対決!オールウェザーポートフォリオvsRPAR(リスクパリティPF)

こんにちは。okometsubuです。

 

今回はオールウェザーポートフォリオ対RPARのバトル内容をお伝えしたいと思います。もう今日はバックテスト表示するだけ。考察とかは最近の別記事で色々書くことになるでしょう。

 

以下前回までの記事です。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

まず簡単に言うと、「オールウェザーポートフォリオ」はレイダリオ氏が自身の資産を運用しているときに使っているポートフォリオらしいく、リスクを非常に抑えた形でどのような経済になっても良い感じで右肩上がりしやすいものと言う感じです。

 

で、RPARはレイダリオ氏設立した「ブリッジウォーター・アソシエーツ」で始まったETFで、「オールウェザーポートフォリオ」よりもコモディティを厚めにした感じのETFになっています。これは2019年に設立されており、今後のインフレや金利上昇時を考えるとRPARの方がいいんじゃないかなと私個人としては思っています。

 

 

検証前の考察としましては、オールウェザーポートフォリオの方が結果が良くなるはずです。何故ならオールウェザーポートフォリオの方が「株」と「債券」採用率が高いためです。以下オールウェザーポートフォリオとなります。

 

個人向けオールウェザーポートフォリオ

  • 株式         VT 30%
  • 中期米国債(7-10年) IEF 10%
  • 長期米国債(20-25年) VGLT 45%
  • 金          GLDM 7.5%
  • 商品         GSG 7.5% (※ここ金に変えるかも)

 

本来は長期米国債はTLTの40%で中期米国債IEF15%が正しいですが、VGLTの方が経費率がTLTより安く、かつ、20年未満も債券も含んでいますので、そこを45%にしてIEFを10%とすることで、ほぼほぼ似たような形になりました。Portfolio Visualizeで確認してみると大体似た感じになるのを確認できると思います。

 

ただ不安なら普通にIEF+TLTでいいと思います。ほぼ誤差みたいなものです。

 

さて、このポートフォリオは株式30%で債券が55%あります。そして過去10年間は右肩上がりかつ低金利相場。オールウェザーポートフォリオの独壇場でしょう。

 

対して今回比較するRPAR、リスクパリティポートフォリオは以下の通りです。

 

個人で行う場合のリスクパリティポートフォリオ

  • 株式         VT 21%
  • 長期米国債(20-25年) TLT 29%
  • インフレ連動債              TIP 29%
  • 金          GLDM 10.5%
  • 商品         GSG 10.5%

 

この考え方は靴磨きおじさんのブログを参照させて頂きました。以下氏のブログとなります。とても面白いので私のブログなんか見てる暇があったら是非見に行った方が良いです。

 

一般日本人がレバレッジ1倍~1.5倍のリスクパリティPFを簡単に組む方法とオールウェザーちょっと考察 - 恥知らずの模倣者"Shameless Cloning"戦略のブログ

http://kutsumigaki.blog.fc2.com/blog-entry-581.html

 

 

さて、このポートフォリオ、株式と米国債が21%と29%と非常に低くなっているんですね。その代わりに「インフレ連動債」が採用されています。これは物価上昇率(インフレ率)に応じて、元本が調整される債券とのこと。

 

債券なので金利が上昇すると不利になります。但し、インフレ率が上昇した場合に有利になる債券というわけで、単純に金利が上昇してインフレ率が上昇した場合にケアができる商品になっている(はず)です。

 

この辺は冒頭でお伝えした過去記事を参照してみてください。結局インフレ上昇時期はあまり検証できませんでしたが、期待はしています。

 

金利とインフレ率は一般的にはインフレ率が上昇すると金利も上昇するとのことなので、そこに期待。

 

で、株式と米国債が21%と29%とオールウェザーポートフォリオと比べて大分低いです。そのため、過去10年間では恐らく相当結果が悪いんじゃないかなと思っています。

 

では実際どうなのでしょうか。早速試してみましょう。

 

今回やってみること

  • 普通に上記ポートフォリオをPortfolio Visualizeでバックテストします。但しVGLTは比較的新しいため今回はTLTにして比率も元に戻して検証します。また、GLDMも同様にGLDにします。
  • VTは新しい商品のためリーマンショックを経験していません。そのため意図的にIVVに切り替えて検証します
  • GSGはハイパーインフレ時に有効らしく、通常時はあまり役に立たない(※経費率が0.75%と高く、コモディティゼロサムゲームの商品である)ため、GSGをGLDに置きなおします。これは自分で確認したい用です。

 

GLDとなる金も実は商品(コモディティ)カテゴリに所属するので、だったらもうGSGじゃなくてGLDでいいんじゃないかなと思ってしまってます。理由は2点。

 

  • オールウェザーポートフォリオの場合7.5%程度なので、GLDにしても誤差の範囲だよへーきへーき!!
  • RPARの場合は10.5%と割合が大きいが、インフレ時用に「TIP」を大きく採用してるので、そこまでGSGで保護しなくてもいいんじゃないかな。GLDもコモディティ商品だし、なんとかなるってへーきへーき!!

