【リタイア】過去の暴落から復活までの時間を確認して安心したい

リタイアしたいしたい病の昨今なので引き続きリタイア関連記事。

 

 

 

基本的にアーリーリタイアは十分な資産を元に、ある程度大暴落が来ても問題が無い資産を保有してからリタイアするものです。ですが、私はリタイア開始当初なら強気のポートフォリオでいいんじゃないか?と思っていて、失敗したらバイトすれば?とかクッソ適当に考えています。以下過去記事。

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

とはいえ、株80:債券20とかの強気ポートフォリオでリタイアした瞬間、リーマンショック級の大暴落があった場合、精神的に大丈夫なのでしょうか。

 

ここでのポイントは、暴落した際の下落率ではなく、むしろ復活までの時間が焦点に当たると思います。そもそも、アーリーリタイアの源泉は少なからず資産運用にあります。4%ルールが最たるもので、資産を運用してその4%を切り取るというもの。

 

基本的に株式市場というのは持ってれば勝手に復活しますが、4%毎年削っていくとじり貧になることも考えられます。上記の株80:債券20の強気ポートフォリオ中に大暴落したら目も当てられません。

 

ということで、過去の大暴落発生とその復活期間が最も長かった所を改めて確認します。

 

それともう一つ。大暴落とは言わないまでも、資産運用をしていて全く利益が出なかった期間も確認します。なぜならアーリーリタイアの4%ルールは資産運用を行うことが大前提にあります。その資産運用が長期間停滞してもやっていけるのか、というのをある程度想定しなくてはなりません。

 

ということで、とりあえずチャート見ていきましょうか。

 

GSPC(S&P500)全体を見る

yahoo financeサイトで取れるGSPCというS&P500の全体チャートです。

 


流石株式の王様。100年間右肩上がりであることが一目で分かります。

 

ただ、世界恐慌の時点、つまり最初の冒頭部分の高値から復活まで実に30年近く必要となっています。私はこの「世界恐慌」が起こったらもう何をやってもダメだと思ってるので、起こらないことを想定、お祈りすることにしました。

 

ということで、この世界恐慌の部分は除きます。

 

そのうえで、

「大暴落後、最も復帰までに時間がかかった」期間と、

「運用益があんまり入らない、最もヨコヨコ期間が長かった」期間の2つをざっと、適当に見るとこんな感じになりました。

 

 

 

停滞期は1968年ぐらいから1982年ぐらいになりそうです。つまり約14年間、株価は全く上がりませんでしたが、下がりもしませんでした。

 

大暴落の背景赤色部分はITバブル崩壊に加えて、リーマンショックという2つの暴落が合わさったもので、その分期間が延びています。

 

これを見るに、2000年から2013年の約13年間ということになります。

 

ということで、大体13~14年間は停滞したり大暴落することもあるが、それを耐えるだけの資産があれば何とか暮らしていけるんじゃないかと思った次第です。※インフレ率とかで生活費が上がるとかは知りません。

 

また、今回ターゲットとして「ITバブル崩壊」+「リーマンショック」の両方を合わせて13年と確認しましたが、切り分けるともう少し期間が短くなります。

 

例えばITバブル崩壊だけで言えば2000年から2007年の7年間、リーマンショックならば2007年から2013年の6年間で復活していることが分かります。

 

つまり、大暴落時であれば7年間耐えられれば勝ちで、ある程度大暴落から復活したな?って辺りで今まで耐えた7年分の生活費を一気に取り崩す、ということで生きながらえることは可能そうです。

 

長くなりましたので、改めて二つの期間について考えてみましょう。

 

停滞期について1968年~1982年の14年

まず最初に。私は大暴落というのは手前に大暴騰、バブルが無いと発生しないものと考えています。そのため、停滞期を超えた後の10年ぐらいはバブルが発生するという前提で話を進めます。

 

さて今回は14年間、一切資産運用が上手くいかない時期、ということを想定します。ただし、株式市場は基本右肩上がりが期待できるので、その14年後から後は右肩上がりする期間がかなり長いものが期待でき、4%ルールは用意にこなせると考えます。

 

ということを踏まえて、この期間にリタイアする場合は次のように考えました。

 

