いつものリタイアネタ。今回はいつにもまして完全自分用です。自分のための変数ガッツリ入れて検証します。
- やりたいこと
- プログラムに必要な変数たち
- シミュレーション設定
- 前提条件
- 老後のシミュレーション
- 世界恐慌編
- ベトナム戦争~第一次オイルショック辺り
- ITバブル崩壊+リーマンショック
- オマケ1 - ITバブル崩壊から1年間働いてみた(1.9億円ver)
- まとめ
自分はあんまり「リタイアシミュレーター」ってやつが好きじゃありません。何が嫌いかって「想定年率」を自分で入れるところ。そりゃそうなんだけど、株式とかに投資してたら当然年率なんて変動しますし、債券も債券で読みづらい所があります。
さらに言えば、基本この手の年率で計算する際の投資先の債券は米国債とか世界の債券だったりするわけで、円高になったら想定年率なんて出せないんじゃん?みたいになります。
ということで、今回はプログラムを作って過去チャートを元にしたリタイアシミュレーターを作ったのでその結果を記事にまとめます。残念ながら個人の趣味プログラムであるので動作ちゃんとしてるか不明なので自分の中でだけでやります。
やりたいこと
- 日本円と株式の2つのバケツだけを考えます。債券バケツはありません。
- 想定生活費を設定します。ここは頑張って調べます。
- GSPC(S&P500)というのがyahoo financeで100年程度のデータが取得可能で、世界恐慌も調べることができるので株はS&P500にしてその期間から調査します
- 為替リスクは「株式」側に円高リスクを負わせます。円安時は株式が超絶有利になるのでリスクとしてみないことにします
ということで、必要な変数は決まりました。
プログラムに必要な変数たち
- 現金(日本円)の保有額
- 株の投資額
- 生活費
- 65歳までの年数
- xxヵ月(年)に生活費を取り崩す。xxの値
- 株を売却するタイミング(生活費を株から取り崩した際の株価保存場所)→今回は前回売却した株価を上回ったら株式から生活費および現金プールに補充をする形とします。
- 株の建値を保存して利益に税金を発生させるようにする
- 為替は意図的に円高にして絶望したいので考えない。円高だけ意図的に発生させるようにする
調査対象は基本的に大暴落があったと言われる期間を区切って考えて、それに耐えられれば勝ち、見たいにしたいと思います。私は「セミリタイア」がしたいんじゃなくて、「アーリーリタイア」がしたいので、働かないで65歳まで逃げきれればOKと言う感じです。できれば65歳の時点で5000万円あればゴールとします。
今回は珍しく税金も考慮しました。いつも面倒くさがってやってませんでしたが、今回は人生かかってるので入れてます。
では最初の想定。
シミュレーション設定
- 「バケツ戦略」の短期、中期バケツを生活費9年分の日本円とする。運用はしない。
- 残り全部を長期バケツのS&P500(GSPC)にゼンツッパする
- 1年毎に生活資金を取り崩す形にする
- 1年後、株価が1年前より高かったら長期バケツから利益に対する税金も含めた上で生活費を売却。更に株式売却した地点の株価を保存して、翌年の判定に使う。低かったらその年は現金日本円で生活する。その繰り返し。
- 1年間隔で短期+中期バケツの日本円が減っていた場合、株価が昨年より高くなったタイミングで生活費+補充分売却する
- 今回は30年間で見てみます。30年後の残高で希望を持てるか絶望するか・・・
数値は変数なので適当にいじれます。
中期バケツに債券を入れませんでした。債券が無くても問題なくリタイアできるなら、無理に中期バケツで為替リスクを負ってまでリスクを取らなくていいかなと思っています。そう考えるのは、今が1ドル145円だから。今が1ドル110円だったらまぁ、いいかなぁ・・・とか思ってそうです。
バケツ戦略は以下過去記事。
話が脱線しました。
さて、私は後30年あれば定年後の年金がもらえる感じになる雰囲気なので、シミュレーションは30年で考えます。
後は、為替リスクについてですが、今現在1ドル145円ですが、つい最近までは1ドル110円が普通だったので、長期バケツの資産を約75%減らしても問題なく達成できるかを調べたいと思います。もっと円安になりそうですが、その後円高に進んだとしても数年スパンで110円まで使うだろうから、平均して75%減ぐらいが最大じゃなかろうか。この辺適当です。
では、早速やってみましょう。
前提条件
- リタイア資産は合計約1.6億円とします。
- 日本円は4903.2万円、株式に1億1096.8万円を入れます。
- 為替リスク(円高)を考慮した、75%減した株式結果もみます。
- 1年の生活費は544.8万円とします。(リタイア後の年金、健康保険、教育費含む)
