【レバレッジ】ドルコスト平均法による都度売却投資法検証その1(世界恐慌編)

こんにちは。okometsubuです。

 

今回は以下記事のある意味続編です。ドルコスト平均法×レバレッジは有意義ではあるもののリスクが高いので年1回売却したらどうだろうという回です。以下思い立ったきっかけの過去記事。

 

 

 

okometsubulog.hatenablog.com

 

 

私は「tsumiki証券」で毎月5万円を「セゾングロバラ」に投資しています。

 

それは「エポスゴールドカード」の年100万円を使うと1万ポイントもらえるサービスを利用するためでありますが、「セゾングロバラ」と「ドルコスト平均法」の相性がすこぶる悪いことから途中売却を行うことに決めました。それが前回までのお話。

 

 

で、それだと単純に運用益が全く乗らずに解約手数料の0.1%分損が発生するため、だったら「セゾングロバラ」で中長期運用していたはずのお金を別の投資信託に預けて「ドルコスト平均法」すればいいのではないか?というのが今回のお話です。

 

私は自論として「ドルコスト平均法」×「レバレッジ投資」は非常に相性が良いと考えています。以下過去記事。シリーズ物。その亜種の「ノーセルバリュー平均法」も有用だと思っています。ようは積立投資が相性が良いと感じている。そんな感じ。

 

okometsubulog.hatenablog.com

ということで、今回やりたいことをまとめます。

 

 

 

 

今回やりたいこと

  • 少額でも良いので「黒字」になることを目的としたい。ある意味「銀行預金」的なそんな位置づけにしたい。
  • でもせっかく「ドルコスト平均法」を使うなら「レバレッジ商品」で試したい。※もうこの時点でさっきのやりたいことと真逆の発想。
  • そこで毎月積立後の1年後に積立額のxx%以上だったら売却し、xx%以下ならそのまま毎月積立を継続し、xx%以上になった辺りで売却する運用をしたらどうなるかを見たい

 

とまぁこういう感じです。過去疑似SPXLですが「ドルコスト平均法」で大暴落時にあった場合、世界恐慌で約6年、その他のITバブルやリーマンショック等では約3~4年戻ってきませんでした。それは「レバレッジ」であろうと等倍であろうとすべからく同じぐらい復活に時間を要します。

 

逆に言えば、その3~6年間を「ドルコスト平均法」の積立で耐えられるのであれば、そのほかの平時では利益を得られやすい、もしくは「大暴落」が起こった場合の赤字部分の補てんになるんじゃないかと目論んでいます。

 

つまり、最低でも10年運用期間があれば今回の投資方法は案外輝けるんじゃないかなと思った次第。

 

 

 

ということで今回は直近暴落編です。暴落が発生するその直前の最高値で買付をスタートした場合どうなってしまうのか、というのを疑似データも踏まえて検証してみます。

 

今回も真剣に検証します。何故なら私が採用するかもしれない瀬戸際だからです。これって何気にとても重要です。但し読者は置いてきぼりになる可能性大!

 

 

それじゃ検証条件を記載。

 

前提条件

  • 暴落が発生した時から開始します。可能な限り30年見るものとします。
  • 毎月100ドル積立投資をするものとします。
  • ブログの会話上、面倒なので1ドル100円として話を進めます。
  • 手数料・税金は考察していません。
  • 実際は「投資信託」を使う予定ですが、データが少ないので海外ETFを用いた検証を行います。
  • 疑似データを使って検証します
  • 端数もキッチリ投資できるものとします。
  • 1年に1回チェックを行い、積立投資額×目標利率に到達したら売り、到達していなかったら毎月積立を継続するものとします。
  • 目標金額はアラート等で設定するものとして、達成したら即時に売るものとします。

 

最後の条件は毎月積立なのでアラート設定するのも大変なので、まぁできたらいいよねって感じで検証することにします。現実問題だとまぁ、気づいたらでいいかなと思ってます。また、本記事はSPXLやTMFの金利までは考慮されていない点ご了承ください。

 

では参加メンバーのご紹介。

 

参加メンバー

  • SPXL
  • TQQQ
  • SSO(S&P500の2倍レバレッジ)
  • QLD(QQQの2倍レバレッジ)
  • ^GSPC(S&P500)
  • 単純にS&P500をドルコストしたもの(参考までに)

 

SSOQLDは「iFreeレバレッジ S&P500」と「NASDAQ100」で投資したいから採用しています。3倍レバレッジのSPXLとTECLに投資してもいいのですが、今回の目的はあくまで「エポスゴールドカード」の1年100万円投資額のかさましが目標であり、償還リスクを考えて2倍ならまぁなんとかなるんじゃないか?という目線でSSOとQLDを採用しました。