想定ルール

  • 14年間、運用益0%で毎年4%資産を取り崩す
  • 14年後の総資産を確認。その総資産を元に4%ルールが可能かどうかを考える

 

後は必要な要素を集めます

 

必要な要素

  • 想定生活費(寿命までのざっくりとした平均)
  • リタイア開始時の総資産
  • 寿命

 

ではここでは仮にこうしましょう。サンプルです。

  • 月30万円の生活費とする
  • リタイア開始時の総資産は2億円
  • 後40年は生きる想定

 

では計算します。

 

【最初の14年】

14年 × 30万円 × 12か月 = 5040万円

2億円 - 4200万円 = 1.49億円

 

総資産:1.49億円

寿命:50-14 = 26年

 

 

となりました。ここから10年は株価がうなぎのぼりすることが期待できるので、後はこのお金で暮らせるかどうかを考えます。

 

さて、セミリタイアの目安が「年間支出の25倍の資産」(4%ルール)と言われているので、それを適用してみましょうか。このルールは30年の寿命で4%ルールOKという奴なので、残り寿命26年なら余裕です。

 

[4%ルール]

30万円 × 25倍 × 12ヵ月 = 9000万円 < 1.49億円

 

上記は4%ルールですが、正直個人的に疑問なので3%ルールで行きましょうか。そうすると、33.33倍になるので、それで計算してみますと、

 

[3%ルール]

30万円 × 33.33倍 × 12ヵ月 = 1.2億円 < 1.49億円

 

ということで、この停滞期を超えた位置からならかなり有利な期間をもってリタイアに望めることが分かりました。この結果はインフレ率とか税金とか全く考慮していませんので、上記例だと安全に行くなら2億円スタートでも悪くないかなと個人的に思っています。

 

生活費も子供が自立したら小さい安い家を買うとかで生活費は減ると思いますが、老後の介護費用とか諸々その辺考えると月30万円ぐらい見ておいた方が無難かなぁと適当に考えています。

 

 

さて、次に考えるのは大暴落期です

 

大暴落期(2000年から2013年の約13年間)

停滞期と異なり、運用資産を売却するタイミングを考える必要があります。考察はこうです。

 

想定ルール

  • ITバブル崩壊で6年、リーマンショックで7年と単体の大暴落を見ると6~7年頃に概ね復活していることが分かる。
  • 上記以外の大暴落も6,7年もあれば復活できることが分かっている(※世界恐慌除く)
  • つまり、生活費7年間はプールした上で、運用から除外した総資産で運用を賄うことを考慮した総資産を考える

 

ということで、先ほどの条件に「7年分の生活費」という項目を追加します。

 

想定シナリオ

  • 大暴落が起こるまで資産運用を3~4%取り崩す生活をする
  • 歴史的大暴落が発生したらプールしていた生活費で最大7年間耐える
  • 歴史的大暴落が発生した高値の90%ぐらいまで株価が戻ってきたら、その90%ぐらいまでにかかった期間分の生活費をその年にまとめて売却する→3年後に復活したら3年分の生活費をそのタイミングで売却
  • プールした現金を補充するかは残り寿命と要相談。最初の内は株価を戻したタイミングで現金をプールしなおしても良いと思われる。(※ITバブル崩壊リーマンショックを想定した最悪シナリオを避けるため)

 

 

ここでは仮にこうしましょう。サンプルです。先ほどの停滞期と条件一緒にします。

  • 月30万円の生活費とする→7年間の生活費は2520万円
  • リタイア開始時の総資産は2億円→運用資産は約1.75億円
  • 後50年は生きる想定
  • 最初の6年後の90%株価が戻したとタイミングで運用資産を現金プールに置きなおします。

 

では計算します。

 

【最初の6年】

6年 × 30万円 × 12か月 = 2160万円 → 現金プールが360万円に

1.75億円 × 90% = 1.57億円 - 2160万円 = 1.35億円 →現金プールが2520万円に復活

 

【次の7年】

7年 × 30万円 × 12ヵ月 = 2520万円 → 現金プール0円

1.35億円 × 90% = 1.215億円 - 2520万円 = 0.96億円※約1億円とする

 

ということで、13年経過後にこうなる。

 

