ」が中庸的であれば「毎月リバランス」も中庸的であると言う結論になりそうです。

 

おっと、まだ結論を急ぐ必要はありません。

 

今回は「TMF」というノイズが入っているので、真にRSIの実力を見るなら次回の「SPXL:現金」リバランスで判明すると勝手に思っています。なので今回が70:30でも次回の現金リバランス回では結果が異なることも十二分にあります。

 

ということで、話を戻して次は上限部分についてを変動させてみます。下限は結果の良かった30を固定とします。

 

SPXL60:TMF40リバランス(RSI60~80以上30以下)

1986-05-19~2020-06-23の約34年間の結果となります。

 

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終結

  • RSI85_30:148.7倍
  • RSI80_30:251.0倍
  • RSI75_30:284.9倍
  • RSI70_30:311.8倍
  • RSI65_30:291.6倍
  • RSI60_30:269.1倍
  • 毎月リバランス:293.9(※グラフ表示なし)

 

対数グラフです。

 

予想通りの結果になって割とホッコリしています。「RSI70_30」が最強ということだな!!!

 

RSIの70_30の真理が見えた気がしました。つまりこれはS&P500や、恐らくダウ平均等の一般的な銘柄に対して有効であり、「ボラ」が激しい銘柄ではその指標となる70,30という数値を変えていかないと有効に使えない可能性があることを本記事のシリーズで分かったかもしれません。

 

いやー、これは革命ですよ。テクニカルチャートの真意まで見抜いちゃうなんて、並の投資家を凌駕しちゃったかな。あれ、僕また何かやっちゃいました???

 

結果がそうなっただけですがイキっていきます。イキれる内にイキっておきましょう。

 

話が脱線しました。

 

ともあれ、「RSI70_30」が原点にして頂点だったという結果でした。

 

さて、面白い結果として「毎月リバランス」が2位の位置に着きました。というより、RSIで明らかに無理な設定をしないようであれば、ボラの低いSPXLのことです。そう大きく変わらないということなのでしょう。なんとなく、適当なタイミングでリバランスさえできていれば大体適当でOK!という発想で良い気がしました。

 

また結論を急いでしまいました。私の悪い癖です。

 

では続いてITバブル崩壊直近高値の最悪期を見ます。RSIの値は私の独断と偏見で適当にチョイスします。

 

ITバブル崩壊直前高値から開始した場合

2000-08-31~2020-06-23までの約20年間を見ます。RSI比率は適当に。

 

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終結

  • RSI70_30:9.15倍
  • RSI70_35:7.06倍
  • RSI70_25:8.30
  • RSI65_30:8.83倍
  • RSI75_30:9.15倍
  • 毎月リバランス:8.23倍

 

対数グラフです。

 

結果はとても緩やかになりました。SPXL70_30とRSI75_30が同率1位ですが、実は小数点以下を見ると、「RSI75_30」が微妙に勝利しました。

 

が、実に誤差の範疇なので他の検証時期で勝利する率を採用すると良いでしょう。ということは、今の所「RSI70_30」に分があると思います。

 

さて、毎月リバランスは8.23倍ですので、中庸的な結果になりました。やはり毎月リバランスはSPXLをターゲットとするなら「アリ」な戦い方と言えそうです。逆に前回の様にTQQQのようなボラの激しすぎる銘柄の場合は「無し」になる可能性を秘めていると考えれば良さそうです。

 

ともあれ、大暴落中でも「RSI70_30」に帰結するというのは面白い結果になりました。グラフ中の大暴落中だけ見たら「RSI70_25」が強いですが、結局その後の復活時期で追い抜かれると言うわけです。

 

さて、では次に「右肩上がり」だけの期間はどうだったでしょうか。

 

右肩上がりだけしてそうな相場時期

2010-01-01~2020-06-23までの約10年間を見ます。

 

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終結

  • RSI70_30:11.06倍
  • RSI70_35:10.22倍
  • RSI70_25:10.07
  • RSI65_30:11.11倍
  • RSI75_30:11.02倍
  • 毎月リバランス:12.51倍
  • リバなし:7.51倍

 

右肩上がり時期を見ると、「毎月リバランス」が最強になりました。逆に「リバ無し」がまさかの最下位です。理由?知らないよそんなの・・・。

 

この辺は「TMF」が絡んでるので、その部分が色々あるんじゃないかなと邪推しています。「SPXL:TMFはリバランスを実施するのは重要」という部分に通じるものがあるのかなと思った次第。リバランスしないと結果が悪いのは大昔にやった過去検証時でもなんとなくそんな結果でした。

 

さて、そのほかのRSIの値はほぼ横並びです。右肩上がり時期なら別にどれを採用してもいいことになります。手数料と他の時期を考えると「RSI70_30」は総合的に一番いいかなと思っています。普通だな!!

 

 

 

というわけで、続いて「翌日終値」と「当日終値」の購入タイミング調査。本記事ではRSIの条件ヒットしたら「翌営業日の終値」で売買した場合を検証しています。私がズボラだから、翌日分かった後に取引したらいいでしょって思ってるからです。

 

では大きな違いが発生するのでしょうか。見比べてみましょう。

 

RSIヒットした当日中に売った場合と比較

1986-05-19~2020-06-23の約34年間の結果となります。また、比較はRSI70_30だけの2本で見ます。

 

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パッと見はほぼ問題ないです。結果としては約11%程度の誤差が生じました。これであれば当日中にRSIが条件にヒットした瞬間に売買するのが最も効率が良さそうです。が、私は面倒くさいので翌日取引にしてしまおうかなと思います。34年間で11%程度の誤差ならまぁいいかなぁと。

 

前回のTQQQ:現金リバランスの場合は翌日終値にした方が結果が良くなったりする場合もありますし、結局運次第だと思ってます。1日程度は流石に誤差と思いたい。正直難しい判断にはなると思いますが、ブレを気にするならやはり当日中にRSIの結果がヒットしたら売買しちゃって良いとは思います。

 

 

ということで、まとめに入りましょうか。

 

まとめ

  • RSI70_30という「RSI」の理想的な数値がベストと言う結果となった。
  • 毎月リバランスでもさほど酷い結果にならないことから、どちらを採用しても別にどっちでも良い感じになった
  • 手数料を抑えたいなら「RSI70_30」が有利。条件にヒットしたら22営業日はリバランスしないため、確実に1ヶ月が最低ラインのリバランス候補日になるため手数料がお得になる

 

というわけで、SPXL:TMFリバランス編でした。

 

次回はSPXL:現金リバランス編です。現金リバランスなので、真のRSIの最適解が分かることになると思います。

 

というわけで、今回はここまでと致します。

 

 

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