 

TQQQは日本で買うには「サクソバンク証券」を経由しないと買えませんが、「個人情報」が最近流出したらしいですし、特定口座未対応なのでやりたくないのですが、疑似データを作る^NDXがITバブル崩壊前からあるのでTQQQを採用しています。本当はTECLでやりたい。

 

では今回シミュレーション対象の暴落達。

 

暴落達参加者一同(日付は暴落前高値の日)

 

第1次オイルショック付近やリーマンショック付近は除外しました。どうせ「ベトナム戦争」付近とITバブル崩壊付近の地続きで対象に含まれるためです。

 

また、今回は目標利率の指定もしなくてはいけません。これもパターンを分けてみる必要があり、大変グラフの数が多くなりそう。あ、ダレてきた。助けて!!

 

目標利率(※1年後積立額 * 目標利率を上回ったら売却)

  • その場の結果からフレキシブルに決める(10%~300%の間ぐらい想定)

 

目標利率は適当に書いてます。その場その場の暴落状況と目標利率の結果により大幅に増加させたものを検証したり飛ばしたりするのでご了承下さい。実際に検証進めていくと言っている意味が分かってくると思います。

 

 目標達成条件

  • できれば短期で毎年売りたい
  • とはいえ目標利率を低設定にすると利益が減るのでギリギリを攻めたい
  • 過去の暴落時を参考に、実現可能な利率を決めたい

 

  

今回は安全に資産を稼ぐという目標があるので早めに売却想定です。ドルコスト平均法はその特性から、資産運用の後半になればなるほどリスクが高まる投資法なので、あまり積立額を伸ばし過ぎると大暴落で戻ってこれなくなる可能性があるため、早めに売却しちゃっていいかなと思っています。

 

ということで、ようやく準備が整いました。それじゃ早速検証開始!

 

世界恐慌からの30年

1929-09-03から1959-09-02の30年間を見てみます。TECLとか当時無いものは検証できないので、あるものだけ検証します。

 

そのまえに、S&P500、SSO、SPXLのドルコスト平均法の結果だけ見ます。

 

ドルコスト平均法結果

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SPXL強いですね。30年ドルコストすればこのように復活することが分かると思います。もう少しズームアップしてみましょうか。SPXLとSSOはS&P500と同じ時期に復活できたでしょうか。1949年頃までのグラフです。

 

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1935年頃に元本復活が確認できました。注目ポイントは「S&P500」も「SPXL」も「SSO」もほぼ同時期に復活した点にあります。これが「3倍レバレッジ」でも「ドルコスト平均法」が有利じゃないかと思う理由です。

 

但し弱点もあります。

 

もう1点の注目ポイントは1942~1945年頃です。この時期を見ると、SPXLが徐々に復活が遅れてくることが分かります。これは過去に何度かお伝えした「ドルコスト平均法」の弱点である、雪だるま式に増えた資産が運用期間後半に起こった場合の結果となります。

 

つまり、ドルコスト平均法による「ナンピン買い」の威力は後半になればなるほど弱まっているため、後半の「SPXL」の復活が遅れた形となります。これは投資済みの資金が雪だるま式に増えてくれば来るほど、復活がドンドン遅くなります。

 

つまり、この「復活」を早くするために早期に全てを売却して安定化を図ろうというのが今回の検証の目的です。

 

雪だるま状態は弱点でもあり、利点でもあります。後半に株価が上がるととてつもなく伸びるからです。つまり、運用後半はギャンブル性が高くなるということです。それを無くして安定化したいねってことです。

 

今回の世界恐慌で安定した運用が取れるのであれば、リスクを抑えた形で運用を行うことができるんじゃないかなと目論んでいます。

 

内容分かったので、目安としてS&P500の積立だけ残します。

 

ではまずは1年後に積立額10%を超えたら全売却して再び「ドルコスト平均法」を始めた場合から見て見ましょう!

 

■目標利率10%の場合(世界恐慌)

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終結

  • SPXL:1.21倍
  • SSO:1.17倍
  • SP500:1.11倍
  • 積立:3.99倍

 

超分かりやすい結果です。積立額の10%が得られると言う話になりました。

 

普通にS&P500にドルコスト平均法した方が結果が良かったです。というのも、1年で10%としたので、最終結果としても似たような結果になったと思われます。多分、余裕で10%はクリアできるので10%の結果はもう考えなくていい気がしています。

 

この結果を見る限り、「複利」効果はほぼないです。「単利」で10%の結果となります。それはそうです。全部売却しているのですから。ポイントは「現金」で安全資金として手元にあると言う点でしょうか。

 