- 株式の建値はシミュレーション開始日の終値とします。※個人的に資産は現状全部ビットコインで持ってるので、リタイア日に株式を買う予定なため
- S&P500の配当金は考慮しません。売買手数料、為替は考慮しません。
- 終値ベースで考えます
- 毎年1回生活費を引いたり株を売ったり日本円を補充したりします
- 配当金、取引手数料は考慮しません。
生活費は、リタイア後は国民健康保険、年金が追加されると認識しています。(※ほかはない想定ですが、あったら教えて欲しいです)
で、国民健康保険は常に544.8万円を売却した額を支払う形でキツメにしています。実際は税金分もっと多く株を売却しますが、まぁいいでしょう。生活費14年分で暮らしていた部分は国民健康保険の金額は大幅に減ってるので。その他医療リスクとかも踏まえて。
2023/9/25 訂正
通常の場合、確定申告をしなければ株式を売却した場合は国民健康保険の利益に乗らないので大幅に支払い金額が下がりますので取り消しさせていただきました。とはいえ一応キツメの設定にしたいのでシミュレーション内容についてはそのままで計算します。
ついでに上手くいった場合、老後のシミュレーションもします。
老後のシミュレーション
- 30年耐え抜いた資産で65歳スタート
- 年金は19万円(夫婦2人分)貰えるものとします
- 退職金は一旦考慮無し。iDecoとかも考慮無し
- 生活費は35万円にします。なので実質16万円/月が生活費。耐えられなかったら生活水準下げればええねん・・・
配当金考慮しないので、ある程度余裕はあると思いますが、そういう利点になる箇所はあえて削って考えるようにしてます。それで達成できればまず大丈夫でしょうという自信が産まれます!※というか配当金データ取って考えるのめんどいだけ
ということで始めましょう。恐らく絶対リタイアできないであろう、世界恐慌から。これは成功しなくて全く問題ないし、成功したら逆に怖いやつ。
世界恐慌編
1929-09-20から30年間で見ます。
そりゃそうよ。だって30年間株価が復活してないんだから、その期間生き延びられるはずがない。
ちょっと雑に作ったプログラムなので株式がマイナスになってしまいました。後で修正します。(※どうせ世界恐慌は考慮しないので)
じゃあ世界恐慌が起こったらいくら資産があったら耐えられるの!?って思ったのでちょっといじってみました。生活費と現金は変えずにS&P500だけ変動させると、大体3億円あれば生き延びることができました。
【合計3億円】
30年後に世界恐慌が終わるタイミングで5500万円残りました。暴落の後は暴騰しかないので、後は好きに生きられます。
ということで、世界恐慌を考えるなら、総資産3億円(税金考慮)をきっちり持ってから挑みたいですね!!!
いやいや、それだったら生活費×30年 + 老後用5000万円 = 2.15億円あれば世界恐慌は生きられます。
あれ?じゃあ2.2億あれば投資自体しなくていいんじゃ・・・
って思うかもしれませんが、そうなると円100%で円安やインフレに対抗できません。どうしても半分は円とは別の資産を持っておきたい所です。
ということで、世界恐慌は考えちゃダメってことで、無視して次を見ましょう。次々!!
ベトナム戦争~第一次オイルショック辺り
1973-01-11から30年間で見ます。
あーいいっすねぇ。想定通りです。最初の7年は株式が暴落しているのでその期間頑張って耐えて、耐え抜いた後に現金を補充、そこから始まる株式の快進撃です。ITバブル崩壊食らってますが、その手前のバブルを完全に受け取ってるので何の問題もありません。結局合計2億5000万円手元に残った状態でアーリーリタイア達成です。強い。老後は見るまでも無いので割愛。
為替リスクver
では、為替を考慮してSP500の投資額を75%減らしたバージョンも観ます。これが耐えられれば余程のことが無い限り余裕で達成でいいでしょう。
2295万円でフィニッシュです。さて、ここから老後のシミュレーションもしてみましょうか。ただ、2001年から現在まで22年ぐらいしか見れないのでそこは諦めてみます。
2,295万円からの老後生活
案の定ダメですね。75%為替で食らったらこれでは厳しいです。甘く行くかどうか非常に悩ましい所です・・・65歳 + 22年 = 87歳まででエンドです。
じゃあ耐えられる数値はどうすればいいかっていうと、大体1.7億円スタートにすれば行けました。老後前がこちら。
為替リスクver - 総資産1.7億円スタート
1.7億円のうちわけは現金プールはそのまま、米国株の投資額*75%の状態でスタート。
老後はこちら
おお。生活費が192万円/月と激減したのでITバブル崩壊+リーマンショックがあっても無事耐え抜くことができました!というか現金プールが余裕すぎるから何の問題もないんだよなぁ・・・
