【リタイア】リタイアシミュレーションプログラムを作ったので遊ぶ(その2)

前回の続き物っぽいもの。以下過去記事。今回は30年間というスパンを世界恐慌時代から1日ずつずらした最終結果を見たいと思います。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

 

 

前回までのあらすじ

  • リタイアシミュレーターを過去のS&P500を軸に作ったよ
  • リタイアから30年経過後に5000万円保有する場合、1.9億円あれば円高になり、かつ、ITバブル崩壊リーマンショックが来ても耐えられそう
  • 円高考慮しなければ1.6億円でも大暴落しても余裕そうだよ

 

でした。私は米国債で持つ利益よりも、円高によって大きく値を下げてしまうリスクの方が怖いと感じているので、このシミュレーターは日本円:S&P500という形でシミュレーションしています。

 

では今回は何をやるかと言うと、30年間という枠を固定して、世界恐慌から現在に至るまで1日毎にずらして計測結果を出してみました。こういう感じ。

 

1927/12/30 ~ 1957/12/29
1927/12/31 ~ 1957/12/30
1928/01/01 ~ 1957/12/31
...

 

最後のITバブル崩壊は2000年9月ぐらいなので、その期間は30年取れない点ご了承ください。ちょっと残念ポイント。

 

ということでシミュレーションに使った値はこちら

 

シミュレーションする中の人のイメージ

  • 家族持ちを想定
  • 子供は中学以降は私立を想定(教育費が高いため生活費が逼迫)
  • 35歳スタート
  • 開始時にリタイアしている想定のため、健康保険や年金を支払う必要あり(生活費が逼迫)

 

65歳で老後なので、30年で測定して、最終地点が5000万円のこってれば勝利する、ということにしました。

 

ということで、今回の調査条件はこちら。

 

今回のシミュレーション値(生活費7年分)

  • 将来円高により株資産は75%減額されていることにします
  • 総資産:1.6億円
  • 現金:38,136,000円  ( 約3800万円 ) ※生活費7年分
  • 株 :91,398,000円 ( 約9140万 ) ※実際は約1億2200万円。円高により減ってる
  • 生活費:5,448,000円 ( 約545万円 / 年 )
  • 生活費支払いタイミング:年1回
  • 支払タイミングで現金が初期値より不足していたら株式から生活費7年分プールできるように補充
  • 売却益に対する税金を考慮していますが、配当金は考慮していません(厳し目判定)
  • 株はS&P500(GSPC)のベンチマークを使っています
  • 株式売却タイミングは前回株式から生活費を取り崩した株価以上だったらとします。また、現金の補充もここで行います。

 

円高側を警戒してるのは、資産のほぼ大半が株だから。円安なら逆に超余裕でリタイアできると思うので、軽く想定の株式投資額に75%を賭けておけばどう転んでもリタイアできるでしょ~っていう水準を調査したいってかんじ。

 

というわけで、とりあえず上記の条件で出した結果がこちら。

 

シミュレーション結果(該当日から30年後の総資産)

 

横軸見えてる数値は「億」です。


1927年からスタートしています。世界恐慌開始時は悲惨ですが、2032年途中で突然爆上げしているようにも見えます。

 

そりゃそうで、世界恐慌で底付近になった時点で1.6億円資産があってリタイアスタート、みたいなシミュレーションをした結果なのですから。

 

ということで、シミュレーション自体は割と失敗してる感はありますが、全体の流れは明確に分かりました。特に失敗している箇所が3か所あって、

 

 

に絞れました。いつも通りだな!!!!!!!

 

結局、この3箇所をどう攻略するかがポイントになりそうですが、世界恐慌はキリが無いので除外。ベトナム戦争とITバブル崩壊時の最悪時期に耐えられるケースの資産および運用設計をすれば、まぁ、今後酷いことが起こってもなんとかなるんじゃね?という感じです。

 

ではそれ以外の区間は大丈夫かを見ると、資産が1億円をこえている箇所がかなりあることがわかります。

 

つまり、この条件だと成功するときはうなぎのぼり、失敗した時は目も当てられないボラの激しいものと言うことが分かります。ようするに、成功時はトコトン成功して、失敗時はかなり苦しいポートフォリオであるということです。

 

もう一度今回のシミュレーションの現金と株の比率を見てみましょう。この株は円高考察の0.75倍を設定した数値のものとなります。

 

