またリタイアシミュレーション記事です。前提としてバケツ戦略をした場合を考えて今す。以下過去記事。
バケツ戦略とは、株式は大体7年したら復活することが期待できるため、そのためのローリスク資産を現金、債券等で固めておいて、大暴落が来たらそれらの短期、中期バケツを売却して生活費を稼いで、暴落が済んだ7年後に株式の利益で生活しようというものだ。
短期+中期バケツで9年持つことで、株式回復の2年分の猶予を持っている点も好印象だ。
ということで、改めて暴落が終わった後のS&P500の年利を調べてみようというわけです。全世界株式だとデータが無いのでGSPC(S&P500)を使います。なお世界恐慌は見ない予定だったのですが、参考までに確認してみましょう。
前提条件
- 大暴落が開始された直近高値から7年後、もしくは高値を復活したタイミングを始点とします。
- そこから20年間の結果を確認します
年利計算は以下のサイトを利用させていただきました。
複利計算(利率) - 高精度計算サイト
https://keisan.casio.jp/exec/system/1248928927
最初の7年経過して、そこから20年で見るので、これが成功したら後はもうギリギリ年金受け取るまでわずかな時間しかないので、なんとかバイトなりで耐えられるんじゃね?的な感じで。
世界恐慌
1929-09-20から7年後スタートです。絶対復活できてないやつ。
これはもう計算不要ですね。年利マイナスです。ハッキリとリタイア不可能と言っていいでしょう。
ベトナム戦争~第一次オイルショック辺り
1973-01-11ぐらいだったはずなのでその辺りを見ます。
1980-07-17ぐらいに復活してることを確認。大体7.5年程度でしょうか。まぁいいでしょう。ではこの日から20年見ます。
完全にITバブル乗っかってます。本当にありがとうございました。
で、年利はこんな感じ。
年利12.5%を超えてきました。これは素晴らしい。これだけあれば余裕でリタイア達成と言えるでしょうし、為替が円高に振れて半値になっても十分行けそうです。
ITバブル崩壊
2000-08-31から崩壊します。問題はITバブルの後にリーマンショックが控えている点です。ここは工夫が必要で、一回復活したタイミングで短期バケツ+中期バケツに泣く泣く長期バケツの資産を振り分けてあげる必要が出てくる必要があるでしょう。それを守れば何とかなるはず。
ともあれ見てみましょう。
2007-05-18に頂点復活です。数日間猶予があるので、ここで短期、中期バケツ補充が必要になりそうです。ともあれ、ここから20年間で見ましょう。って思いましたが、2027年はありませんでした。16年の歴史を見てみましょう。
で、年利はこんな感じ。
6.5%超えてきました。途中株価が不調ですが、ともあれ結果的には4%ルール以上の結果が出たと思います。後は為替もあるからそこはちょっと心配かなぁ。最悪半分になったら3.3%程度なので、まぁ、為替が酷かった場合でもなんとかなる・・・ことを期待したい。3.5%ルールで耐えられる金額持てばええんや!!!
ということで、大暴落があった後は基本的に右肩上がりする、ということを信じて生活するしかないでしょう。というか、リタイアしている時点で皆、株式市場を信じざるを得ないのだ。超大金持ちならともかく。
結局20年ぐらいで見たら、債券よりも株式の方が安定するんですよね。何度もチャートをひねくり返したことでなんとなく理解できました。愚者たる私は経験で学ぶのです。
余談ですが、私が勝手に尊敬している たわら男爵さんも実は同じ考えを持っていたなぁと改めて思いだしました。以下氏の記事より引用します。
リスク許容度・リスク選好度を踏まえた投資額の決め方 - 40代でアーリーリタイアしたおっさんが たわら先進国株でベンツを買うブログ
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1907.html
インデックス投資において「リスク許容度」や「リスク選好度」が重要なのは、これらのどちらかが下回ってしまうと、暴落時にインデックスファンドを売却せざるを得ない事態に陥るリスクが発生するからです。
しかし、「5年ないし10年は使わないお金(ただし、学費は除く)」という基準で投資金額を決めれば、暴落期に嫌々売却しなければならない事態を回避し、株式相場が暴落前の高値を更新するまで待つことができます(※)。
※株式相場が暴落前の高値を更新するまで待つとは、
(1)暴落相場を乗り切ることができる年数分の生活費を無リスク資産として確保する。
(2)暴落が来る前は、毎月の生活費で減った分の無リスク資産を補充するため、インデックスファンドを毎月売却する。
(3)暴落が来たら、暴落前の高値を更新するまでは無リスク資産を取り崩して生活する。
(4)暴落後、暴落前の高値を更新した時点でインデックスファンドを売却し、(1)の無リスク資産の金額を確保する。
(5)以後はこの繰り返し。
これだこれ。全く同じ考え。バケツ戦略の中期部分を「日本円」にしてるのと一緒。
バケツ戦略の非常に残念な所は円高になった場合、取り崩すタイミングで7~9年、生活ができなくなる可能性が出てくるという点です。株式は為替の損失もありますが、それを上回る暴騰力を発揮できるはず・・・というのを今回ある程度過去の流れを見てわかったので、やはりバケツ戦略を日本で安全に行くなら、
- 日本円で7年~9年生活費持つ
- TLT等を2年分持つかどうかは要相談。
- 残りインデックス株式にゼンツッパ
これでいいでしょう。債券部分は円高になった場合にそれを超えられるパフォーマンスがあるか疑問です。株式なら十分やってのけると信じています。
但し世界恐慌は除く