ということで、今後は20%から結果を見たいと思います。

 

■目標利率20%の場合(世界恐慌)

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終結

  • SPXL:1.27倍
  • SSO:1.22倍
  • SP500:1.20倍
  • 積立:3.99倍

 

面白い結果です。概ね1.2倍になりました。という事はつまり、目標利率20%は余裕で満たせることを意味しています。もっと利率を上げた方が良いかもしれません。

 

ともあれ、ここでの注目ポイントは「1942年」です。S&P500の積立(緑線)が一番暴落しているのが見て取れます。他の銘柄はキチンと20%で毎年売却を挟んでいたため、次にきた暴落に上手く対応できたことになります。

 

そう考えると、予定通り単利で「20%」を稼げているということになり、かなり安心して見ていられると言えるかもしれません。

 

ただ、ここまでしてこの程度の結果だとちょっと残念ですし、グラフを見て分かる通り、その「1942年」ごろの暴落を除いてほぼ一直線のまっすぐです。

 

つまり、まだ「余力」があることが伺えます。

 

では目標利率を上げてみましょう。

 

■目標利率40%の場合(世界恐慌)

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最初の売却タイミング

  • SPXL:1933-07-06
  • SSO:1935-11-14
  • SP500:1936-02-11

 

終結果については、基本的に設定した目標利率になることが分かりましたので、ここからは「最初に売却した日」を基準に見ます。1度でも売却したら資金が得られるためその後に暴落があっても安心できる、そんな日です。

 

さて、やはり大体1.4倍をキープしてフィニッシュです。つまり、まだ余力がある。

 

ここで思ったのは、SPXLを全売却した時に得られる「現金」をS&P500等の等倍商品に利益分だけでも投資するのはアリかも知れません。これについては後日検証するかも。

 

そしてまた面白いのが1933年。SPXLが一気にブワっと伸びているのが分かります。途中売却したことでその伸びしろは止まってしまっていますが、その分の利益でその後の「1942年」の暴落時期について、「積立額」付近で下落が止まっています。SPXLの値上げ率が結果として暴落を防いだ形になると言うわけです。

 

 

 

というわけで、いきなり飛ばしますが毎年100%目標にしてみます。まだ余力がありそう。

 

■目標利率100%(2倍)の場合(世界恐慌

 

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最初の売却タイミング

  • SPXL:1936-04-02
  • SSO:1936-07-27
  • SP500:1952-01-22

 

ここでS&P500が脱落です。投資開始から22年近く相場にい続けることになるためです。SPXLやSSOは約7年間、い続けることになりますが、あの「世界恐慌」です。7年で済むのであればまだ余裕がありそうというものです。

 

そして今回もきれいに2倍近くまで伸びました。面白いのは、S&P500とS&P500の積立が途中まで完全一致しているのです。緑と黄色の線ですね。これは積立投資額の2倍の結果がS&P500で出なかったため、単純な「ドルコスト平均法」としてずっと進むことになります。

 

つまり、約20年も条件に引っかからず「ドルコスト平均法」として市場に投資額が出回った状態が続いていたということです。簡単に言うと、「リスク資産」が常に市場にあるため、20年間怖い気持ちになったということ。

 

今回の目的はあくまで「安定」を取ることです。であるにもかかわらずS&P500は20年間も市場に投資し続けるのは逆に「リスク」になってしまうという面白い結果になりました。

 

変ってSPXLやSSOは暴落から終わった後に100%、つまり2倍になった箇所が何か所かあり、SSOは30年間に計4回(7年,9年,6年,3年後)に、SPXLは計6回(6年,9年,5年,3年,1年,3年後)の売却タイミングがありました。売却タイミングが多ければ多い程安定するものの、結果として大きな勝ちは得られないということです。

 

そして市場から撤退するタイミングが早いのはSPXL等の値動きが激しい銘柄であり、上手く目標利率を決めるとむしろ逆に安全になる可能性があることを表しています。1度売却したら、現金で保有することになり、投資額も100ドルから再スタートするのですから。

 

最悪、ドルコスト平均法で暴落が続いてもいずれは復活することを期待できるのも強みです。但し、償還リスクは2倍よりも3倍のSPXLの方が高いのでその点は注意と言った所でしょうか。

 

さてもう1点確認したい点としては、最初の世界恐慌の大幅な下落を除けば、今回の検証結果はS&P500を除いて全て積立額以上(SPXL,SSO)の結果を出せており、非常に安心した位置で投資を進めることができるという状況にあります。

 

終結果としてはS&P500のドルコスト平均法に普通に負けますが、世界恐慌下においてこれだけ安定しているのであれば、目標利率は100%、つまり積立額の2倍ぐらいが非常に安全に進めて、更に最終結果は投資額の2倍は得られるということになりそうです。