いやぁ、1.6億から1.7億にするだけでもかなり違いますね。株式の複利の効果ってすげぇなぁって思いました。
正直、ITバブル崩壊とリーマンショックもキッチリ食らったので、なんかもう1.7億円あれば老後まで30年+老後を見ればなんとか達成できるんじゃないかなぁとか思い始めてます。というか、65歳までたどり着いて、残り30年の生活費を見ればなんとなくゴールが分かる気がした。
エーっと、老後必要な生活費16万円 * 12 * 30 = 5760万円です。先ほどは2300万円で全然ダメだったのが良く分かります。ということで、目標は5000万円ぐらい持ってればなんとかなるかなぁとおもわなくもない。
ということで、お次はITバブル崩壊を見ましょうか。
ITバブル崩壊+リーマンショック
2000-08-31から崩壊するのでそこから見ましょう。
いやキツイなぁ・・・さすが2大暴落はさすがにキツイです。ですが、為替リスク考えなければギリ生き延びられますね。
残念ながら老後は調べられないので割愛。
結局22年後の時点で総資産は8,600万円ぐらいになった。残り7年必要ですが、さすがにちょっと厳しそう。1.6億円じゃだめかもしれないが、子供が大学を丁度卒業する季節なので、生活費はかなり楽になっているはずなので、なんか頑張れそうな気がしてる。ギリ1.6億円でリタイアいけそう。
ではお次は為替リスクver。為替リスク無しでもダメなんだからダメでしょ。
為替リスクver
全然だめ。2000万円でフィニッシュです。
ということで、1.7億円で開始した場合も見ておきますか。
為替リスクver - 総資産1.7億円スタート
最後は3300万円でフィニッシュです。流石2大暴落合わせ技期間。仕事を辞めたタイミングも最悪でITバブル崩壊した瞬間暴落している時期なわけですから最悪ですね!!
というか、2000年スタートなので、目標の30年たってません。それで3300万円は失敗もいいところです。
じゃあ、一応1.9億円verも試します。1.8億も結局耐えられなかったので。
為替リスクver - 総資産1.9億円スタート
うん。これならギリギリ生き延びられそう。結果は7100万円。残り7年せいかつひ地獄があるとかんがえて、7年 * 544.8万 = 3813.6万円。老後に3286.4万円残る計算なので、まぁ、生き延びることはできそうです。
とはいえ、1.9億円かぁ・・・うーん。それじゃあ、資産が出そろって、ポートフォリオを組んだ後、1年間は働いてみた場合を想定してみましょうか。成功していれば資産が明らかに増えてるはずだし、失敗したら諦めて働け(涙)
オマケ1 - ITバブル崩壊から1年間働いてみた(1.9億円ver)
最初の1年分の生活費を現金に突っ込んで見ました。働いたお金は全部生活費に入ったとみなしてください。
1年分の生活費を現金プールに突っ込んだだけでとてつもなく安定しました。結果、9000万円でフィニッシュ。1年働いただけでここまで改善するとは・・・
ともあれ、ITバブル崩壊+リーマンショックが発生を想定しつつ、円高も想定した場合は辛いということが分かりました。
かなり稀な例だとは思いますが、リーマンショックなんかはその最たるもので、大暴落+円高が進行した年でもあります。なので、このぐらいのリスクは考えておくべきかもしれません。
うーん。残念ながら、ちょっと気軽にリタイアできなくなったぞ・・・
ということでまとめましょうか。
まとめ
- 1.9億円あれば、円高になり、かつ、ITバブル崩壊+リーマンショックが来ても耐えられそう
- 最悪、リタイア後の年金と健康保険の支払がクッソキツイので、暴落を耐えてる間だけ低所得でもいいのでどこかに働くことができればなんとでもなりそう。※但し絶望した目で過ごしてそう
- 為替(円高)とか知らん!でやるなら1.6億でなんとでもなる。
- リタイア資金確保できてから1年間猶予を見ると安定しそう
1.9億円かぁ・・・難易度が上がっちゃいました。その金額を用意するか、一旦1.6億円貯めてポートフォリオを組んだ後、2年間様子をみて、暴落していないようなら辞める、という選択肢もかなりアリじゃないかなとも思えました。寿命も2年稼げますし、最悪、その2年のうちに未曾有の大暴落ラッシュが来た場合、仕事をしておいて逆に良かった、ということにもなりますし。
残念ですが、ともあれ、1.6億円は最低限欲しくなったのでした。
さて、次回についてですが、今回はピンポイントで期間を限定しましたが、それではもったいないので、1929年12月30日から30年間、毎日一日ずつずらした結果をチャートにしてみたいと思います。
その最終結果の集合体を集めた上で、総資産とか切り崩しタイミングとかのルールを変更することで一番いい結果になりそうなところを探っていきます。予定です。
※以下続きです