※親会社であるFTXが破綻しFTX JPも利用不可となりました。本記事はあくまで過去のものとして備忘録として残しておきます。(2022/11)
本記事は続編物です。以下過去記事を見ないと良く分からないかもしれません。
なお、びっくりするほど人気が無いシリーズだったらしく、全くアクセス数がありません。むしろ人の目に付かないほうがいい気がしたので私以外やらないでください責任取れません。
やってることおさらい
- 冬相場すぎて現先が逆乖離して先物が安くなってるよ
- 長期保有して動かさない仮想通貨で先物ロングー現物売りをして逆乖離分利益を求めるよ
- USDが手元にくるが「FTX Earn」対象外なので勿体ないよ
- USDを使ってFTX JPが扱っている通貨の中で現先が逆乖離していない銘柄を探すよ
- 今回はBTCが一番高かったのでそれの先物ショートー現物買いをするよ
- BTC現物が「FTX Earn」の対象になったので利益を得られるようになって、逆乖離分+BTC乖離分+FTX Earnの報酬の3つを手に入る(可能性)ができたよ
- 法定通貨無しで実装できるのが最大のメリットだよ
という感じでした。当然ながらFTX Earnで受け取れるのはBTCになってしまうので、他の通貨を伸ばしたい場合はBTCを売って他通貨に乗り換える手間は発生しますがそこは各々で調整するところでしょう。私はBTCいっぱい欲しいのでそのままFTX Earnでもらいっぱなしにする。
これをやるにあたり、次の問題が浮上していました。
個人的に問題だと感じてる部分
- クロス対象の板が薄い場合、意図せず高値で買ったり安値で売ってしまって乖離分儲からない可能性
- 少額取引を手動でやると乖離は少なく手数料が浮くが時間ばかりかかって大変
で、実際に試したことを備忘録としてまとまると、こんな感じでした
実際どうだったか
- 乖離を大きく、枚数もそこそこの内容をクオンツゾーンで設定したルールがアクションを起こしても、大きな乖離は一瞬らしく約定してみると乖離は非常に小さいものになってしまった
- 乖離をある程度抑えて、最小注文数をルールに入れてコツコツやると、上記のルールよりも圧倒的に乖離を大きく取得できた
この辺は時間帯とか枚数の単位とか状況により人それぞれだと思いますが、私の中の結論では上記となりました。
ということで、折衷案として次のように実装しました。
折衷案
大き目の乖離は常日頃から発生しているのですが、本当に一瞬の出来事ですぐ戻ったりします。その場合、そのリバウンドで大きく乖離を抑えられるというリスクも生じることと、一瞬取れたとしても少額しか取れなかったりするので、ある程度の妥協を織り込んでいます。
そんな感じでマシンを稼働させたところ、結果としては次のようになりました。
両建てダブル途中結果
商品名 | 結果 | 一連の儲け | 儲けの率 |
SOLUSD売り | $1,634.18 | ||
SOL-1230ロング | -$1,619.18 | $15.00 | 0.93% |
BTC-1230ショート | $1,777.49 | ||
BTCUSD買い | -$1,774.25 | $3.23 | 0.18% |
上記の儲け率は手数料コミの数値です。また、「儲けの率」はあくまで予定です。12月30日に仮に乖離が縮まらない場合は手数料負けする恐れがあります。
若干残念なのは、BTC側のクロスについて、FTX Earn分が惜しくなったので途中で乖離率を少し下げてクロス開始してしまったこと。今また若干リバウンドしてるので乖離が増えてきているのでそこまでじっと待てばよかったか。とはいえクロス取引なので損失は無い(※手数料負けの可能性はまだ残ってるが)のがこのマシンの大きな利点だ。
乖離が再び開くのを待つか、さっさとクロスしてFTX Earnの恩恵を取りに行くか悩ましいところです。
さて、儲けとしてはFTX Earnを除いて18ドル1.12%程度と言った所。大体20万円ぐらいのSOLをもっていたのでお試しとしては悪くないお小遣い稼ぎマシンの名にふさわしいものとなった。これにFTX Earnの5%(※APY) / 365日 * 130日 = 1.7%(※APY)ぐらいの儲けが追加されることになります。30ドルぐらい儲かったら嬉しいなぁ。
で、本当に超少額でやってたので取引量がかなり増えてしまいました。ログが大変なことに。
それだけの労力をクオンツゾーンが対応してくれていたのでした。両方のポジションを寝てる間も動いてくれるのでラクチンです。
で、このルールの嬉しいところでもあり、欠点でもある点が浮上しました。
ウォレットのUSD残高増減問題
今回、SOL/USDを売ったことでUSDが増えたため、それをもとにBTC/USDを購入してBTC-1230をショートしていますが、SOLを完全に売り終えた後でもBTC/USD買い、BTC-1230ショートの注文が継続的に行われています。上記の結果発表を見ると分かりますが、SOL/USDの売った総額と、BTC/USDを買った総額を見比べると明らかにBTC/USDの総額の方が上になっています。
これには理由があって、FTX JPでは先物(BTC-1230)やパーペチュアル取引(BTC-PERP)等でポジションを持つと、その損益状況によりUSDの残高が増減します。
今現在仮想通貨界はリバウンドして暴騰しています。SOL等のアルトコインは暴騰局面においてBTC以上に値を上げてくることは結構あったりするのです。上記損益を見ると、大体100ドル近く利益が出ている状態です。これはポジションを持っているだけで決済はしていない状況ですが、USDの残高もつられて増えることになります。