 

 

大体60:40の比率なので悪くない気はします。気はしますが、それは円高を考慮した上での比率なので、為替を無視した場合、本来はこうなっています。

 


株70%。この部分全体が円高により大きなでダメージが入ることを想定しています。

 

ということで、条件を変えて、もう少し円安に耐えられるポートフォリオにします。

 

今回のシミュレーション値(生活費14年分)

  • 将来円高により株資産は75%減額されていることにします
  • 総資産:1.6億円
  • 現金:76,272,000円  ( 約7600万円 ) ※生活費14年分
  • 株 :69,726,000円 ( 約6973万円 ) ※実際は約8370万円あった
  • 生活費:5,448,000円 ( 約545万円 / 年 )
  • 生活費支払いタイミング:年1回
  • 生活費14年と十分とっているので30年後まで現金への補充は無し
  • 但し、前回生活費支払いタイミングより株価が高かったら株から生活費を使います

 

まず、リタイア開始時にいきなり14年分の日本円を用意しちゃいます。で、円高により株式の資産は75%削られて現金よりも割合低くなってしまいました。

 

こうすることで、円と株の円グラフはこうなります。円高は考慮しない場合を記載。

 

 

大体50:50の割合になりました。これで円高になっても円安になってもどっちでも対応できることになります。個人的には、将来円安にしかならない気がしてるので、現金もう少し減らしてもいいかなぁと思わなくもないですが、今回のシミュレーションは現金の補充が無いので、この比率は変わるのでまぁいいでしょうって感じで。

 

で、最初に14年分の生活費を持つことの意味は、「大暴落」が2連続できた場合にも耐えられる年数である、という点です。

 

株式について過去200年分をザクっとみると、大体大暴落と呼ばれるものから7年で株価は復活しています。以下過去記事。

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

「ITバブル崩壊」と「リーマンショック」も実は7年で一回、株式は復活していて、そののちにまた暴落している過去があります。

 

なので、その2回分の14年分の日本円を持っておけば、円安でも円高でも大暴落が2回来ても問題がなくなるはずです。

 

長々と書きましたが、これでやってみましょう!先ほどのチャートと併せてみました。

 

シミュレーション結果(生活費14年 VS 生活費7年 円高リスク考慮)


円高リスクありのチャートです。赤線が生活費14年です。円高考慮で株側が75%の減額を要求されてるので、当然ながら最初から生活費を14年分持ってる方が強いです。

 

5000万円ラインを見ていただけると分かりやすいですが、明らかに赤線の方はギリギリ5000万円ラインで踏みとどまっていることがわかります。

 

対して、高値付近で言えば、生活費7年に劣るパフォーマンスとなっています。ようするに、かなり「マイルド」になっています。

 

本件はあくまで「アーリーリタイア」が目的であるわけですから、赤字のようなボラを少しでも下げる努力をするのが好ましいため、生活費14年を用意して、株価が前回の高値よりも下がったら生活費から、上がったら株式から売却して生活費を用意するのが良さそうです。

 

今回は株式から現金プールへの補充は行いませんでしたが、仮に株価が安定しだして、リタイア開始時まで株価が戻ったタイミングで現金を7年分まで補充が必要になったら次のようになります。

 

14年も生活費取ってるんだから補充は諦めろ

 

黄色い線を今回追加してます。生活費を最初から14年保有している状態ですが、更に株価が戻ったら株式を現金に戻している、ということでかなり安全性を重視し過ぎた形となっています。

 

が、14年の生活費を確保しつつ7年間の生活費を維持しようとすると総合的にパフォーマンスが悪くなっています。怖くて足がすくんでしまい、株価が落ち着いたので現金に切り替えたことで、むしろ逆に生活が苦しくなって大きな損失を伴う形になっています。

 

簡単に言えば、アカギの第一巻のチキンランのやつですね。氏ねば助かるのに・・・ってやつ。崖に向かってチキンランして、下手にブレーキすると岩に激突。ノーブレーキなら海まで飛べるから生き延びるってやつ。

 

いや老後に株式100%とかそんな怖いことしたくねぇなぁ・・・が、そのための生活費14年をリタイア時に確保してるんだから泣き言は無しだし、株式から生活費に充てるのはアリルールなので、十分対応できてるでしょう。

