【3倍レバレッジ】VIXによるタイミング投資を検証します_その2(TMF_TQQQ等編)

こんにちは。okometsubuです。

 

今回は続編と言う名の前回の過去記事を無に葬る記事となります。葬るというか、前回の結果も包括した形で記事にするというものです。以下過去記事。VIX指数を見てSPXLに投資するか、S&P500に投資するかを毎日チェックして切り替えた場合どうなるのかを検証しました。

 

 

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で、今回は別の方からツイッターで以下の条件を追加が知りたい!とご要望を頂きました!

 

追加のご要望一覧

  • VIX20以上になったらS&P500ではなく「TMF」もしくは「現金」にスイッチ
  • TQQQとQQQで組み合わせたら面白そう

 

幸いなことにスクリプトはそのまま流用できて対象を切り替えるだけで簡単に結果が出せたので今回の記事が完成しました。というわけで、条件とか前回と同じですが記載します。

 

追加条件

  • VIX 20以上ではVOOかTMFか現金に、20未満ではSPXLにする
  • VOOは歴史が浅いので^GSPC(S&P500)で検証します
  • SPXL,TMF,TQQQは疑似データを使います
  • TQQQはQQQとのスイッチとTQQQとTMFのスイッチも見ます
  • 全て終値ベースで考えます
  • VIX20判定の翌営業日に反映させます
  • 手数料は配当金は考慮しません

 

QQQとTQQQが分かればXLKとTECLも何となくイメージが付くからそれはやらない。過去データとしてはTQQQよりちょっと実力が落ちると思えばOKな感じなので。

 

TMFの疑似データの取り方は以下。VUSTXを元にしたものでやってます。

 

 

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それじゃ早速結果見ちゃいましょうか。QQQとTQQQは残念ながら過去データが少ないので別枠でやります。

 

VIXが20前後で切り替えた場合

1990-01-02~2020-06-19の約30年を見ます。

 

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終結

  • SPXL:64.57倍
  • S&P500リバ:58.64倍
  • TMFリバ:119.47倍
  • 現金リバ:20.62倍
  • S&P500:8.61倍

 

TMFは超低金利まっしぐらになった2000年から2020年まで結果が滅茶苦茶いいですね。

 

ここで面白いなと思ったのは1995年~2004年くらいの結果です。青色のTMFリバランスの線とオレンジのS&P500リバランスの線が全く逆の動きをしているのです。

 

これは前回の記事でもお伝えした通り、VIXが高くなっているにも関わらずITバブルがドンドン溜まって行っているというものとなります。

 

つまり、この期間にSPXLに投資せずにS&P500やTMF等にリカバリーするための動きをしたことで、「ITバブル」に乗ることが出来ずに残念な結果になったわけです。

 

しかしながら2010年から2020年までの超低金利政策やら超絶株高でTMFとS&P500のリバランスはとても伸び伸びと伸びまくりました。ポイントは2007~2009年のリーマンショックでの耐性です。ここで大きな下げを回避できたからこそ、その後の10年で大きな利益を得られたというわけです。

 

VIXが低くてSPXLに全力で入れて伸ばしてますからね。他のリバランス組も同様にSPXLに入れているのですが、結局暴落時に下がった評価額を使うことになるので伸び率はTMFリバランス側の圧勝です。

 

こう見るとやっぱりTMFっていいなぁって思っちゃいます。後はこの超低金利がいつまで続くのかが分かれば速攻買いまくる(SPXL:TMFを60:40)のですが・・・。(筆者心の声)

 

ともあれ、1995年~2004年ぐらいはむしろ株価が下がってしまうという点は注意したい。結局、今から株高になるならTMF持たなくていいし、株価が下がる読みならもった方が圧倒的に良い。チキンレースして暴落時期直前に買うことを計画するか、ドルコスト平均法とかで後1年間、TMFにチョイチョイ買付を入れるとかでも楽しいかもしれない。

 

話が脱線しました。

 

ということで、今回QQQとTQQQの組み合わせについてもツイッターで「面白そう!」とコメント頂きましたのでそれもついでに見ます。QQQ発足時からスタート。で、時期が前回検証したITバブル崩壊-1年に近いので、もうまとめてここで記載します。開始時期が前回記事と半年程度違いますが誤差だよ誤差!

 

QQQ開始から現在まで

1999-03-10~2020-06-19の約20年を見ます。ゴチャゴチャしてますがご了承をば。 

 

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終結

  • S&P500リバ(SPXL):5.77倍
  • TMFリバ(SPXL):14.43倍
  • TQQQリバ(QQQ):12.29倍
  • TQQQ-TMFリバ:22.54倍
  • 現金リバ(SPXL):4.10倍
  • SPXL:2.06倍
  • TQQQ:1.02倍
  • S&P500:2.41倍

 

線が多すぎて草生えてます。拡大必須ですねこれは・・・

 

ちなみに「TQQQリバ」だけ特殊で「TQQQとQQQ」によるスイッチとしています。他は「SPXLと{何かしら}」か「銘柄そのまま100%」のグラフです。

 