 

そして、S&P500のドルコスト平均法に勝ちたいと思うのであれば、目標利率100%にしたSPXLを売却したら直ちにS&P500に投資すればいいんです。額は黒字化した部分だけにするのか、一括で全部入れるのかは人それぞれ。こうするだけでS&P500のドルコスト平均法に圧倒できることでしょう。今回は安全に行きたいので「現金」で持つ結果です。

 

ようするに今回の条件は「序盤」が非常に安定しているということです。終盤は普通にドルコスト平均法に負けますが、安定を取りたいならこの方法も悪くないということです。

 

では続いて「200%」を見ましょうか。まだ伸び代はある。が、ボラが激しくなるのであんまりやりたくはない気はしていますがどうでしょうか。3倍レバレッジなら乗り越えられるでしょうか?

 

■目標利率200%(3倍)の場合(世界恐慌

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最初の売却タイミング

  • SPXL:1937-03-03
  • SSO:1951-05-03
  • SP500:1955-06-07

 

ここでSSOも脱落。約30年もドルコスト平均法を続けなくてはいけない地獄が続くのです。恐ろしい・・・。ともあれ、1946年からは積立額以上になるので地獄と言うほどではないですが、ちょっとシンドイですね。

 

この辺りの指定が潮時かもしれません。SPXLはうまい具合に手前の暴騰時期に売り切ることができていますが、少し攻め過ぎな気もします。SSOは結局最後の方まで「ドルコスト平均法」にて積立投資額を多く投入している状態で最後までズルズルいきました。S&P500も何気に3倍超えたタイミングがありましたが、最後の最後だったというわけです。

 

正直、今後のグラフで「S&P500」は抜かしていいかなと思いました。結局「S&P500のドルコスト平均法」があるので、ある程度分かりますし、何だかんだ、レバレッジ商品の方がこの手法の場合、安全な気がしています。

 

こうなると「iFreeレバレッジ」じゃなくてNYダウの3倍値動きのやつを買ってもいいかもしれないし、直接SPXLやTECLを買ってしまっても良い気がしてきました。

 

一応300%も行ってみましょうか!

 

■目標利率300%(4倍)の場合(世界恐慌

 

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結果は割愛。SPXLも脱落です。さすがに苦しい。

 

こうなると約20年近くSPXLとSSOは市場に投資することになりますし、1937年から見ても積立額を大きく下回ってしまいました。結果としては伸びましたが、これはちょっと怖いですね。というわけで、400%の3倍程度が良い所だったと言えるでしょう。

 

そしてここまでしてもS&P500のドルコスト平均法に勝てません。逆に言えば、終盤も終盤、一番右肩上がりの恩恵を得られるタイミングでSPXLを全売却しているので結果が振るわないのです。最初にSPXLのドルコスト平均法の結果をお見せしましたが、雲泥の差です。

 

これが「増加」のパワーということです。途中売却するとそのパワーを受けられないといういい例になったのではないでしょうか。売却後に伸びるかどうかなんてわからないので机上の空論ではあります。

 

 

ということで、今回のまとめ。

 

  • 結果だけ求めるならS&P500にドルコスト平均法をずっとやり続けた方が良い
  • 但し安全に資産を得たいならSPXLをドルコストして都度売却するのはアリだし、今回の検証とは別に売った後の金額をS&P500等に投資するだけでも大きくS&P500を着き放つことが可能なはず
  • 都度売却を行うケースの場合、「等倍商品」を積立投資するより「レバレッジ」を効かせた上で途中売却することでむしろ資産を守りやすくなる可能性がある
  • 但し3倍レバレッジはSEC介入やあまりにも株価が下落することで運用会社が倒産する等で償還されたりすると終わるので結構危険な気がする
  • 安全に行きたいなら利率100%指定が良さそう。ただSSOだと脱落するので、当時の金利状況等も考慮して安全を見て50~75%ぐらいの方が良さそう。

 

ということでした。

 

運用年数30年は必要ですが、あの世界恐慌レベルでも6年程度で元本に戻るのであれば十分じゃないでしょうか。そして判定は1年に1回チェック後は日々確認を行いますし、途中売却すればリスクは0です。暴落したら最大6年待てば普通に復活が期待できる。

 

 

ということで、世界恐慌編でした。

 

 

さて、実は「ドルコスト平均法」は世界恐慌よりも次回の1968年ごろの暴落の方が苦手かもしれません。ボラが少なく、長期間低迷し続けた期間です。次回はそんなベトナム戦争付近の1968-11-29~を見る予定です。

 

というわけで、今回はここまでと致します。

 

 

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