上記例だと41.6ドルが取引可能となっています。本来であればSOL/USDを売りつくしたので0になるはずですが余剰が増えています。
で、私のマシンはUSDの余剰があり、かつ、BTCの乖離がある程度開いた所に差し掛かったらBTC/USD買い,BTC-1230ショートを自動で実行すると。
ここでのポイントは、BTC-1230側はショートであること。
乖離が発生するパターンの傾向として、暴騰局面においては上側に乖離が大きく発生しやすくなり、下落局面だと逆乖離が発生してマイナスになったりします。今回のSOL/USDとSOL-1230は逆乖離が発生しているのがソレです。
つまり、本記事の「小遣い稼ぎマシン」を起動することで、「暴騰が起こったらBTCショート」して「暴落が起こったらSOLロング」が行われることになるため、実はUSDを使い切ってもいい感じにイーブンに持っていくことはできるんじゃないかなと。
で、これのメリットとしては単純にBTCの現物が増えるため、その分FTX Earnの報酬が増えることを意味します。なので積極的にBTC側のクロスを増やして行った方が総合的にみてお得と思う。
想定シナリオはこうです。
想定シナリオ
- SOL暴騰時にBTCをショートする
- 更に仮想通貨が暴騰した場合BTCショート追加分はマイナスだが、SOLの圧倒的な暴騰率によりあまり気にならない。またUSDが増えるのでまたBTCショート
- 結果、BTCショートの方が枚数が若干多くなるので、その後一気に暴落が発生した場合、SOLロングは大きく値を下げるがBTCショートが輝きだすのでウォレットのUSD的にはある程度緩和できる見込み
という感じ。ある程度見込みでやってるのでその限りではありませんが、上記のように動いたら嬉しいなぁという感じで。
但し、欠点も当然あって、SOLの暴落が予想以上に大きくなった場合、USDが枯渇します。USDが枯渇してマイナスに入るとUSD以外の通貨が強制的に決済される可能性を秘めています。以下FTX JPの公式ヘルプサイトより。
USDの残高がマイナスになるとどうなりますか? – お客様サポート(ヘルプ・お問い合わせ) | FTX Japan
https://help-jp.ftx.com/hc/ja/articles/10665842968729
下記に記載のある条件を満たす場合、FTX JapanはUSD以外の証拠金をUSDに転換します。
- 毎週日曜日の午前9時時点でUSD残高がマイナスの場合
- USD残高のマイナスが3万ドルに達した場合
つまり、日曜日の午前9時の時点でUSDがマイナスだとBTCとかの現物が強制的にUSDに変えられちゃうということです。これについては以下過去記事を参照。
結論から言えば、強制的に決済されると
- クロスが解除される可能性
- OTC取引になるためスプレッド幅の実質手数料を大きく取られる
の2点のデメリットがあるため、可能であれば日曜日の前にクロスを多少解消するか、日本円なりを持ってきてUSDにちょっと追加しておくのが無難です。もしくはBTC側のマシンの稼働を辞めるかのどちらか。
私の場合ですが、BTCショートの枚数を増やすことで暴落耐性を得たいと思ってるのでBTC両建てマシンはそのまま稼働中です。最悪USDマイナスになってもそんなに大きな額をクロスしていないためたかが知れてるので静観しています。最悪1万円ぐらいはついかでぶっこんでもいいかなって感じ。さすがに1万円ぐらいの余力はすぐ入金できます。
クロス解消の場合は結局手数料が発生するのでオススメしません。往復の手数料が単純に損失になります。FTX JPは成行注文だと最大0.07%取られるので往復分も考えると結構辛い。多くの人は永年5%割引を貰って口座開設してると思うので、最低手数料としては次の感じか
最大手数料
0.0665*4 = 0.266%
私の場合はFTT25枚持ってるので
0.063175 * 4 = 0.2527%
っぽそう。この0.25%が損益分岐点となるため、ETHの乖離が-0.4%の現状ならやっても損はしないかな、というぐらいで実装はできそうです。ただ、トレードするとどうしても乖離が発生するのでクオンツゾーンに仕込むなら-0.6%超えたらというルールぐらいでやるかなぁ。ちょっと考える。
FTT多く持ってると恩恵得られますが、大金トレードしなければ25枚でやっぱ十分かなぁと思う。地味すぎるのでそこまでやらなくてもいいかなという感じ。FTTの将来かけるなら多く持つのは大いにあり。というか私はもうちょっと欲しいと思ってる。
IEOには参加できませんが、値動きは悪くないと思う。150枚ぐらいは欲しい所さん。
ということでまとめると、
- ポジションによりUSDがプラスになることがあるよ
- その分BTCクロス増やしてBTC現物が増えることでFTX Earn報酬をより多く狙えるよ
- 但しUSDがマイナスになったら補填してね(※とはいえその分クロスポジションが確立されてEarn分もらえてるので悪くないと思われる)
他の通貨でクロスしないのか問題
FTX JP上だとAVAX辺りの逆乖離がすごくて-2%超えてたりしますが、私が現物持ってないのでやりません。もし持ってる人は試してもいいかもしれない。今回の小銭稼ぎマシンはあくまで「仮想通貨」を超長期的に保有予定のもののみが対象となるため、AVAXを持っていない私はできないのでした。
ということで、おそらく次回の報告は12月末になると思います。さてさて、想定通り乖離は収まるでしょうか。楽しみです。
いつもの
ということで、FTX JPのリファURLを張ります。こちらのリンクから新規口座開設をすると永年手数料が5%減りますので是非!
FTX JPは取引停止となったためリンク削除しました