最終的に最も強かったのはTQQ-TMFによるスイッチングという事になりました。途中まではSPXL-TMFのスイッチが素晴らしい結果になって、2015年ぐらいから後は流れでお願いしますと言った所でしょうか。

 

ちょっと注目してもらいたくて疑似TQQQオンリーのグラフも載せています。最初2000年までは圧倒的トップを走っていると思いますが、最終的にドンケツのびりっけつです。一番下の黒っぽい線ですね。それだけ「ITバブル崩壊」というのは大変なものであり、20年合っても復活できないという酷いものということです。

 

しかしながらTQQQとQQQやTMFでのスイッチングを行うことにより見事に復活を遂げたことになります。そして恐らく「ITバブル崩壊」の翌年ぐらいから検証したらTQQQ側が圧倒的勝利を収めることでしょう。VIXによる切り替え運用は的を得ていると言えそうです。

 

そして結局このグラフをみても「やっぱりTMFが神がかっている!!」という感想しか生まれねぇ・・・。くそ・・・。今超低金利だから買いたくないのに買いたくなっちまうじゃないか・・・。

 

でも、結局TMFは1980年頃を境に高金利から低金利へ移っていく過程のパワーがあったからこそここまで強くなったと知識が無いながら思っています。低金利になればなるほどTMFのパワーが圧倒的になるイメージです。であるならば、今現在超低金利であるので、この時期では、その高金利から低金利に移り行くパワーはそう無いんじゃないかなと勝手に思っています。以下過去記事です。このグラフをみたら今から買うのは躊躇してしまいます。

 

 

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実際のデータはmultpl.comサイトを引用させて頂きました。

https://www.multpl.com/10-year-treasury-rate

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15%の金利が0.64%なんですから、そこに向かう「パワー」は今からじゃちょっと受けられないなって思ってます。(※超絶素人考え)

 

但し、TMFにはもう一つの利点があります。「株式」の動きと逆に動くというものです。

 

金利はもうしばらく続くだろうということと、もしかしたら「マイナス金利」まで行く可能性があるともっぱらの噂です。その分の「パワー」を貰うことはできるかもしれません。しかしながら、過去の圧倒的な高金利から低金利へ流れるパワー自体は封印されることだと素人的な予想ができます。

 

ただし、SPXLやTQQQの大幅下落時に対するショック耐性として逆の動きを今後もしてくれるというのであれば、役割は十分確保されているという認識・・・なんですが、認識あってるでしょうか。不安です。

 

この話って色々調べてもいろんな人が色んな思惑があって千差万別、つまり、金融リテラシーがある人でも意見が異なっているので難しい問題なのかなと思った次第。

 

ということで、端的に言えば、この後の相場が下落相場読みなら超低金利時代でありながらもTMFを持っていた方がお得ですし、今後相場が上昇相場だと読むのであれば、TMFではなく現金で持ってた方が良いとかそういう認識です。

 

で、今は割とバブルなような、そうじゃないような、微妙な感じで人々の噂が飛び交っている状況。今がまさに「バブル」とはっきり分かるのであれば、TMFを今から持つのはアリなんですが、今が「バブル」かよく分かんないし、いつはじけるかも分かりません。どうしましょって感じです。

 

と言うわけで、VIXスイッチ編だったのになぜかTMFどうするかという話になってしまいました。TMFが強すぎるのがイケナイ。強すぎる。

 

さて、他の感想ですが、そうですね・・・。

 

前回も書いたのですが、VIX切り替え運用そのものは素晴らしい成果があると思います。ただ、やっぱりVIXが20前後になったらすぐに切り替えられる「人」の機動力が必要な点と、スイッチに関わる税金・手数料がやはりネックかなぁと思った次第。

 

今回の検証では毎日逐一チェックして切り替えてる検証データなので、現実で運用するのであれば、1回切り替えたらしばらく1ヶ月は変えないとか上手くやるしかないと思います。条件が増えすぎて面倒過ぎるのでこれ以上複雑な検証はしない予定ですが、大暴落時をとりのがす恐れが少々。その時は流石にすぐ動けばいいルールにするとかで回避すればいいか。

 

今実際にVIX運用してる人はどうやってるんだろう。監視入れて夜中起きて切り替えてるんだろうか。仕事して無かったら私もやってたかもしれないけど、仕事で疲れちゃってそっちに気を持っていかれたくないよなぁ・・・。一応この検証データはVIXで20前後切り替わったら翌営業日の終値で出してるので1日の猶予はある感じ。なので、人の手でやってやれなくはないです。

 

ともあれ「VIX」に対する監視となるため、「人」がSPXLやらTECLやらTQQQに注文対応をする必要がある点が大変そうです。長期運用を前提としている人には扱いづらい、難易度の高いものと言う認識です。でも普通に今回の結果が優れていたので採用したい気もする。

 

何故か読者様の反応が良い本記事。ちょっと予想外でした。皆VIXでの投資に注目してるのかな。もしかしたらすごくいい投資方法なのかもしれない・・・。悩ましい。夜しか眠れない日々が続きそうです。

 

というわけで、今回はここまでと致します。

 

 

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