総資産:1億円

寿命:50-13 = 37年

 

ここからさっきと同じように3~4%で計算。この大暴落を乗り越えた後なので、4%ルール側で良い気がしています。流石にこれ以上は世界恐慌しか見えませんし、株式はこれらの大暴落からの復活はとてつもない暴騰で幕を下ろすのは歴史を見ても明らかなので。

 

[4%ルール]

30万円 × 25倍 × 12ヵ月 = 9000万円 < 1億円

 

[3%ルール]

30万円 × 33.33倍 × 12ヵ月 = 1.2億円 > 1億円

 

不安なので3.5%ルールも見る

[3.5%ルール]

30万円 × 28.571倍 × 12ヵ月 = 1億280万円 >= 1億円 ※誤差なのでイコールでいい

 

ほぼ3.5%ルールの範囲で収まるので、大暴落がリタイア直後に発生しても2億円の資産があればギリギリ耐えられそうです。まぁ、インフレ率とか考慮無しなのですが、2大大暴落を経験した後なので、余裕でしょ余裕余裕(※適当)

 

さらに言えば、リタイア直後に大暴落が発生したら働けばいいです。ようするに5年間ぐらいは働けば、現金プールも不要となるので、より確実にその後のアーリーリタイアは楽になるでしょう。以下過去記事。

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

ということで、基本ITバブル崩壊リーマンショックの大暴落期間の方が14年間停滞する期間を経験するよりも難しいことが分かりました。

 

逆に、その期間を耐えられるだけのシナリオをこなせるのであれば、やはりそこをゴールにしてもいいんじゃないかなと思えています。

 

今回の生活費30万円、総資産2億円、3.5%ルールに加えて現金プールを7年間生活費を確保すればかなり容易に達成できると踏みました。ぶっちゃけ最初の1,2年は失敗したら働けの精神で現金プールを5年間分にしても良いぐらいかなと。

 

また、上記は「年金」の存在を考えていません。ぶっちゃけほぼ期待していないので、考えない方が精神衛生上よろしいかなと。残り寿命40年で今回設定しましたが、最悪、40年後も生きていた場合、その年金で最後の人生を過ごせるぐらいのお金はあることを期待したい。

 

世界恐慌から7年後ってどの位置?(余談)

ということで、7年間の生活費を手元に置いておくとすごく心が安心するっぽくなるなぁと思いました。そこで、世界恐慌についても軽く見てみたいと思います。世界恐慌から7年間耐えたら案外生きていけるんじゃないか?とかそういう思いで見てみます。

 

頂点は1929-09-16なので、~1936-09-16そこから7年間のチャートを見ましょう。

 

うーん・・・厳しい・・・!!!良く見ても大体50%ぐらいの下落幅です。

 

世界恐慌を考えたら、7年間の生活費なんてあって無いようなものになりそうです。とはいえ、世界恐慌が発生する手前はバブルってますし、頂点で全財産全部株式100%にする、ということはさすがにしないかなぁと思うのでもう少しマシにはなると思いますが、7年程度じゃ全然だめですね。やはり世界恐慌は見なかったことにしましょう・・・

 

ということで、ゴチャゴチャ書きましたがまとめましょうか。

 

まとめ

  • 停滞期は考えなくてよくて、大暴落期間だけ考えれば一旦OK
  • 生活費30万円/月想定で安全にいくなら2億円の資産は欲しいと感じた
  • 現金プールは7年分あると精神的にも安心できるが運用益も減るので自分が働ける元気があるかどうかで要相談で良いと思う。暴落したら諦めて働け

 

こんな感じでそうか。現金プールさえあれば、大暴落の下落率はぶっちゃけどうでもいいと思っていて、それよりも復活期間の方が圧倒的に重要だと感じています。

 

正直、一番きつい暴落期間である7年間を想定しましたが、5年ぐらいを想定でも多分やっていける気がします。生活費も30万円そうていしましたが、きつかったら節制すればいいですし、バイトでちょっとしたお金を稼ぐだけでも大分楽になると思います。

 

ともあれ、フルタイムで働く必要性なく無難に30万円/月でやるなら2億円あれば割とゆとりある生活がむかえられそうと思いました。多分。しらんけど。