 

 

生活費14年日本円の特徴

  • 円とドルを半々ぐらい持った上でリタイアすることになるので、ガチでどっちに転んでもかなり安心できる。為替を無視できる。
  • 大暴落は7年で復活する。それを2回防ぐだけの資産があるためかなり安心できる
  • 残念ながら債券のようにインフレ率に耐えられる程度の運用益が発生しない。そのため、リタイア時に相応の株式資産と現金が求められる

 

こんなところでしょうか。アーリーリタイアできる総資産は若干増えてしまうのが残念ですが、為替を無視できるのは非常に強いですし、大暴落2回防げる、と思えるとかなり心強いです。

 

まぁボラが少なくなったと言っても、普通に30年後に約1億円を保っていられる程度には優秀だとおもいます。

 

欲を言うと、正直、円高は日本政府が円でドルを買うとかで円安にコントロールできると聞いたことはありますが、円安側は対応ができないこと、日本は少子化になるから云云かんぬんで最終的には円安に向かうとか、そういう噂をよく耳にします。

 

なので、欲を言えば、生活費14年をただただ「日本円」で持つのはなんかもったいないなぁ・・・とか思えてしまっています。

 

 

 

 

ということで、次のシミュレーション。欲望に身を任せて、今度は日本円を生活費の14,13,12,11,10年を保有していた場合はどうなるかを見てみます。本当に生活費14年でいいのか?ってやつ。もっと少なくてもいいんじゃね?って思えなくもないので。

 

 

どのぐらい日本円をもってリタイアすればいいのか?

先ほどとは打って変わって、2000年03月27日から2023年9月8日までのチャートとなります。条件は日本円の保有額だけで、円高効果の株式75%マイナスを受けた状態でのスタートとなります。やってることは、

  • 日本円生活費xx年持ちます
  • 暴落中は日本円を消費して株式はそのまま

となっています。

 

 

残念ながら、生活費10~12年は2009年のタイミングで5000万円を割ってしまいました。正直、精神的にかなり苦しいと思います。

 

仮にITバブル崩壊リーマンショックを直撃すると、生活費10年~12年はちょっと採用できません。途中で5000万円のラインをしたまわってしまいました。

 

正直、生きた心地がしないと思います。まぁ、どのパターンでも生きた心地はしないと思いますが、現金13年、14年持つパターンならギリギリ途中5000万円をしたまわらずに済みました。

 

となると、やはり生活費13,14年持っておいた方が心の安寧を得られるかなぁと。世界恐慌以外勝ててるの強いんだよなぁ・・・

 

また、このチャートで真に怖いのは、株式が復活した辺りで日本円に取り崩してすらいないということです。最初の14年分が30年間の運用期間中の日本円です。もう補充しません。

 

というか、途中で株を売却して現金に補充すると運用益がガチで減ってしまい、全くリタイア水準になりませんでした。

 

結局運用ありきなんですよ。アーリーリタイアは。10億円あるなら違いますが。ある程度、多少なりともリスクを取る必要がある。10億円あるなら違いますが。

 

とはいえ、

 

「ITバブル崩壊」+「リーマンショック」+「円高

 

という3大ガッカリポイントを、リタイアした瞬間に受けた場合という非常に稀な場合にこのように株式100パーセントになる可能性が発生しうるわけで、そこまでの屑運だったらもう人生諦めた方がいいんじゃないか?ってぐらいだと思う。

 

まぁともあれ、生活費の13,14年は確実に生き延びる資産があるわけですから、どうにかなりそうな気はしますけどね。生活費落として地方に住むとかすればええんですよ。普通に。

 

難しいのは、アーリーリタイアができるぐらいの資産ができる=バブルが発生しているという可能性が高まるので、実は若干現実味があったりするかも?というのはある。まぁ考えても仕方ないのでなるようになるしかない。

 

 

 

 

では、円高を考えないとどうなるでしょうか。円高を考えなければ生活費7年でも耐えられるのでしょうか。というか普通に円安になる未来の方が強そうだと思ってるので、円高リスクを考慮しないなら非常に楽にリタイアできるんじゃないだろうか。

 

最初のシミュレーションに戻ります。比較してみましょう。

 

 

シミュレーション結果(生活費14年 VS 生活費7年 ※為替リスク無しver)