 

というわけで、GSG無くすか、半分にするとかでいいんじゃないかな・・・と勝手に思ってます。将来どうなるかサッパリわかりませんが、今の所感です。多分だれにも正解できない難しい問題だと思います。

 

というかGSGの経費率0.75%は高すぎて普通に投資したくないですね。

 

話が脱線しました。早速検証してみましょう。

 

①VTでの結果

青線のPortfolio1がRPAR赤線のPortfolio2がオールウェザーです。

 

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パッと見た限り2013年まではRPARがわずかに勝っていました。2009年はリーマンショックからの復活期でしょうか。その後の右肩上がり開始後は普通にオールウェザーがほぼすべてのケースにおいて勝利しています。

 

 そしてちょっと安心したのは、2013年、2015年、2018年についてオールウェザーポートフォリオも普通にマイナスの結果だったということです。但しWorst Yearで言えばRPARが-6.11%減で、オールウェザーは-4.61%だったということです。

 

但し注目すべきはMAX.Drawdownでしょうか。RPARは-9.81%であるのに対してオールウェザーは-12.91%と大きく値を落としたことになります。

 

つまりこの期間だけ見たとしてもRPARは非常にリスクの低いポートフォリオであることが伺えます。

 

  

②IVVでの結果(リーマンショック経由)

ポートフォリオ比率は①からVTをIVVに変えただけなので割愛。

青線のPortfolio1がRPAR赤線のPortfolio2がオールウェザーです。

 

 

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リーマンショック、怖いですね。そしてRPARもオールウェザーポートフォリオリーマンショック時は非常に安定していることが分かりました。

 

個人的に懸念点であった「低金利」かつ「株高」相場の時代だったわけですが、全く問題なく機能していることが分かります。オールウェザーポートフォリオよりも株式も債券も少ない割合でしたが、年利6.37%という結果を残せているという実績は強いと思います。

 

但し、VTではなくIVVを採用しているところもあるので、もしVTを採用していたらもっと低かったかなとは思いますが、まぁ十分でしょう。銀行預金に預けるより万倍マシです。

 

Worst Yearも-5.45%と悪くないです。オールウェザーポートフォリオの-3.45%には負けますが、この時期はRPARよりも良くなるのは明白ですから問題ありません。今後を考えてのRPARの採用と、時期が悪い時でもスコアが大きくオールウェザーからかけ離れていなければ十分採用して良い水準と言えると私は思っています。

 

 

さて、次はGSGを無くして全部GLDにしてみます。

 

③GSGを全部GLDにしてみる

今回はRPARをGSGにしたままの物も入れてみます。

青線のPortfolio1がRPAR赤線のPortfolio2がオールウェザー黄線のPortfolio3がRPARのGSGそのままのやつです。

 

 

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大分良くなりました。ただ、結局時期によるものなので、GSGつまりコモディティを含めることで初めて「オールウェザー」が達成できることから意図的に外すことはそもそもの設計思想から誤っていると言われても仕方がありません。

 

ただ、個人がETFで買う場合はGSGは0.75%と非常に高い系比率を払わなくてはいけません。コモディティハイパーインフレ時代に強いと言われていますが金も普通にコモディティなのでインフレに強いため、極端に大きな差は生まれ無さそうかなぁと思った次第。

 

そしてGSGは株価が急落すると一緒に急落していることが分かります。2008年のリーマンショック時も黄線はマイナスになっていますが青線、赤線はプラスです。2020年のコロナショックも同様で黄線はパフォーマンスが極端に落ちています。

 

つまり、GSG、コモディティは株価暴落耐性が無いのです。逆にGLDは耐性がある程度あることが過去の歴史から分かっています。

 

今後、「株価暴落率」と「ハイパーインフレ」が発生する確率を取って、どっちが発生頻度が高いかを考えた場合、「株価暴落率」の方に賭けにでても悪くないと思ってしまいます。

 

後は日本から海外ETFを購入する時は手数料がかかるのもネックです。最近無償化されてきた銘柄もありますが、結局売却時は普通に手数料がかかります。

 

また、44444ドル以上投資すれば手数料は以降固定化されている証券会社が一般的ですが、今回の様にGSGやGLDを少額もってしまうとその分の手数料がやはり水増しされてしまいます。

 

リバランスを行う運用として、かつ、今回のような安全思想設計のポートフォリオでは売買リバランスの費用が重くのしかかってくるはずです。長期間で見た場合、株100%と比べてどうしても低くなるためです。

 

なので、GSGをGLDと統合するのはおかしな話ではないと思います。つまり、「ハイパーインフレ耐性」を下げる方にかけつつも、「通常時」と「株価暴落時」のパフォーマンス向上を目的として統合です。

 

ということで、今回の結果を踏まえて私は以下のような形で投資する気がしています。

 

個人で行う場合のリスクパリティポートフォリオ

  • 株式         VT or IVV or QQQ 21%
  • 長期米国債(20-25年) TLT 29%
  • インフレ連動債              TIP 29%
  • 金          GLDM 21% or 16%
  • 商品         GSG 無し or 5%


商品は入れても5%ぐらいかなと思いました。後は株式をQQQにして若干攻めるかもちょっと考えあぐねています。いや、現金置き場として考えているのに攻めるなんてそもそもの思想がおかしいですね。ここは大人しくVTにしそうです。いやー、どうしよう。もうちょっと考えます。

 

後はレバレッジを1.5倍効かせるかどうかですね。残念なのがSPXLがリーマンショック時になかったのでPortfolio Visualizeで確認できませんでした。自作スクリプトを作って回してもいいですが、作るの若干気合と時間が必要なので、気になったら回してみたいと思います。

 

最後に結論としましては、

 

  • 今後金利上昇やインフレ上昇が発生すると思う場合はRPARを採用する
  • いや、しばらくは低金利のままで進むと思う場合はオールウェザーポートフォリオを採用する
  • いやいや、後10年は株高待ったなし!なら株式100%に全額投資!

 

ということになりました。私は既に3倍レバレッジに1200万円程掛けてる状態になってますので、素直にリバランスやナンピン買い用現金としてRPARを採用しそうです。仮に金利上昇やインフレ上昇が無くても、今回の過去検証で低金利・デフレ時代でも十二分に良い結果が残せそうなことが分かったためです。

 

ということで、今回はここまでと致します。

 

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