改めて条件ですが、

  • 生活費14年側は、すでに大金を日本円にしていることから、株式からの補充は急がずに、株価が2倍になったら補充するようにします
  • 生活費7年側は株価が前回の高値から5%低い位置ぐらいになったら消費した現金に補充するようにしています(※ITバブル崩壊リーマンショック対応)

 

なので、生活費14年確保した側は暴落時以外は運用益が少なく、生活費7年側は暴落が発生した際に大きく下落する可能性があると思われますが、通常時の運用益は大きそうです。為替の影響が無いのでフェアに見ることができます。

 

ではどうなったか見てみましょう。

 

為替リスク無しの結果(生活費14年 VS 生活費7年)


円高のリスクが無いので結果が逆転しました。生活費7年分だけしか持っていない、青線側が圧倒的に有利な状況になっています。流石株式は30年持てばリスクが0以上になるという実績なだけあります。

 

とはいえ、円高を考慮しなくとも、生活費14年パターンでスタートしても全く問題なさそうです。世界恐慌を除いてすべての場合でリタイア達成です。あの「ITバブル崩壊リーマンショック」を通ってもです。むしろ運用資産が増えてすらいる。

 

ただ、その分大暴落時には相応のダメージを受けてるので、リタイア後を意識するならやはり生活費14年の方がマイルドでしょう。円高にならないでこの成績なら14年の生活費で十分すぎるしなんだったら利益出しまくってる場合もある。

 

この結果を見ちゃうと、やっぱ生活費14年分持つのは大正義だよなぁって思えてしまいます。債券はインフレ率分の利益を得られると言われていますが、それはドルに限った話。日本に住む我々は為替リスクを負ってまで、リタイア後にTLTとかのドル資産を持つのは如何なものかと思った次第。

 

ともあれ、14年分丸々全部を日本円にしないまでも、2年分だけTLTを持つとか、多少の攻めはあっても特に問題なさそうな結果ではあるなと思いました。なんだかんだ、円高に進む未来よりも円安に進む未来の方が期待値高そうかなってイメージ思ってるので。※為替超ド級の初心者並感想

 

ということで、結果を見て満足しました。まとめましょう。

 

まとめ

  • 私の場合ですが、1.6億円(税考慮)が手元に来たらリタイアできそう。が、安全を見るなら1.7億円ほしい(※あくまで我が家の場合)
  • リタイアする場合は大暴落2回、円高を考慮して14年分、日本円で持つ。海外の債券で得られる利益はリタイア前に稼いでおけ、という考え方。
  • 流石に対応し過ぎな部分もあるので、生活費14年分の内、2~4年をTLT(※為替ヘッジ無し)とか疑似RPARとかで持って欲を出しても良いかもなぁ~とかは思ってる。

 

円安になる未来の方が強そうなイメージですが、サーッパリ分からないので、どっちでも対応できるようにするのは常だと思うのよねぇ。心を鬼にして14年分、日本円ガチホ、が正義といえそうです。

 

ぶっちゃけ、今回のシミュレーションの生活費なんですが、子供の教育費の費用を30年間払いっぱなしにしてます。本来は大学卒業後にその辺の生活費は大きく減るはずですが、まぁそこは安全を考えた上でわざと苦しめてシミュレーションしてます。

 

後、配当金の考慮もないです。手数料の考慮もないですが、利益に対する税金については考慮済み、手数料は考慮していないという感じですが最近無料なので、基本的には厳しめにチャートを組んでます。

 

なので、1.6億円+14年の生活費はかなり安全値取ってるはずであり、大暴落を直撃してもギリギリ生き延びるので、そのピンポイントだけ避ければ普通に余裕でリタイア達成できると思います。

 

但し、1.6億円になったタイミングで円安が1ドル200円とかで達成だったらまた見直します。その後に1ドル110円とかになったらさすがに対策せざるを得ないので。

 

後残念ながら、私は株式の中にビットコインを紛れ込ませる予定なので、この通り行かないだろうなとも思ってる。もうビットコイン全部売っちゃうか?いやいやいやいや、国リスクとかも考慮するならビットコインは実に欲しい所です。その辺の国リスクも考えた方がいい。いや、そうなったらリタイア云々じゃないから無視するか・・・?

 

ともあれ、まずは1.6億円、目指したいと思います!

 

※以下続きです

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